水都
水都へ向かう途中色んな景色が見れ、サーニャと騒いでいた。
「凄い景色ですね!見た事無いです、こんなの。」
サーニャは雪を見るのが初めてだと言う。
「俺も初めてだな、聞いた事はあるが。」
水都の方面は気候の影響で雪と雨が多いので、水都方面に行った事が無いザウリスやサーニャにとって雪は初めてだった。雪の綺麗さに見惚れていたら、雪玉を当てられた。投げられた方を見るとサーニャがニヤニヤしながら新しい玉を作っていた。
「やったな!」
ザウリスも雪玉を作り、サーニャに投げ返した。戦闘を忘れて遊んだのも久し振りだった二人は無邪気に、そして無我夢中で遊んでいた
。「ザウリス達、そこら辺にしとかないと風邪ひくよ。」
よく寒い中遊べるなと服装から見て取れるレベルで重ね着をしているルーダに言われ、馬車に戻った。水都までの道はしっかり雪かきをされており、馬車が通れるようにされている。
「私は寒いのは苦手なんだよ、ザウリス達が遊んでいるところを見るだけで寒くなっちまう。」
「ルーダさんの弱点は寒さなんですか?以外に盲点でした。」
「以外とは何だサーニャ、寒いもんは寒いんだよ」
「自分も始めて雪というのを見ました、こんなにも切なく綺麗なんですね…」
「ウールスさん、凄くカッコいいですね!」
皆笑い合っていた。
「そろそろ着くぞ。」
チルスがそう言い、馬車から降りると、そこには綺麗で洋風な建物が並んでいた。
「わあ!初めて見る…。」
「雪に赤レンガ造りの建物は合いますねえ。」
「早く宿に行かせてくれよ、寒過ぎて辛い…」
パーティーの意見の合わなさにザウリスは笑ってしまった。
「取り敢えず宿へ向かいましょうか、チルスさん。」
宿へ着くと早速ルーダが暖を取っていた。
「はあ…暖かいねえ。」
溶けてるように見えてしまったのは気のせいだろうか?
「ルーダさん、アイスみたいに溶けてますね。」
「まあ、放っておこう。うん。」
続けてザウリスが話した。
「俺は買い物をしに行くから、皆宿で待機していてくれ。」
行こうとしたらサーニャが止めた。
「私も連れて行ってください!また洗脳されたら困りますからね!」
頬を膨らませ、怒っている素振りを見せていた。
「仕方ないな、付いてきてくれ。」
頬を指で押し、サーニャを連れて行った。
「…ウールス、アレって出来てないのか?」
「さあ?結婚になったら私が神父をしますよ。」
ルーダは大爆笑した。
買い物を済ませ、宿へ戻る途中、見覚えのある姿が見えた。ザウリスだけがいち早く察知した。
「サーニャ、これ持ってて先帰ってくれ。急用が出来た。」
サーニャに荷物を渡し、すぐに追い掛けた。跡をつけてみるとそこは少し古びたお店があった。中へ入ってみると、そこには人形がずらっと並んでいた。
「…お客様かと思えば貴方でしたか。」
「やはりお前か、久しぶりだなアルフィーネ。四戒から人形屋へ転職か?」
「元々人形屋の跡を継いでましたよ、四戒は壊滅したので解散しました。」
「まさか、解散してノコノコと暮らせると思っていたのか?」
剣に手を当ていつでも剣を振れる体制に入った。
「おやおや、争いはもうごめんです。こちらにも守りたい者が出来ましたからね。」
背後を見ると子供が二人こちらを見ていた。流石に子供の前では剣は振れないので体制を戻した。
「分かってもらえましたか。」
「ああ、そういう事か。」
思いっきり握り拳を作り思いっきり顔をぶん殴った。
「てめえ…何が守りたい者が出来ただ…?ふざけているのか?今までお前は何をしてきた?罪滅ぼしのつもりか?俺らにやってきた事、忘れていたとは済まさせねえぞ。」
「罪滅ぼし…か、そうとも捉えられてもおかしくないですね。ですが、全く違います。この子達は善意で助けたのであって罪滅ぼしでやってる訳じゃないのですよ。」
更にカチンときて殴ろうとした瞬間、付いてきていたサーニャに止められた。
「もうやめてザウリスさん、もう平気ですから…」
止められ、何も出来なかった、アルフィーネは口についた血を拭った。
「そういう訳ですので店から出て行ってください、子供達が怖がってますので。」
ザウリスは大人しく店から出て行き、宿へと戻り、ルーダとウールスに訳を話した。




