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水巫女

「…それは本当か?ザウリス」


訳を話すと、ルーダが疑心暗鬼になっていた。それはなるだろう。何故なら、敵であったアルフィーネが店を構え、更には助けたという子供も居ると。ルーダは無言でザウリスに近付き、そしてビンタをした。周り全員驚いていた。


「…なんで黙って行動するんだい!それでアンタが死んだら…サーニャはどうするのさ!」


至極当然な事で黙り込んでしまった。


「アンタが死んで、私達はどうするのさ!」


「そう…だったな。すまない…ルーダ、サーニャ、ウールス。自室で頭を冷やしてくるよ。」


立ち上がり、自室の前まで行くと自分自身でも今回の行動は自分勝手過ぎた事を葛藤していた。


(また俺の自分勝手が原因で…)


部屋に入ろうとすると声を掛けられ、その方向を見るとチルスと知らない方がもう一人いた。


「あっ、チルスさんと…どなたですか?」


「あっら〜!噂で聞くより可愛いじゃないの〜!」


一瞬で鳥肌が立った、これはある意味ヤバイ人だ。とすぐ悟った。


「隣のはシャルトットだ、一見ヤバイ人に見えるが宝石級で回復魔法のスペシャリストだから連れてきた。今回の作戦だと重要人物レベルになるかも知れないな。」


「んもうっ!ヤバイ人って何よ〜!可愛いザウリスちゃんを生で見れてもう最高だわ!」


二歩下がってしまった、貞操が危うい。


「そんなにビビらなくて良いのよ〜?」


ベタベタ触られたが、これは夜に襲いに行く合図みたいなもんだろうか?


「ちょ…やめて下さい」


手を振り切ろうとしたが無理だった、自分より強いと悟ったザウリスは何としてでも逃げようとしたが、振りほどけなかった。


「もういいだろうシャルトット、やめてやれ。」


ウルスの合図で離れる事が出来たが、流石宝石級の冒険者だ、強過ぎる。


「まーいいわ、ザウリスちゃんは私の可愛コ候補に入れるわ。」


…さっさと帰って下さい、ホントに。


「本題を忘れていたわ、明日本部で作戦会議よ、貴方のパーティー全員連れていらっしゃい。」


チルスと共に帰っていった。ザウリスは謎の脱力感に襲われた。


(一体何だったんだ…)



「ザウリスはどうだった?」


「うーん、筋肉とかはしっかりと戦士体質だったわ、だけどあの子、いずれか闇に飲み込まれるかも知れないわね。精神が安定していないし…何かに囚われてるのかしら…?」


「多分だが、サーニャの事だろう。あいつが意識を失う前にずっとサーニャの事を心配していたからな。」


「サーニャちゃんと何かあったのかはわからないけど、暴走する原因はそこにあると思うわ。精神安定したら宝石級以上になるわよあの子。」


チルスとシャルトットは戻っていった。




(いつ間に寝ていたのか俺…)


身体を起こし、ベランダへ出ると綺麗な雪景色が見えた。


「やっほ〜」


上から降りてきたのはあの女吸血鬼だった。


「戦いに来た訳じゃないから安心して、まずは覚醒おめでとう、まさか本当に覚醒するとは思わなかったわ。」


「…お前は一体俺の何を知ってるんだ?」



「昔から一緒だったから全て分かるわよ。」



「昔から…?何を言っているんだ?」


「まあそんな事はどうでも良いわ、ロードは明後日に進軍してくるから宜しくね。」


彼女はそう言うと空へ飛んで行った。


「一体なんだって言うんだ…」



部屋へ戻り、もう一度寝てしまった。ふて寝みたいなものだろうか?



「…本当に明日進軍なのか?」


「昨日あの女吸血鬼が来て、言っていったんです。何故俺を殺さないのかが本当に分からない…」



「明日進軍ですか…」



鈴の音が鳴り響き、音の方へ向くと如何にも偉い人がいた。


「水巫女様、ザウリスの言う事が本当なら、早急に対策するべきかと。」



「ええ、そうですね。水都の武装配備と水都の軍を揃えましょう。チルスさんは軍の指揮をお願いします。」



「分かりました、では早速動くぞ!」



チルスの号令と共に皆が動いた。

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