尋問
"あのマッドに復讐したいんだろ?俺に身体を預けろよ"
人の形をした黒い影が俺に話しかけて来た。
「お前は誰だ?」
"もう一人のお前だ"
「ふん、馬鹿馬鹿しい、俺はそういう後々恥ずかしくなるようなのに興味が無いんだ。」
"俺を黒歴史扱いするな、一応お前自身だぞ?"
「俺ですら非力なんだ、もう一人のお前も同じだろう?」
"お前みたいな雑魚と一緒にするな"
「もう一人の俺とやらは口が悪過ぎるな」
"まあいい、お前が俺に力が欲しかったらいつでも呼べ"
「—おい!ザウリス起きろ!」
ルーダの声で目が覚めた、やはり夢だったか。
「うなされてたぞ?平気か?」
「悪い夢を見ていたようだ、すまない。ところで着いたか?」
「ああ、着いたよ。私の知り合いだとここで見たと言っていた。」
「ん?知り合い?」
「ガラの悪いグループのリーダーと昔ながらの仲でね、情報をくれたんだよ。」
「なるほど、ヤンチャしてたんですねルーダさんは。」
「まあ昔はね、姐御とか言われて大変だったよ。」
話してる間にマッドのアジトと思わしき所に辿り着いた。
早速突入したが、ただの廃墟だった。
「床の軽く叩いてみよう、地下があるかもしれない。」
ルーダの提案で二人で床を叩いて見たら、一角だけ音が違う床があった。そこを開けてみると地下へ続く階段があった。
階段を降り、罠に気を付けつつ先に進むと研究室に辿り着いた。
「これ、人間やら魔物やらを使って実験してたんだね、気味が悪いよ。」
研究レポートに魔物と人間の種配合が書いてあり、全て失敗に終わったという。
更に先に進むと洞窟に繋がっていた。途切れた線路、壊れたトロッコ。元採掘施設だろう。更に深く進むと奴が居た。
「チッ、もう来やがったか。」
「ルーダ、君の職業は武器創造者だよな?この投げナイフを増やしてくれないか?"効果"もトレース出来るなら尚良い。」
「効果のトレースは元々の効果の半分になるが、それでもいいのかい?」
「ああ、それで十分だ。」
「はああ!戦技:複製<トレース>」
5本投げナイフを複製し、それをザウリスに渡した。
「ありがとう、後は任せてくれ。」
「ケケケ、こっちには物理攻撃と魔法攻撃を無効化する魔法を張ってある!お前如きの低レベルな攻撃なんて効かないのさ。」
「そうか。」
ザウリスはそう言い、投げナイフ五本を思いっきりぶん投げた。
「ケケケ!効かないのにアホな奴だ!」
投げナイフは弾かれず、そのままマッドに直撃した。
「な、何故?」
「答えは簡単だ。この複製した武器、元々は最上位魔法を完全無効するナイフだ、元々の効果の半分って事は上位魔法を無効化出来るレベルにまで下がるが、お前の魔法は上位魔法だから貫通する訳だ。」
ザウリスが近寄り、手足を動かないように固定した。
「さてここからは尋問だ。」
そう言い、マッドの小指を切り落とした
「ああぁぁぁぁ」
悶え苦しんでいたが続けた。
「石は何処だ?」
次は薬指を切り落とした。マッドが発狂し苦しんでる中、質問を続けた。
「石は何処だ?」
「け、研究室の机の上に」
「ルーダ、探してくれ。」
ルーダはザウリスの行動に驚きを隠せなかったが、頷き、探しに行った。
「あったよ。」
「そうか、その石を大切に保管しといてくれ、さてと、続きだ。」
中指を切り落とした。
「四戒のアジトは何処だ?…黙秘か」
人差し指を切り落とした。
「もう止めようよ!ザウリス!」
「何故だね?敵に情けをかけるっていうのか?」
「あんたのやってる事は…拷問だよ。」
「サーニャの心を殺したんだ、たかが指を切ったぐらいで俺の怒りが収まると思っているのか?」
「怒りで大事な情報を引き出せず殺しちまったら意味ないじゃないか!」
「いいや、殺さないさ。回復をかけひたすらに尋問する。死にたくても死なせないさ。」
「そんな事、サーニャが聞いたら悲しむよ!」
「俺はサーニャの代わりにやっているんだ。何が悪い?」
言い争いをしてる途中、糸が飛んで来て、ザウリスはマッドから離れた。糸はマッドに刺さった。
「なっ!?」
「これ以上このマッドから聞き出そうとしても無駄ですよ?私がこの手で殺すので。」
「アルフィーネエエ!」
「こいつの実験資料はまだ使うので返して頂きます。」
そう言うとマッドを連れ、転移して行った。逃したが、石は取り返した。




