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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第一章 レムナット
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  酒。それはカシムの唯一の弱点だ。最初に酒を飲んだ時は二杯飲んで意識を失ったため、被害などはなかったが、二回目は意識を失うことはなかったため僅かではあるが被害が出た。それもかすり傷を負った程度なのだが。


 しかし、今日カシムは二十杯ほどの酒を飲み、いまだ正常とは言えないが意識を保ち、べろんべろんに酔っぱらっている状態だ。カシムがこうなったのはルキのせいだ。その日の営業時間が終わり、カシムが夕飯の用意を終え、いざ食べようとすると、ルキが酒樽を持って来訪してきたのだ。瓶ではない樽だ。最初引いたカシムだったが、ルキがカシムのために持ってきたと言うのでありがたくもらうことにした。ちなみに、カシムは自分の酒癖の悪さを自覚していない。


 「ガ~。」


 「寝たか。」


 カシムは僅かに残っていた意識を手放し、ルキはそれを見て暗い笑みを浮かべる。


 実は、一回目の時は二杯しか飲んでいないため二日酔いなどはなかったが、二回目はそこそこ飲んでいたため、体質なのかはげしい二日酔いに襲われていたりする。


 ルキはカシムをベッドまで運ぶ。


 「起きないお前が悪いのだぞ。」


 ルキはそう言ってカシムと同じベッドに入り込む。






 「う、いってぇ。」


 カシムは起き上がろうとして、頭を押さえる。


 「駄目だこりゃ。」


 あまりの頭痛にカシムは起き上がることを諦める。カシムは目を閉じ、もう一度寝ようとする。


 「すうすう。」


 「ん?」


 隣から寝息が聞こえ、カシムは首だけを動かして自身のベッドの右側を見る。


 「なっ!?」


 そこにいたのは絶世の美女。勿論ルキだ。しかも全裸だった。


 「お、おい。起きろ。」


 カシムは動揺しながらルキをゆすって起こす。


 「んん、むぅ。おはよう。カシム。」


 ルキはそう言ってカシムに笑いかける。カシムは正直ルキが隣で寝ていたことに動揺しすぎて、答えを返すどころではない。


 「な、なんでお前俺のベッドで寝てんだよ。」


 「ダメ?」


 ルキはカシムを上目遣いで見上げる。ルキほどの美少女が隣でそれも全裸で寝ていたのだ。カシムは正直色々我慢が限界寸前だった。


 「そ、それはダメだろう。何か間違いが起こるかもしれないんだから。」


 カシムはルキとは長い付き合いで、カミールほどではないがルキのことも大切に思っている。それは使い魔としても、女性としてもだ。それ故にこのシチュエーションは正直に言えば嬉しい。しかしそれはカシムの勝手な願望であり、ルキが自分に好意を持っていることを知らないカシムにとって喜ばしくなかった。


 「その間違いを期待しているんだよ?」


 ルキは妖艶に笑う。カシムは絶句して、口を半分開けっ放しにしている。


 「ど、どういう…。」


 「もう鈍いなぁ。こういう事だよ…。」


 ルキはそう言って半開きのカシムの唇を、自分の唇で塞ぐ。


 「んん?!」


 カシムは抵抗しようとするが、二日酔いのせいで少し動くたびに頭に激痛が走る。


 「我はカシムのことが好きだよ?カシムは?私のこと嫌い?」


 さっきから若干口調が変わっているルキがカシムの唇から自分の唇を離し、不安そうに聞いてくる。


 「いや、むしろ好きだ。」


 カシムは自身の気持ちをルキにぶつける。その時若干顔が赤くなっているカシムを、ルキは愛おしそうに見つめる。


 「じゃ、食べていいよね?」


 「お、おい。待て。俺は体が動かないんだ。」


 「知ってる。もし拒絶されたら無理やりスルつもりだったから。」


 「スルって何をだ?」


 「小作り。」


 「な!?」


 「カシム、愛してる。」


 「ま、待て!ああーーー!」


 その日、カシムは大人の階段を上った。








--後日--


 「カシム、子供ができたぞ。」


 「まじか!?」


 カシムは一児の父になった。

ルキちゃんの回でした。何かやってほしいネタなどがあったら言ってください!多分やります。

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