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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第二章 シナーラ
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97 二回戦

 この卒業トーナメントは、一学年全五十チームで、二十五チームずつ二つのブロックに分かれて戦う。俺たちはAブロックの一番初めだったので、まだ次の出番は遠い。


 そこで俺たちはおとなしく観戦していたのだが、ひそひそとうわさが聞こえてくる。曰く、


 「三条には運で勝ったくせに粋がっているリーダー(笑)」


 「才能を開花させた三人にくっつくひも。」


 「女に戦わせて自分は後ろで観戦するくそ野郎。」


 などなど、ひどい言われようだった。


 そこまでなら俺もバカの戯言だと聞き流せたが、ある一つの言葉だけは聞き逃せなかった。


 「ひもで、雑魚で、チビのゴミ。」


 ひも。確かに、さっきの戦いを見る限りそう映っても仕方がない。


 雑魚。まあ、俺の実力はまだ見せていないし、明らかに弱そうな見た目(と、よく言われる。)をしているし、もう一度言うがまだ俺の実力は見せていない。


 ゴミ。確かに世間ではひものことを一般的にゴミというだろう。ひもじゃないけど。


 チビ・・・・・・・・・・。コロス。


 と、いうわけで俺は二回戦を俺一人で戦うことにした。


 『開始!』


 今回は実況の生徒が開始の合図を出す。


 それと同時に、紫音達は俺から離れる・・・・・・。全速力で。


 気のせいか、彼女たちは必死の表情で俺から距離を取っている。


 「死にたくなかったら早く逃げて!」


 楓がスミレにそう言った気がしたが、それは気のせいだろう。


 大体、殺しはしない。俺の実力を知ってもらうだけだ。ソウ、タダジツリョクヲミセルダケダカラ。


 とにかく、俺は紫音達の行動にあっけにとられながらも戦闘準備を進めている相手チームに向かって右手を上げる。魔力を素早く練ると、俺は魔法を発動させる。


 「雷竜サンダードラゴン。」


 俺が魔法名を口にすると同時に、俺が練った魔力が解き放たれる。この魔法は俺のオリジナルで、雷のドラゴンを作り出す魔法だ。


 ちなみに、龍バージョンもある。


 とにかく、俺が作り出したドラゴンは少しの間空に滞空して、地面に降り立った。


 「ガアアアアアアアア!」


 ドラゴンは咆哮を一つ上げると相手を睨みつける。ちなみに、声は風魔法で出している。この魔法は無駄に高度なのだ!


 とにかく、にらまれた生徒たちはまさに蛇ににらまれたカエル状態になり、一歩も動けない。


 「やれ。」


 俺が一言そう言うと、ドラゴンは一なきしてから空へ飛び上がった。ちなみに、この空に飛びあがるアクションはただ雷魔法でドラゴンを操作しただけだ。


 そして、ドラゴンは相手チームの真上で滞空すると、口を開ける。相手チームはただそれを見つめることしかできない。


 「サンダーブレス!」


 そして、そのドラゴンの口からその言葉と共にブレスが放たれた。そう、声と共にだ。


 「「「「しゃべった!?」」」」


 それが相手チームが言った最後の言葉だった。


 ちなみに、この声は勿論俺がやったもので、またもや風魔法を使った。声は渋い男の声だった。


 ドラゴンが放ったブレスは、砂煙を巻き起こし、一時的に会場を覆う。


 次に観客たちが見たのは、地に倒れ伏す相手チームと、俺が作り出したドラゴンだけだった。


 俺はドラゴンを消すと、会場を出た。紫音達は俺が放ったブレスの余波を受けたのか、少し顔が汚れていた。


 その後俺が彼女たちに謝り倒したのは言うまでもあるまい。






 ちなみに、五十チームしかないのになぜ俺たちが第五十一番チームかというと、自由に付けられるチーム名をつけるのが面倒だったから、チームの控室の番号を使ったからだ。

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