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第24話:命のバトン、最初の成功
5月に入って最初の大きなニュースが、HUGスペースのラボから飛び込んできた。
以前から進めていた、本物の犬の記憶をロボットに引き継ぐ「命のバトン・プロジェクト」の第一号が、ついに完成したのだ。
「……おはよう、ハナ」
さゆまるが呼びかけると、銀色の毛並みを持った小型犬のロボットが、かつて実在した『ハナ』と全く同じ癖で、首をかしげて尻尾を振った。
飼い主が高齢で飼えなくなり、一度は絶望の淵にいた命。その「愛された記憶」が、今、テクノロジーの体を得て、新しい家族を待っている。
「これなら、殺処分なんて言葉、この世から消せるね」
さゆまるの瞳に、熱いものが込み上げる。
妄想編だからこそ、奇跡はすぐに形になる。
5月は、悲しみを喜びに変える「発明」が次々と生まれる月になるのだ。




