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HUGスペース物語  作者: さゆまる
妄想編
2/30

第2話:虹色の標(しるべ)

AIを使用しています

夜が深まるほどに、そのビルは輝きを増していく。

街灯が心細く揺れる夜道で、空へと伸びる虹色のグラデーションは、まるで「ここにおいで」と手招きしているようだった。

「……あそこなら、私の居場所があるのかな」

足元を見つめて歩いていた少女が、ふと顔を上げる。彼女が辿り着いたのは、二十階建ての巨大なビル。そこは、夢を叶えたい人や、行き場を失った心を包み込むために作られた『HUGスペース』だった。

一歩足を踏み入れれば、そこには「当たり前の安心」が広がっている。

清潔なベッド、温かい食事、そして棚に整然と並べられた女性用の生理用品などの日用品。それらすべてが「あなたは大切にされている」というメッセージのように感じられた。

特にこのビルの特徴は、上層階にある「シェアハウスフロア」だ。

「帰る場所がないなら、ずっとここにいればいい」

そんな願いから作られたこの場所には、完全にプライバシーが守られた防音の個室がある。誰にも気兼ねせず、心の底から叫びたい時は叫び、泣きたい時は泣ける。

「まずは、ゆっくり休んで。それから、あなたのこれからのことを一緒に考えよう」

ケアサロンのふかふかのソファで、スタッフが穏やかに微笑む。

そこでは心理学に基づいたアプローチで、傷ついた心をやさしく紐解いていく時間が流れていた。

少女は、窓の外に広がる新宿の夜景を見つめた。

かつては冷たく感じた街の灯りも、この虹色の光の中から眺めれば、少しだけ違って見える。

ここは、ただの建物じゃない。

絶望を希望に変え、止まってしまった時間を再び動かすための、未来への出発点なのだ。少女が少しだけ前を向こうとしたその時、フロアの奥から楽しげな笑い声が聞こえてきた。

そこは、ただ休むだけの場所ではなく、新しい「何か」が常に生まれている場所。

「ねえ、君も一緒にどう? 今ちょうど、新しいプロジェクトの作戦会議をしてたんだ」

声をかけてきたのは、タブレットを片手に目を輝かせた一人の若者だった。

ケアサロンの穏やかな空気とはまた違う、熱を帯びたクリエイティブな空間。

第3階から上のフロアでは、最新のテクノロジーと個人の夢が混ざり合い、見たこともない景色が作られようとしていた。

少女の物語は、ここから「癒やし」のその先へと動き出す。

果たして、このビルの深層で彼女を待ち受けている「未来の計画」とは――。

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