終
「食い殺してやるぜ、犯罪者」
ニッと鋭い犬歯を凶暴に剥き出しにしたガルドが物陰から飛び出し、その圧倒的な筋肉の質量を乗せた剛腕で、地面の石畳を砕かんばかりに思い切り叩きつけた。
「寄るな、このバケモノが!」
「詐欺師の分際で、他人にバケモノ呼ばわりは筋違いだろ」
狂乱してプラズマ銃を乱射するザインへ向けて、ギルダスがダイヤルを限界まで回して最大出力に上げた高圧空気銃を射ち込む。
衝撃波と破砕音の渦の中、かろうじて二人の怒涛の猛攻を回避したザインの、まさに頭上から――。
グラッ、と音を立てて崩落した改修区画の巨大な天井の石塊群が、雨あられとなって襲いかかった。
「ええい、クソッ! てめえ、頭イカれてやがんのか! 自分の住む街を躊躇いなくぶち壊しやがって!」
「ええ、壊すのよ。古いものをツギハギにして過去にすがり続ける生き方は、今日でおしまい。……信仰と伝統の真意を守りながら、私たちは次の時代へ行くの」
「わけのわからん綺麗事を抜かしてんじゃねえ、このクソアマ!」
レヴィアラルスはギルダスの戦術指示通り、迷いを捨てた瞳で四方八方に出力を上げた空気銃を射ちまくっていた。
古びた壁が、天井が、崩れ落ちていく。それはまるで、今まで彼女たちを温室のように優しく守り、同時に閉じ込めていた殻が破れていくかのようだった。
「余所見してる余裕なんてねえだろ」
「――そういう事だ!」
崩落の隙を突いてガルドがザインへ再び死角から襲いかかり、恐怖で飛び避けたその無防備な着地地点を、ギルダスが正確無比な偏差射撃で狙い穿つ。
激しい衝撃波に弾き飛ばされたザインのプラズマ銃が手元から離れて宙を舞い、そのまま彼自身の身体も無様に地面へと転がった。
「ちくしょう! なぜだっ。 なんで当たりやがらねえ! こいつ……この結晶さえありゃ、テメエらなんか、テメエらなんかっ」
「脳の処理限界だ。いくら未来を見せるアーティファクトといえど、受信側であるお前のショボい許容量を超える情報量をさばく事は出来ん」
煙る粉塵の中、空気銃を冷静に構え直し、ザインへとギルダスが静かに歩み寄る。
「投降しろ。これが現場捜査官としての最終通告だ」
ザインは奥歯がギシギシと砕けるほどに口内を噛み締めた。
こんな、こんな連邦のクソみてえな公務員どもに捕まって連行されるなんて、絶対にごめんだ。絶対に。
「う、うるせえ! テメエらなんかに……テメエらなんかに捕まってたまるかっ」
半狂乱となったザインが、手の中のアーティファクトを握りしめる左手に過剰な力を込めて叫んだ。
その瞬間、周囲の空間がぐにゃりと歪み、ザインの姿が一瞬だけ消失すると、数メートル離れた別の場所へ突如として現れた。
「……! 位相空間に局所的な異常が出始めたか。あいつ、自分の身体のキャパを超えてアーティファクトの次元干渉を乱用しやがったな」
ギルダスは躊躇することなく最大出力でザインの出現位置を狙撃するが、空間の歪みと共にまたしてもザインの姿が不可解な瞬間移動を起こす。
「こ、こいつはすげえ! ハハハハ! 見ろ、これでテメエらなんか……。テメエ、ら……な、ん、が……っ」
「おいギルダス、あいつの身体、アーティファクトの次元負荷に耐えられてねえぞ! 本格的にヤバいんじゃねえのか?」
ガルドの指摘通り、連続跳躍を繰り返すザインの全身から血の気が引き、激しく吐血して咳き込み始めた。言葉を発しようとしても、咽び泣くような声しか出てこないようだ。
「分かっている。――アダム! 聞こえるな?」
ギルダスは耳元に装着されたピアスに指で触れ、上空のAIへ叫んだ。
『――聞こえています、ギルダス捜査官』
「対象のアーティファクトが過剰負荷により事象変異の兆候を見せている。現場の崩壊を防ぐため、緊急事態の特例措置を申請する。スキンとエーテルガンのプロテクトロックを今すぐ解除しろ!」
『了解。状況を検知しました。これより現場捜査官の裁量判断に一任されます。良識ある行動を期待します』
「良識的だとも。 俺達はいつだってな」
通信が切れた瞬間、ギルダスの全身を巡る血流が一気に跳ね上がり、強化インナー『スキン』を通じて高密度のエーテルエネルギーが全身へ駆け巡る。
力を込める身体の変異に呼応するように、腕が、足が、身体のあらゆる筋線維が超人的に強化・膨張し、変装のために上から羽織っていた現地の衣服が無残に弾け飛んだ。
「お、これが空気銃ってやつか。へへへ、一回使ってみたかったんだよな」
「彼、大丈夫なの……ガルドさん? 身体が、急激に膨らんで……すごいことになっているけれど」
「心配いらねえよ。ギルならいつもの事だ。……そんで、この銃、どうやって出力上げるんだ?」
二人のどこか呑気な会話を背後で聞きながら、ギルダスの剥き出しになった黒いスキンを纏う逞しい身体に、活性化したエーテルエネルギーの眩い赤色回路が幾重にも脈打つように奔走する。その圧倒的な威容は、まるで太古の地球のおとぎ話に出てくる「鬼」そのものだった。
「ヒッ……! く、く、く……る、る、るな……っ!」
「安心しろ、殺すつもりはない。――お前の身体が、耐えられればの話だがな」
ギルダスは過剰な筋力で地面を深く沈み込ませて低い姿勢をとると、次の瞬間、爆音と共に弾丸のごとき衝撃波となって突き進んだ。
ザインもまた、暴走を深めるアーティファクトの力によって空間跳躍を乱発して逃れようとするが、背後からレヴィアラルスとガルドが容赦なく放つ空気銃の弾幕によって、逃走経路を完璧に塞がれる。
「歯ぁ食いしばれよ、A級犯罪者ぁ!!」
漆黒の獣をも凌駕する、もはや常人の肉眼では捉えきれない超絶的な速度。ギルダスはアーティファクトが見せる未来予測の映像すら超スピードで置き去りにし、ついに逃げ場を失ったザインの懐へと完全に肉薄した。
そして、スキンによって何倍にも増幅された剛腕を閃かせ、渾身のストレートをザインの顔面に叩き込んだ。
ドッ!!と、まるで大砲が破裂したかのような重厚な打撃音が響き渡る。
ザインの身体は弓なりに弾け飛び、数十メートル先の頑丈な石柱へと激しく激突、そのまま崩れ落ちて白目を剥き、完全に意識を失った。
彼の手からボロリと零れ落ちた赤い結晶は、所有者の意識断絶と共にその禍々しい輝きを失い、ようやく静かなただの結晶へと戻ったのだった。
「フム……。超強化された俺の拳でまともに殴り飛ばされて、骨折程度でまだ息があるとはな。実に強運なヤツだ。自分の強靭な生命力と天の神に感謝することだな」
ギルダスはスキンを徐々に沈静化させながら、倒れ伏したザインと、足元で転がるアーティファクトを見下ろし、心底呆れたように吐き捨てるのだった。
◇
「どうするの? それ」
レヴィアラルスが静かな足取りでギルダスの元へと歩み寄りながら、転がっている赤い結晶を指差して尋ねた。
「暴走しかけたアーティファクトってのは、ちょっと厄介でな。下手にこのまま回収して船で持って帰るのもリスクが高すぎる。……ここで破壊して無力化するしかないな」
「へっ、つーか俺たちが回収するアーティファクトなんて、いつも現場でほとんどブチ壊して解決してけどな」
隣にやって来たガルドの呆れたような声を聞きながら、ギルダスは苦笑しつつエーテルガンを静かに構え直した。
全身のプロテクトが解除されるにつれ、インテグレート・スーツ(スキン)からは過剰なエーテルエネルギーが薄い光の霧となって周囲に拡散し、超人的に強化・膨張していたギルダスの肉体も次第に元の引き締まった体躯へと戻っていく。
久しぶりにプロテクトを全解除して全力で力を使ったな。明日からしばらくは強烈な筋肉痛でロクに動けないだろうな。ずっしりと押し寄せてくる全身の疲労感を肌で感じながら、ギルダスは息を吐き出した。
「そうだ。レヴィアラルスさん、ついでにちょっと『いいもの』が見れるぞ」
「いいもの?」
レヴィアラルスが首を少し傾げ、不思議そうに問い返す。
「そうだ。アーティファクトって代物は、完全に打ち砕くと内部に溜め込まれていたエーテルエネルギーが一気に解放されて、元の純粋な自然エネルギーの奔流に還っていくんだ。その崩壊の一瞬だけ見られる光はな……さっき話した『ハイパースペース』の深層に流れている高次元の光と同じものなんじゃないか、って学者どもの間で言われてる」
ギルダスは足元のアーティファクトをエーテルガンの銃口で軽く小突きながら説明した。
「ここよりも……さらに高い階層の世界の景色が見られるの?」
「まあ、あくまで可能性のほんの一片、だけどな」
「そう。……見てみたいわ。せっかくだもの」
レヴィアラルスはそう言うと、静かな期待を込めた瞳でアーティファクトを少し遠巻きに眺めた。
出会った頃に比べて、随分と表情が柔らかく、明るくなったじゃないか。……いろいろと胸の中で吹っ切れたのかな。
ギルダスは彼女の横顔を頼もしく思いながら、エーテルガンの狙いを定める。
「ちょっと待って。……ここでそんなエネルギー体を破壊しても、本当に平気なの?」
「平気さ。この程度の大きさならな。せいぜい、一瞬ちょっと眩しいくらいだ」
「もし平気じゃなかったら、次の瞬間に一気にドカン。まあ、一瞬の事だから痛む暇もなくて何も怖くねえよ」
「縁起でもない事を言うな」
ギルダスは相棒を一蹴すると、躊躇なくエーテルガンの引き金を弾いた。
放たれた高熱のエネルギー光線がアーティファクトの中心を正確に貫き、微かな音と共に結晶はあっけなく砕け散った。
すると次の瞬間――まるで狭い檻から解放された伝説の金色の鳥が、大空へと一斉に羽ばたくかのように。眩いばかりの澄み渡った金色の粒子が、地下都市の暗闇を鮮やかに照らし出しながら天高く舞い上がり、そして静かに夜空の彼方へと溶け込んで消えていった。
「綺麗……。あれが……」
あれが――自分たちがずっと焦がれていた神々の世界から、ほんの僅かだけ漏れ出しているのかもしれない、神聖で広大な真実の光だというのか。
レヴィアラルスは吸い込まれるように、その幻想的で暖かい光景をいつまでもいつまでも眺めていた。
彼女の瞳には、かつて世界の真実を知る前に持っていた、あの在りし日の純粋な少女の輝きが再び宿っていた。
◇
「ごめんなさいね。見送りが私一人だけで」
「いいや。元はと言えば俺達が押しかけたようなもんだ。それと……こいつもな」
ギルダスがスペースシップの拘留室へと、厳重に捕縛したザインを無造作に放り込みながら言った。スキンによって強化された肉体で殴り飛ばされたのが余程効いたのか、哀れな詐欺師はいまだに意識を取り戻す気配すら見せていない。
「本当は長老たちも総出で見送りに来たがっていたんだけど……大勢でここへ向かってしまうと、市民の皆が何事かと思って混乱してしまうから。街の中は、まだ少し落ち着かないみたいだし」
街では「あの漆黒の獣はどこへ消えた」「預言者様はどこへ行ったのだ」と、あの騒動の後もあちこちで騒然としていた住民たちを、長老たちが粘り強く説得して回っている最中なのだった。
「へへ、 見つけたぜ、こいつの隠し船! 岩陰に巧妙に隠してやがった」
二人の背後から、ガルドの誇らしげで得意そうな声が響いた。
「へえ、案外早かったな」
「フフン、俺の野生の勘にかかればこんなもん朝飯前よ。船の自動修復機能も終わってたから、そのまま大人しく銀河連邦の警察本部へ帰還するようにオートパイロットをセットしてきたぜ」
「食い物と手柄の匂い以外も嗅ぎ分けられるんだな、その鼻」
「ん? なにか言ったか?」
相変わらずの二人のやり取りに、レヴィアラルスは小さく声を上げて笑った。
この惑星の空を長年重々しく覆っていた厚い雲が、心なしか少しだけ薄くなったように見える。雲の切れ間から優しく差し込む太陽の光が、まるで旅立ちを祝福するかのようにあたたかく地上を照らしていた。
「……もう、行ってしまうのね」
「ああ。短期間だったが、色々世話になったな。本当にありがとう」
「いいのよ。また……いつでも遊びに来てちょうだい。心から歓迎するわ」
「いつでも?……それって」
当惑して言葉を詰まらせるギルダスの視線に対し、レヴィアラルスは晴れやかな顔で真っ直ぐに微笑み返した。
その美しい顔立ちには、昨日まで彼女の心を暗く縛り付けていた諦観や憂いの影は、もはやどこにも残っていなかった。
「……私たち、もう一度宇宙へ出てみようと思うの。連邦の上層部の人たちに、よろしく伝えておいて。……もっとも、これだけの騒ぎを起こしてしまったのだから、向こうからすぐに正式な外交官の人が飛んでくると思うけれど」
レヴィアラルスの確かな決意と希望に満ちた言葉を聞き、ギルダスとガルドも晴れやかな笑みを浮かべた。
三人は互いに力強く、硬い握手を交わした。それは寂しい別れの挨拶であり、そしていつか訪れる「対等な隣人としての再会」を約束する固い絆の証だった。
スペースシップのエーテルスラスターが、鮮烈で美しい青白い熱光をほとばしらせ、音もなく天高く舞い上がっていく。
そして、そのまま青空の彼方、星々の待つ宇宙へと消えていく光景を、レヴィアラルスはずっと見上げていた。
(私も……私たちも、いずれあの空の向こうへと行くのだ。今度は、私たちが紡いできた大切な信仰――『アルパ』とともに)
自分たちの信じるものを胸に抱き、大切にしたままであっても、人は新しい未来や次の時代へ進むことができる。
かつて先人たちが絶望して歩みを止めてしまった、大いなる道の入り口に再び立ち、レヴィアラルスは静かに、けれど揺るぎない誓いを胸に立てた。
穏やかな風が、祝福するかのように彼女の金糸の髪を優しく吹き抜け、遥かな未来へと向けて美しく揺らしていった。
◇
「この、大馬鹿者どもがっ」
部屋の隅々にまで、ハリス室長の放った雷のような怒号が反響した。
相変わらずうるさいオッサンだなあ。本当に耳に悪いぜ。ガルドはそう心の中で思いながら、犬耳をピクピクと煩わしそうに動かし、ハリス室長のお説教を右から左へと綺麗に聞き流していた。
「……お前たちにしては、A級指名手配犯を無事に捕らえてきたから、最初はよくやったと褒めてやろうと思っていたのだがな」
ハリス室長は机の上で固く握った拳を震わせつつ、深呼吸をしてどうにか冷静さを取り戻そうと必死に努めていた。
「A級指名手配犯が捕まってアーティファクトも破壊できたんだから、結果オーライでいいじゃないスか、室長」
「そうですよ、大手柄なんですからボーナス弾いてくれてもいいくらいじゃないスか、室長」
「ええい、黙れバカ者ども! どの戦果がどうという話をしておらん! 事件の速やかな解決自体は大変喜ばしい。……だがな、文明保護指定を受けている惑星のど真ん中で大暴れして、街の施設を崩壊させて帰ってくるとは夢にも予想しておらんかったわ! 連邦から派遣された外交官たちが血相を変えて本部に駆け込んできたんだぞっ」
ハリス室長の脳天が再び限界突破で沸騰を始め、目に見えない蒸気を勢いよく吹き出し始めている。
その猛烈な怒気を受け流しながら、ギルダスとガルドは「まあ、壊したの改修中の古くさいエリアだし、誰も怪我してねえから別によかったよな?」と言いたげに互いに目を見合わせていた。こういう時だけは、二人は長年の親友のように奇跡的な息の合い方を見せる。
「……とはいえだ。サクリファの現指導者から、銀河連邦への正式加入と国交樹立を『前向きに検討したい』と連絡が入ったのは、連邦にとっても実に喜ばしい快挙だ。彼らが独自に発展させてきた生物科学や空間制御技術は、今後多くの星々の人々を救う助けにもなるだろうからな」
ハリス室長のその言葉を聞いて、ギルダスは胸の奥に灯火のような暖かな気持ちがじんわりと沸き起こるのを感じた。
(そうか……。彼女たちは、自らの意思で未来へ向けた最初の一歩を踏み出したんだな)
「――そこでだ! これからの両者の末永い友好の証として、崩壊したエリアの復旧・修繕作業に、我が銀河連邦警察から『応援の作業員』を派遣する事となった。……ギルダス、ガルド。お前たち二人に、その栄誉ある復興支援の役割を下してやったぞ」
「ええ、 そりゃないですよ、室長! 俺、スキンを使った反動で、今全身が破裂しそうに痛いんですよ」
「お前が毎回現場で後先考えずにフルパワーで使うからだろうが! 警察医からももう少し身体を大事に扱えと厳重注意されているのに、無茶ばかりするお前が悪い」
「アーティファクトを扱う専門部署だってのに、夢も希望もねえ話」
ガルドは退屈そうにあくびを豪快に噛み殺し、頭の後ろで太い両腕を組んだ。どうやら彼の元々貧弱な集中力は、もう完全に限界を迎えたらしい。
こらえ性のない駄犬め。そもそもお前が壁を豪快にぶち破った場所が、今回の事件で一番デカい被害なんだが、まったく分かってないのか?と、ギルダスは心の中で毒づいた。
「結構、たまには現場の捜査官らしく、汗水たらして建設労働に励むことだな。心配せずとも、作業自体は一か月ほどで帰ってこれる」
一か月……? 冗談じゃない……と、魂が口から抜けたように呆然と呟くギルダスを、ガルドは「へいへい、行くぞギル」と首根っこをひょいと持ち上げて強引に連れていく。
こういう面倒な仕事は、グチグチ言わずにさっさと終わらせて帰ってくるに限るのだ。もっとも、ガルドにとっては崩落した石壁の片付けも、施設の改修作業の手伝いも、持ち前の怪力を発揮できる退屈しのぎの力比べのようなものなのだが。
バタバタと去っていく問題児の部下二人を部屋で見送りながら、ハリス室長は安堵の長い息を漏らした。
これで少なくとも一か月は、あいつらの巻き起こす大トラブルに頭を悩まされることのない、平和で平穏な日々が過ごせるだろう。もしかしたら向こうで汗を流すうちに、あいつらも少しは心を入れ替えて立派な警察官になって帰ってくるかもしれんな。
ハリス室長は満足気にデスクの上のコーヒーカップを手に取り、ゆっくりと口に含んだ。うまい。久しぶりに、心からうまいと感じるコーヒーだ。
そして数時間後、サクリファでは早すぎる再会を果たし気まずそうにするギルダスとガルドの姿があり、レヴィアラルスを驚かせたのだった。




