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魔界のイレギュラー~正体バレたら人生終わります!?  作者: 蒼凪しな
【第一章】正体バレたら即終了!? なのに初日からやらかしました
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2/8

人間だとバレたら食べられるそうです

「君は、どうやってここに来たのかな?」


「え~っと……迷子?」


目の前の男性――一見すると、優しそうなおじいちゃん。

だけど、どこか底知れない雰囲気を纏っている悪魔が、大きく目を見開いた。


……そりゃそうだよね。


悪魔の世界に、人間の迷子。


ボク、自分でも方向音痴だとは思ってたけど、まさか魔界まで迷い込むとは思わなかった。


「そうか……。

 それじゃあ、ついてきなさい」


「え?」


「元の世界に帰してあげる」


……まぁ、当然だよね。


ここは悪魔の世界”魔界”。

そしてボクは人間。


どう考えても場違いだ。


――だけど。


「あの!」


「ん?」


「ここで生きていくことって、できますか?」


悪魔のおじいちゃんが、ぽかんとした顔をした。


「あ、いや……。

 ボク、元の世界に戻っても行くあてがないというか……あんまり帰りたくないというか……」


自分で言ってて悲しくなってきた。


「お願いします!

 ボクをここに置いてください!」


勢いよく頭を下げる。


……待って。


沈黙、つらい。


一瞬だったのか、本当に長かったのかわからない静寂を破ったのは――


「アッハハハハハ!」


ものすごく楽しそうな笑い声だった。


「いやぁ、面白い!

 君みたいな子は初めてだよ!」


え、そんな笑う?


ボク、変なこと言った?


「これまでたくさんの人間を見てきたけどねぇ。

 みーんな『帰してください!』って泣くんだよ?」


「はぁ……」


「だって、人間は悪魔にとって”ご馳走”だからね」


……ん?


「不正取引で人間を連れてくる悪魔もいるくらいには人気だよ?」


サラッと怖いこと言った!?


え、なにここ。

地獄? いや魔界か。


「だからねぇ。

 『帰さないでください!』なんて頼む子、君が初めて!」


キラキラした笑顔が怖い。


ものすごく怖い。


「つまり……」


「君、ここで人間だってバレたら、一口でパクリだよ♪」


語尾軽っ!?


え、待って。


つまりここで暮らすって――命懸けってこと!?


「いや~、嬉しいなぁ。

 魔界に興味を持ってくれる人間がいるなんて」


いや、持ってない持ってない!


……ちょっとしか!


「それじゃ、帰ろっか」


「え?」


悪魔がボクに手を差し出す。


あぁ、なんだ。

散々脅しておいて、ちゃんと帰してくれるんだ。


「僕の家に!」


……あれ?


”僕の家”って、魔界にあるよね?


――終わった。

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