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転生したけどチートとか無かったから努力で世界最強目指します!  作者: 敬礼 なろう・カクヨムで連載中
学園

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第51話 警戒




 学園に入学して、そろそろ一ヶ月が経った。

 この学園での生活にも慣れてきて、俺は今日も、いつも通り移動授業のため校内を歩いている。


 そんな中、俺は謎の違和感を感じていた。それは何かを警戒するような、そんな類のものだ。

 

「なあミュー、最近違和感を感じないか?正体はわからないけど、ピリついた空気というか」


 俺は、その違和感に耐えきれずミューに訊いてみた。すると、ミューも同じように感じていたらしく、こちらに同調するように言った。


「そうね。ここ1週間、先生方の雰囲気も何かを警戒しているようにピリピリとしているわ。それに、さりげないようだけれど警備の数が明らかに増えている。何かあったのかしら」


 なるほど、警備の数か。思い返してみれば、すぐ近くに立っている警備も、2週間前にはいなかったはずだ。


「どうする?丁度そこにいるんだし、声をかけてみないか?」


 そう提案すると、リベルトが俺の案を却下した。


「無理だよ。何か知っていたとしても、学生の僕らには何も教えてくれないと思うよ。それに、警備をしているからと言って理由も何もかも全部知っているわけじゃない。それに何より、僕らは授業に向かっている最中じゃないか。時間を無駄に浪費していたら遅刻しちゃうよ」


 ぐぬぬ、リベルトの言葉は確かに正論だ。質問したとしても、まともに取り合って貰えるとは思えない。

 それなら、そのまま授業に向かう方が合理的だろう。


 俺は、そんなモヤモヤを抱えながら授業へと足を進めた。



 ◆◇◆◇◆◇



 5限までの授業が終わり、放課前のHRが始まると、ユーリ先生は珍しく真剣な顔をして俺らに向けて喋り始めた。


「はい、話を聞いてください。もう、皆さんのうちの多くがが気付いている様ですが、それについて私達教師が皆さんへ伝えられる限りで説明します」


 おや?急にどうしたのだろう。突然の事で、教室の中は、何が起こっているのかわからず困惑しているものと、何のことかわかっていて落ち着いているもので2つに分かれていた。


「ここ一ヶ月程、周辺各国の有名な学園が次々と謎の組織によって占拠されていました。彼らは、学園を占拠するとその学園を人質とし、国に取引を持ちかけたのです。その組織の戦力は高く、被害を受けた国々は取引を飲むしかできませんでした。そして1週間前、この学園でも占拠を行うと予告の手紙がきたのです」


 先生がそう言うと、教室の中はざわめき始めた。そりゃあそうだ。思っていたよりずっと深刻な事態なのだから、仕方ないだろう。


 「ですが、安心してください。今回のことに対して、国は宮廷魔術師を一人こちらに派遣してくれたのです。それだけでなく、学園にいる警備の数も増やして警戒を強めていますので、万が一があったとしても皆さんに危害が及ぶことはないでしょう。それでは、これでHRは終わりです。好きにしてください」


 そう言い終わって先生がHRを終了すると、次の瞬間には、教室中に困惑の声が飛び交い始めた。


「どうしたら良いんだよ!」


「本当に大丈夫なの?」


 教室中が混乱している中、俺はミュー、リベルト、リース、アレンを呼んでいつものメンツで話し合いを始めた。


「もう、その謎の組織とやらがこの学園に来ることは確定でしょうね」


 ミューが話を切り出し、それに合わせて会議は進んで行く。


「ああ、俺たちでも何か出来ることはないか?」


 俺が何かできることはと言うとリベルトが意見を出した。


「そうだね。実際に襲撃された時に抵抗、もしくは返り討ちにする方法は必要だと思うよ」


 なるほど、こちらも抵抗するための力は要るな。


「それはどうやって準備するの?相手は大人、それに戦力も高いときたら勝ち目なんて到底・・・・」


 しかし、リベルトの案にアレンが反論した。うーむ、確かにまともに戦えるような気はしないが、抵抗しないと言うのは癪だな。どうしたものか・・・・


「それにしても、予告をするだなんて余程自信があるのね。そんなことをしたらこちらも全力で警戒するなんて分かりきったことだし、それにすら勝てる算段があるということになるわ」


 リースは、組織の戦力について考察を立てた。

 でも、こちらも宮廷魔術師を呼んでるんだ。それ以上の人物なんて相手もそう簡単には動かせないはず。それなら、相手の戦力は個では無く数か?それなら、宮廷魔術師の戦い方によるが一人では抑えきれないはずだし、簡単に学園を制圧できそうだ。


「どこか、作戦を立てたりする場所が欲しいね。僕たちしか知らない部屋とかないかな?」


 俺たちしか知らない部屋・・・・空き教室とかか?でも、簡単に見つかりそうだし、何か・・・・!


「そうだ、必要の部屋を作ろう!」


 必要の部屋なら、その条件を満たすはずだ。某魔法ファンタジーの主人公達も、敵に対する力をつけるために必要の部屋に篭って鍛えてたりしていた。そのパクリと言っては何だが、真似させてもらおう。


「必要の部屋?それはなんなのかしら、リオン」


 俺の突然の発言に、ミューが訊いてきた。


「必要の部屋ってのは、その人が必要としている時にだけ姿を見せる部屋のことで、その部屋のことを認知していないと存在に気づくことすらできない部屋なんだ」


 俺が説明すると、ミューは訝しむように更に訊いてくる。


「確かに、それなら良さそうだけれど、そんな魔法をどうやって作るの?聞くだけでもかなり難しそうに思うのだけれど」


 そこも、一応解決済みだ。


「昨日、魔術理論の授業で認知の要素を習っただろ?あれは魔法を認知しているかで作用が変わるものだから・・・・」


 ミューに説明していると、話している途中で俺が何をしたいか分かったみたいで、納得し始めた。


「なるほど、部屋自体に認知の判断をする魔法を付与して、認知している人がいないと部屋が現れなくなるようにするのね。でも、魔法の維持はどうするの?常に魔力を注いでいるわけにはいかないでしょうし」


 俺とミューの会話に何とか追いつこうと、リベルト達は目をグルグルさせているが、俺はそれに構わず話を続ける。


「魔石を準備するんだ。幾つか魔力を貯めた魔石を置いておくと、そこから魔力を補充するようにする。簡単に言えば魔道具だな。そして、たまに魔石に魔力をこめればってことだ」


「それなら、問題はないわね。早速魔法陣を組み始めましょう」


 そう言うと、俺たちは魔法陣を組むため空き教室に向かった。


 

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