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第1話

質問:

「人の目を気にしてしまいます」


回答:

 人の目、人の評価を気にすることが悪いんじゃないんです。


 それを、自分の価値と直結することが悪いんです。


 人の目、人の評価を、完全無視では、やっていけません。


 大切なのは、自分の価値を自分で決めることです。


 もちろん、自分の物差しだけで自分を測っていると、訳が分からなくなりますから、他人の声も聞きますが、それは、客観性を良く吟味した上でのことです。


 尊敬するだれそれが認めてくれないとか、周りの大多数が認めてくれないとか、ライバルより劣っているとか、そういう事じゃなくて、自分の価値を自分で決めていれば、人の目、人の評価を気にすることは、別にやめなくたって大丈夫です。



**********************



質問:

「嫌なことを忘れたい」


回答:

 記憶は、思い出すことによって維持されます。


 早く忘れたかったら、なるべく想い出さないようにするのがいいんですが、


「あのことは思い出さないぞ」


 って思うこと自体、思い出してますから、他の事で頭をいっぱいにするしかないですね。



**********************


質問:

「お金を使い過ぎてしまいます」


回答:

 今の時代、何に金を使うのが一番贅沢だと思いますか?


 時間と空間です。


 田舎に別荘を持つ。


 別荘ももちろん贅沢ですが、そういう人たちが別荘に行き来するのは新幹線。


 スピードの遅い移動手段よりもはるかに高いお金を払って早く移動し時間の余裕を買う。すなわち、時間を買う訳です。


 それから、この十年で増えたなぁ、と思うのが、レンタル倉庫。家賃を払って物置を借りるのです。家に置く場所がないから。



 あなたのギター収集、まず間違いなくお金が尽きる前に、ギターの置き場所が無くなると思います。


 あなたの一人旅、間違いなく近い将来、食費、滞在費を交通費が超えるでしょう。


 生活を脅かすのは、金とは限りません。時間と空間も恐ろしい敵です。


 あなたは、子供です。金はバイトで稼げても、時間と空間は親の管理下にあり、勝手には出来ません。ある意味、お金より自由が利きません。節約に努めるべきは、時間と空間。空間の節約には、物を買わないのが一番なんです。


 だから、将来のためだのなんだの言いません。あなたの部屋は広がらない。空間節約のために、お金の使い過ぎに注意しましょう。



**********************



質問:

「親友が私との約束を反故ほごにして、グループで卒業旅行に行こうとしています」


回答:

 よく、イラッで済みますね。


 もっと怒っても許されるケースですよ。


 あなたは何も悪くないです。


「あんた単純に人数で比べて断るの? 1人で済むと思って私の約束断ることにしたでしょ! この算数頭! 誰が大事とか、誰との約束が先だったとか、これからも付き合って行きたいのは誰かとか、一緒に旅行に行って楽しいのは誰かとか、高校の思い出が多いのは誰かとか、そういう事で考えなさいよ! それとも、私は何でも許すだろうから、後に回せばいいや、とでも思った? 甘いんだよ! 卒業旅行一緒に行かなきゃ、バイバイだかんね! 未来を選ぶつもりで、もう一度、誰と旅行に行くか選びなさい!」


 くらいの長台詞を一気にまくしたてる資格があると思います。



**********************



質問:

「いじめらていることを親に言えません」


回答:

 他の回答者さんのおっしゃることが、あらかた正しいんでしょう。


 でも、質問者さんのようなケースが無いとも言い切れないと思います。


 まぁ、1番争いは置いといて、いじめられている自分を、誇らしく思う人はいないでしょう。


 悔しいと思う人も少ないかな? だって、そう思わない人をターゲットに選んでいるんだから。


 攻撃の矛先ほこさきを内へ内へ、自分の中で思考を渦巻かせ、決して、いじめる自分たちに矛先を向けない人を選んでいじめているんですから。


 そう、あえてツッコむとしたら、そこが違うのかな?


 「事実」じゃないんだ。そう思い込むような人を、いじめる側が選んでいるということ。


 捻じ曲げられているとすれば、そこですね。


 まぁ、私の興味はそこには無いので、話を続けましょう。


 いじめられ、自分はカッコ悪いと思い込んでしまった。


 なぜ、親に言わない?


 大事おおごとにしたくない。仕返しが怖い。親を悲しませたくない。


 これは、どうだろう?




 親に嫌われたくない。




 自分はカッコ悪い。親に話す。親はどう思う?




 情けない奴だ。

 失望した。

 やり返すこともできないのか?

 弱い奴だ。




 そんなこと、冷静に考えればあるはずない。


 しかし、恐怖に駆られた頭は考える。




 嫌われたくない。




 そして、今日もニコニコして傷を隠す。



 もし、それを知っていて、いじめていたのなら……、許せんな。



**********************



質問:

「隣の県の私立高校を受験するのは、受験費がかかって、親に迷惑でしょうか?」



回答:

 受験費は、ほんのちょっとのわがままだと思います。


 隣の県の高校に通う通学定期代に比べれば、可愛いもんです。


 そこ、考えてました?


 親が、評判が悪いっていうのに近くの高校に行ってくれ、って言ったのは、通学定期代もかかるし、後は細かいけど、3者面談のとき、お母さんが行くのが大変、とか、あなたに何かあった時に、お母さんが迎えに行くのが大変、とか。


 あと、もし、お母さんにお弁当を作ってもらうつもりなら、遠くなれば、家を出る時間が早くなって、その分、お弁当を完成させる時間も早くなって、その分、お母さんが起きる時間が早くなる、とか。


 まぁ、どれもこれも、評判の悪い高校に行かせる理由としては弱いんですけどねー。


 あれもこれも、積み重なってくると、結構キツかったりして。


 でも、どこの高校に行くかって超重要ですから、言わずに飲み込んじゃダメですよ。


 言って、話し合って、お互いに譲って、必ず納得して下さい。



**********************



質問:

「努力すれば必ず報われますか?」


回答:

 残酷なようですが、努力の結果には何の保証もありません。



 たとえ神だろうと確約することなどできないのです。


 これはパラドクスです。


「絶対できるようになる」


 と約束してしまったら、それで安心して、努力を怠り、実力が付くハズもなく、それでも約束は守らなければならないのか? と神は苦しむこととなる。


 何の保証もない。すべては無駄になるかも知れない。それでも続けるのが努力なのです。


「必ず伸びるって言われたから頑張る!」


 そういうのは、良く言えば、やる気スイッチを入れられた。


 悪く言えば、ノセられたんです。



「保証がなければ努力しない」


 と言うつもりなら、やめておきなさい。


 最初に言った通り、たとえ神だって保証なんかできません。




 似たような話に、


「感謝されないなら親切にしない」


 って人もいますが、これも、だったら親切になんかしないことだ。


 親切をあだで返すやつなんざぁ、世の中にゴロゴロいる。




 ただ、逆は自信を持って言える。


「努力しないで伸びるやつはいない」


 底辺校だろうが、中堅校だろうが、進学校だろうが、これは真理だ。



 これでもいいんなら、この言葉をプレゼントするよ。



**********************



質問:

「先のことが心配で仕方ありません」



回答:

 大丈夫! どっちもその場限りだ! その場さえしのげば、みんなすぐ忘れる!


 幸せな奴は、すぐに、もっと幸せなことが起きて忘れる。


 ついてる奴は、すぐに、もっとラッキーなことが起きて忘れる。


 不幸な奴は、すぐに、もっとアンラッキーなことが起きて忘れる。


 普通の奴は、晩飯がうまくて忘れる。


 とにかく、みんな、すぐに忘れる。



**********************



質問:

「すぐに、他人との間に壁を作ってしまいます」


回答:

 壁はあってもいいんじゃないでしょうか。


 その内、共通点やいいなぁと思うところを見つける度に壁に穴が開いて、やがて穴だらけになった壁は、崩れ去るんだと思います。


 壁があっても、たくさん話して、早く穴だらけにしちゃえばいいんです。



**********************



質問:

「秘密をすぐにバラす友達がいます」


回答:

 理解した上で、上手に付き合えばいいんじゃないでしょうか?



 例えば、いい奴なんだけど、借りたものを返さない奴と付き合うとしたら、何も貸さないように付き合えばいい訳です。


 大嘘ばかりつく(芸能人と友達など)けど、いい人で、友達でいたかったら、嘘はハイハイ聞き流しときゃいいわけです。



 だから、彼女には、絶対秘密を知られないように付き合えばいいだけです。


 それは、友情を保つ秘訣なので、罪悪感を感じる必要もありません。


 大きな欠点を抱えていても、基本的にはいい奴ってのはいます。


 それを拒否するのも、捨てないのも、あなたの自由ですが、割り切れないものがあるなら付き合ってみちゃどうでしょうか?


 ただ、この大きな欠点ってのは、基本的に改善しないので、友情を保ちたかったら、「改善した」とか信じない方がいいですよ。



**********************



質問:

「すぐに嘘ばかりついてしまいます」


回答:

「嘘じゃなくせば、嘘は減る」



 例えば、宿題の嘘なら、翌日の朝までに宿題を終わらせれば、嘘はついたけど、つじつまは合う。嘘じゃなくなったも同然だ。



 逆上がりができないのに、逆上がりができると嘘をついた。


 逆上がりが出来るようになって、やって見せればいい。


 嘘はついたが、つじつまは合う。嘘じゃなくなったも同然だ。



 そうやって、嘘をつくたびに、影で努力して、色々つじつま合わせて行ったら、なんかスゴイ奴になれそうな気がしないか?



**********************



質問:

「メンタルの強い人になりたいです」


回答:

 メンタルの強さと言っても、色々あるんですけど?


 気持ち悪い物喰っちゃうとか。


 失敗しても凹まないとか。


 大勢の人の前に出ても緊張しないとか。


 愛の告白が平然と出来るとか。


 風船が割れてもビックリしないとか。


 いじめられてもやり返せるとか。


 口喧嘩で負けなくなるとか。


 高いところが怖くなくなるとか。


 お化け屋敷が怖くなくなるとか。


 あーーーーー、キリがない。




 どんなのが、お望みですか?



**********************



質問:

「私なんかが生きてていいんでしょうか?」


回答:

 最後に「達成感」を感じたのは、どれくらい前ですか?


 ひょっとして、もう、何年も「達成感」を感じてないんじゃないでしょうか?


 大きい達成感(やり遂げたという満足感)でなくてもいいんですけど、質問を読んでいると、本を1冊読み終えた、とか、消しゴムを1個使い切った、と言ったレベルの達成感ですら、長いこと感じてらっしゃらないように感じました。


 達成感は、喜びや自信につながります。


 積み重ねていけば、「生きてていい」ということを気にしない生活が手に入るかも知れません。


 何か小さな達成感に挑戦してみませんか?


(ただし、ゲームとギャンブルはダメですよ)



**********************



質問:

「いつも一緒にいる子には人が寄ってくるのに、私には人が寄ってきません」


回答:

 でも、その人が寄って来る子が、いつも一緒にいるのは、あなたなんですよね?


 いつも一緒にいる人なんて、いくらでもいそうな子がいつもあなたと一緒にいる。



「孤独を感じたかったら、人混みに行くといい」


 と誰かが言ってました。



 その寄って来る子たちの中に、いつも隣に居ようとする子は居ましたか?


 案外、友達と呼べるのは、あなただけだったりしてませんでしたか?



**********************



質問:

「怒られたくない! 自立したい! 普通の人になりたい!」


回答:

 怒られたらどうしよう? 謝ろう。


 失敗したらどうしよう? 謝ろう。




 私は結構ドジで、店の商品を壊してしまったことが何度かある。


 そういうとき、逃げたり隠したりは良くない。


 店の人が見ていなくても、店の人を探し出して、正直に言って、すぐに謝る。


 大抵は許してくれる。弁償しろと言われたことはない。


 謝っても許さない、暴力を振るって来る奴は、きっと話を聞いてくれないので、全力で逃げよう。




 今まで生きて来て最高に痛かったのは何だ?


 私は、車の運転で調子こいて、事故を起こした。


 車は、まず、運転席を下にして、横向きに立ったまま、しばらく滑った。


 シートベルトってのは、前に吹っ飛ばないためにあるもので、横には支えてくれない。そのままでは、頭や顔や肩をズリズリとアスファルトに擦り付けながら進むことになる。


 でも、そんなことにはならなかった。


 いや、しなかった。


 右腕の肘から先をアスファルトに擦り付けて、右腕で身体を支えたからだ。


 アスファルトに擦り付けている部分には、車のガラスが砕けて小さなサイコロみたいになったやつが、ガリガリと食い込んでいくのが見えた。


 もちろん痛い。でも、そうしなければ、頭や身体を守れない。


 腕がなくても生きていけるが、頭がなくなって生きている人がいるはずがない。


 でも、そのとき思った。


「予想していたほど痛くないな」




 怒られたらどうしよう? 謝ろう。


 失敗したらどうしよう? 謝ろう。


 腕がもげても人は死なない。


 頭がもげると人は死ぬ。




 今、守るべきことは何なのか?


 腕なのか?


 頭なのか?


 怒られないことなのか?


 失敗しないことなのか?


 自分で何かをすることなのか?




 頭を守るためなら、腕がもげても良いと思え。


 自立するためには、怒られても、失敗しても良いと思え。


 何の犠牲も払わずに無傷で助かろうとするな。


 そして、犠牲を払ったら、犠牲以上のものを手に入れろ。


 そうじゃなきゃ、勘定かんじょうが合わん。




 何も失わずに何かを手に入れようとするな。


 怒られろ。失敗しろ。そして、自立しろ。


 お前は、普通の人間だ。

 ちょっとばかり、ケチで、虫がいいだけだ。

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