にじゅさん ょぅι゛ょ と だめな おとな
ぼふううんん!!
そんな感じの音が室内に響き渡った。
ミルファが放った一撃は、まさに必殺の技。
まずふわっふわの尻尾が相手に向かう、そのドキドキ、ワクワク感とうれしさで硬直して回避はほぼ不可能。
そして当たったらそのモッフモフ具合にやられる。
さらにさらに!もがいてどかそうとして手で触れたらさらなるモフモフが相手を襲う…以下エンドレスな、末恐ろしい技である。
技を放ったミルファは確かな手ごたえを感じて口角をつり上げた。
しかし…
ミルファはいつもと違う感触に眉をひそめた。
おかしい、普通ならば当たった瞬間その感触で腰砕けになり膝をつくはず…なのになぜ尻尾は高い位置のままなのだ、そう思った瞬間。
ずるずるっ… ぼふっ…
尻尾は重力に逆らえず地に落ち砂煙を舞い上げた。
「ドンデンドンデンドンデンドンデン……」
舞い上がる砂煙の中から変わった効果音を口ずさむ影があった。
胸を張り、両手を胸の前でしっかりと組み、足を広げて仁王立ち。
「さくらの目の前で、私に"そんな"モノが効くとでも?」
謎の風により室内なのに金の髪をはためかせ、長い耳をピンと伸ばす美しいエルフの姿がそこにあった。
「な、なんなんだてめえはッ!!」
ミルファは目の前のモノが理解できなかった、自分の尻尾がきなかいなんてありえるわけがない、皆自分のモフモフの前に膝を屈してきたのだから。
「ありえない…そんなのありえるわけがないっ!!」
ぶおっ! ぼふんっ!
「俺の、俺の尻尾は最強なんだ!」
ぼふんっ!
「そんなわけのわからないものなんかに!」
ぼふんっ!
「負ける…わけがっ!!」
ぼふんっ!
その攻撃はまさに絶望と希望が入り混じった絶技だった。
尻尾が、モフモフの尻尾が自分に何度も向かってくるのだ。
ああ、もうすぐ当たるもうスグ当たるとワクワク感につつまれ。
当たるたびに天にも昇る心地よさが自分を包み、頬を撫でる。
それが何度も続くのだ。
常人にそれが耐えられるはずなどない、まさに絶技。
ちなみにサラは床にへたり込んだまま物欲しげに左右に揺れる尻尾を見ていた。
シャルも涎をたらして首ごと顔を振っている、まんまエサを目の前にして左右へ振られているネコだった。
「ぜえっ!ぜえっ!……」
いくら自分の尻尾とはいえ、巨大なそれを左右に振り続けるのは体力をひどく消耗する。
ミルファは息の続く限り連撃を続けた。
「ど、どうだ…ッ!」
もうもうと砂煙が立ち込める中に静かな声が響いた。
「悟り…っていうのはね…」
静かな口調で語り始めた直立不動のエルフを見てミルファは驚愕の表情で固まった。
「小五にロリと書くのよ…」
喋れるはずがない、自分の連撃を受けて『あへえ』とかそういうなんかアレな言葉以外を発せれるわけがない、そう思っていたのだから。
「たしかにその尻尾すごいわね。
でもね、さくらという至高の存在がすぐ傍にいるのに、誰が他に心動かされると思う?」
人としての軸はぶれていても、幼女への思いは決してぶれない。
ウェルザンディ、此処に在り。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ああ…あああ………」
ショーゴって何?とかそういう疑問はとうの昔に過ぎていた。
コツ…コツ…とソレが自分に近づいてきて、ミルファの頭は最早考えると言うことができない。
ぐるぐるでぐちゃぐちゃで、何も考えることができなかった。
尻餅をつき、ただただ震え、後ずさるのみ。
「 ね え 、 そ う 思 わ な い ? 」
ミルファの瞳のスグ前に写ったソレの瞳は、まっすぐで美しくて、どこまでも吸い込まれそうだった。
しかしそれは、どこまでもどこまでも、吸い込まれたら終わりと言うような、深い深い深い深い…闇だった。
「は、ははは…」
本当に怖い時、人は笑うという。
今ミルファは、涙を流しながら笑うという、世にも珍しい表情をしていた。
(パパ…ママ…私ももうすぐそっちに…)
演じていた自分を捨て去り、一瞬素の自分に戻ったミルファ。
しかし、ぎゅっと目を瞑った彼女の耳に届いたのは、絶望の音ではなく。
希望の音だった。
「めっ!うぇんでぃお姉ちゃん!」
「さっ、さくらっ!?」
「りすさんいじめちゃ、めーなの!!」
ぷんすかぷん!
まさにそんな擬音が聞こえてきそうな感じに怒った幼女が目の前のナニカから救ってくれた。
絶望の闇色でしかなかった室内に、なんかほんわかキラキラしたピンクの色が戻った。
「い、いじめてない! そんなのするわけないじゃないさくらぁ♪」
「ほんとぉ? りすしゃんも、ほんと?」
「ええ、本当よ! ちょっとO・HA・NA・SHIしてただけよー♪」
ここで逆らっては危ないと本能が告げたミルファは、ブンブンと首を縦に振った。
ついでにサラも必死に振った。
シャルはいつの間にかミルファの尻尾に飛びついていた。
…
……
………
「しょっかぁ…じゃぁ ゆーかい じゃなかったんだね!」
「ええ、そうですわ、私達が勝手にここに居ただけですの」
ほとぼりが冷め、ウェルザンディとシャルは落ち着いた様子でお茶を飲んでいた。
被害者の女性2人も通常状態だった。
あれだけ尻尾に依存していた2人だったが、今はそのような様子はない。
―――子供が、見ている。
その事実が残った理性に総動員で待ったをかけたのだ。
『○○ちゃん、信号は青は渡れ、赤は止まれよ?しっかり守りましょうね♪』
『うんっ!』
そんな親子が横に居るのに、いくら車が来ないからといって、徒歩だからといって信号無視ができようか。
手を上げて横断歩道を渡る下校途中の子供達がいるのに、自分は横断歩道以外を横断できようか。
自転車や徒歩での信号無視をするヒトに対して、
『ダメでしょ、法律守らないと』
ではなく
『危ないでしょ、子供が真似したらどうするんですか』
こういった言葉のほうが心に来るモノがあるそうだ。
今までやんちゃで悪いことをしていたママさんも、子供が生まれて、一緒に歩くとなったら、絶対にダメなことはしない。
なぜなら子供が、見ているのだから。
それは親子でなくても一緒。
親として、大人として、見本とならなければいけない。
子供が見ている、そう思うだけで、ヒトは悪さをできなくなるし、優しくなれるのだ。
しかし……
それでもヒャア我慢できねえ!な大人は、残念ながら存在する。
そういった大人は悪い大人か、
大人になれていない子供か、
……そして…
「あひいい!らめええ!さくらしゃんが見てるうううう!
ああ、けど!けどなんかそれがイヒイイイッ!」
ウェルザンディの命令で、OSHIOKIと称してミルファの尻尾に下敷きになっているサラ。
さくらの目の前で羞恥に悶えさせ、罪悪感で押しつぶしてやろうかと思っていたウェルザンディであったが、その思惑ははずれたのだ。
今まさに、新たなイケナイ感覚がサラの中で目覚めようとしていたのだった。
そしてそんな大人をジィっと見つめる幼女の瞳。
幼女は思った。
なるほど、これが…
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■ 基本情報
名前 サクラ・ヤマト (じと目ちゅう)
性別 女
種族 ょぅι゛ょ
年齢 10歳
職業 はんたぁ(Fらんく)
■ ステータス
レベル ひくい?
HP あんまり…
MP あんまり?
筋力 ぜんぜん…
速力 あんまり
魔力 さあ?
精神 ふつう
運 らっきーかも?
■ 装備品
頭 無し
首 無し
胴 ワンピース(白)
腰 〃
腕 ミサンガ
脚 無し
靴 サンダル(白)
たからもの
うさたん人形(白、無限容量)
こはく(花いり)
■ スキル
□通常スキル
ぽかぽかあたっく♪
うまのりあたっく♪
あっちいけえっ!
錬金術 レベル3
□固有スキル
絶対幼女
最強笑顔
超幸運
純粋無垢
真実の瞳
幼児化(思考能力低下、身体能力低下)
?????
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