じゅうきゅう ょぅι゛ょ と あそび
「目標確認…」
「了解…気づかないように…」
「わかってる、これより目標を殲滅する…」
昼下がり、平和なミーカンの街中で物騒な言葉が紡がれる。
会話するモノ達の視線の先には、金髪の少女とエルフの少女がいた。
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「どうしたのサラ?キョロキョロして」
「(気のせい…?)いえ、何でもありませんわ…(首の後ろがチリチリと…けれど隠者は索敵にひっかかっていない…だとしたら一体なんですの…)」
金髪の少女、サラは言いようの無い不安に襲われていた。
エルフの少女―ウェルザンディは訝しげな表情をしつつも、まあいいかと気にしないことにした。
「それより、サクラさんは? 珍しいですわね一緒でないなんて」
「それがね! 聞いてよサラぁ…」
ウェルザンディ曰く、過保護すぎる、と宿屋の女将からの忠告があったようだ。
「でね!女将さんったら『あんたがいつも見ておけるわけじゃあないでしょ?
それにサクラちゃんにも同年代の友達はいたほうがいい』
とか言うのよ!?
私はいついかなるときであってもさくらの為に存在できるっていうのに!」
「そ、そうですの…」
「どうなのかなぁ…さくらは退屈かな?毎日私と一緒じゃ…。
やっぱり同じくらいの歳の子とも遊びたいのかな…」
「サクラさんの表情を見る限り、毎日が幸せでしたでしょうね。
確かに今のままでも良いかもしれませんわ、ただ今後のことを考えたら色々な人と接するというのは重要かと思いますわ」
「そうかなぁ…」
普段は頼りにな…ってはいない、普段もダメだ。
そしてさらに、サクラのこととなるとてんでさらにさらにダメな思考になる友人に対して、サラはため息を吐いた。
「まあまあ、今日はサクラさんもいないのでしたら、ウェルザンディもたまにはリフレッシュしたらどうですの?
ちょうど私今からマッサージにいくところでしたのよ」
しゃがみこんだウェルザンディに対して、ポンと肩に手をかけるサラ。
偶然とも言っていい程の隙。
サラの得意とする索敵魔法が、彼女の意識から一瞬だけ離れたその瞬間のことであった。
「マッサージ?」
黒いローブを纏った影がサラの背後に強襲する。
「ええ、最近ここミーカンの街で流行している、ミカーンのエキスや樹液を配合した栄養たっぷりのローションで行う、ミカーンマッサージというも……ンホォッッッ!!?!?!?」
眼前のウェルザンディの驚きに見開かれた瞳に気づいた時は既に遅く。
振り向こうとしたサラの身体には強襲者の凶器と化した指が深々と突き刺さっていた。
「ちょっ! サラ!? サラッ!?」
「……あ、ああ…お花…畑が…」
「サラーーーーッ!!」
この日、平和な町ミーカンで起こった無差別襲撃事件の被害者は、サラで3人目となったのである……。
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「ふふ、また詰らぬモノを突いてしまった…」
「すごいねアラルちゃん!」
「すごーい! あのサラお姉さんが もんぜつしてる!」
大人のセカイで流行があるように、子供のセカイにも流行はある。
「へへへ! しっかしカンチョーってすごい威力だね!」
「だよね! ローブをかぶって あんさつしゃ ごっこ楽しい!」
「あはは♪」
子供故に、残虐なことを無自覚に、無慈悲に、そして無邪気にヤってしまう。
冒険者を父に持つ男勝りな少女、ショートカットの金髪にキラキラと好奇心いっぱいの青い瞳を持つ――アラル
宿の近所の道具屋を父に持つ、セミロングの若干ウェーブかかった茶髪の心優しい少女――クラン
彼女達はいつも2人で遊んでいた、しかし今日は最近街で噂の美幼女と遊んでやってくれと宿屋の女将さんに言われたのだ。
2人に比べて若干言葉足らずで幼いサクラであったが、同い年ということもあってかすぐに仲良くなった。
ナニする? じゃあナニしよっか。
となり、最近子供の間で流行っているカンチョーという指技を使った"あんさつしゃごっこ"となったわけである。
「ふふふ、次はどいつをヤッてやろうか…」
「うぇんでぃお姉ちゃんにはしちゃだめだよ!」
「わかってるって!」
「ふふふ」
心優しいクランですら、子供の一撃で悶絶する大人を見て興奮気味であった。
無慈悲なる襲撃者集団が、次の獲物を求めて移動しようとしたその時…。
「ふ、くふふふふ………覚悟はできていましてぇ…?」
3人の前に、幽鬼のごとくゆらりと金髪を垂らした少女が立ちふさがった。
「「「ッッ!?!?」」」
「さあ………お仕置きの時間…ですわねぇ…ッ!」」
こうしてミーカンで発生した無差別襲撃事件は、犯人確保で無事幕を閉じた。
なお被害者の人族の男性(20代、無職)は笑って…むしろ鼻息を荒くして許し、猫の獣人な女性(年齢不詳、ハンターギルド受付業務)からは、主犯格のアランに拳骨1発、半泣きのクランとサクラには軽いデコピンという処罰となった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あらあら、そいつは悪かったねぇ…私が変なことすすめちまったばっかりに」
「女将さんのせいじゃありませんことよ。
サクラさんに同年代の友人は必須というのは確かなことです。」
「ごめんね…サラお姉さん…」
「………かまいませんわ…子供のすることですしね」
「ふふふ、まあさくらが楽しめてよかったわ。
それじゃあさくら、そろそろ寝ましょうか」
幼女の夜は早い。
起きていたい…!とどれだけ思っても、体は正直である。
眠気には勝てず、いつも早い段階でベッドへGO状態であった。
「ぅん! ぁ、ほっとみるく のんでからあがる!」
「うん、じゃあ上で待ってるね…フフフ…」
「私はもう少し飲んでからにしますわ…
今夜は古傷が…疼きましてね…」
等といいつつお尻の位置を頻繁に変えている。
どう考えても今日できた真新しい傷である。
…
……
………
…………
トン トン トン
階段をよいしょよいしょとあがる幼女。
おねむな時間になってきた。
今日も優しくて綺麗でいい匂いのする大好きなお姉ちゃんと一緒に寝るのだ。
それだけで幼女となった意味があるってもんよ…、そんな呟きは誰にも聞こえず夜空に飛散する。
ガチャッ
「あれ? うぇんでぃお姉ちゃん もうねたの?」
違和感、いつもなら光の魔道具でサクラが来るのを待ってくれている。
幼女が首をかしげた瞬間。
パッ―と明かりがつく。
そこには…
四つんばいになりかわいいお尻をこちらに向けているエルフの少女がいた。
いつもは神に感謝する真っ白なおぱんちゅも、こうまでおっぴろげられていては感謝もクソもない。
硬直する幼女を無視して変態がお尻を振りながら声高々と告げた。
「さあっ!さくら! 私に! 私に思う存分!! か、かかかかんちょーしていいのよっ!!!!!」
「――ヒッ…!」
この日、ょぅι゛ょはこのセカイに来てはじめて、恐怖というものを体験した…。
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■ 基本情報
名前 サクラ・ヤマト
性別 女
種族 ょぅι゛ょ
年齢 10歳
職業 はんたぁ(Fらんく)
■ ステータス
レベル ひくい?
HP あんまり…
MP あんまり?
筋力 ぜんぜん…
速力 あんまり
魔力 さあ?
精神 ふつう
運 らっきーかも?
■ 装備品
頭 無し
首 無し
胴 ワンピース(白)
腰 〃
腕 ミサンガ
脚 無し
靴 サンダル(白)
たからもの
うさたん人形(白、無限容量)
こはく(花いり)
■ スキル
□通常スキル
ぽかぽかあたっく♪
うまのりあたっく♪
あっちいけえっ!
錬金術 レベル3
□固有スキル
絶対幼女
最強笑顔
超幸運
純粋無垢
真実の瞳
幼児化(思考能力低下、身体能力低下)
?????
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