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第一話(1)


 ダンジョン配信者には、夢がある。


 強い魔物を倒して有名になること。


 珍しいアイテムを発見して注目を集めること。


 そして、配信だけで一生暮らせるほど稼ぐこと。


 少なくとも、世間ではそう思われている。


 だが、俺は違う。


「……今日も赤字か」


 パソコンの画面を見ながら、俺――白石悠真はため息をついた。


 配信アーカイブの再生数は、十八回。


 登録者数は、二十七人。


 今日の投げ銭は、ゼロ円。


 これが俺の現実だった。


 ダンジョン配信を始めて半年。


 いまだに有名になる気配はない。


 もっとも、配信中にほとんどしゃべらない俺にも原因はあるのだろう。


 しかし、無理にテンションを上げたり、わざと危険な魔物に挑んだりするつもりはなかった。



 配信はあくまで、ダンジョンに入るための義務だ。


 法律上、指定されたダンジョンを探索する冒険者は、原則として映像記録を残さなければならない。


 事故が起きたときの状況確認。


 違法行為の防止。


 遭難者の捜索。


 目的はいろいろあるが、冒険者にとっては面倒な決まりだった。


 俺も、その一人である。


「……行くか」


 最低限の装備を確認し、俺は家を出た。


 今日の目標は、地下三階まで探索して魔石を集めること。


 それだけでいい。


 余計なことはしない。


 目立たない。


 そして、稼ぐ。


 完璧な計画だった。

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