穴
(*Φ∀Φ)
ねこ、朝7時に起床。今日も普段と変わらない普通の1日になりそうだな。つまらんつまらん。
一階に降りていくと、誰もいない。ご飯は作ってあるが誰もいない。
................なにかあるに違いない。宇宙人が攻めてきたとか、怪しい集団に消されたとか。
ん?待てよ?ただ隠れてるだけなのかもしれないぞ。試してみるか。
「今日は学校休むしかないなぁ!」
クローゼットの中から母が出てきた。
「ちゃんと学校行かなきゃダメでしょ!」
ほら、やっぱり。そもそも何のために隠れてたんだ。
「最近つまらないって言ってたから楽しませてあげようとしてたのよ!」
あ、遅刻しそう。
父と妹のひなを早く引っ張り出さねば!
「父さーん!ひなー!どこにいるー!」
「どこかしらねー」
「遅刻しそうなんだよ」
仕方ないわね。と母が洗濯機の蓋を開けた。
だが、そこにひなの姿はなく、真っ黒な深い穴が空いていただけだった。
「どこに続いてるんだこの穴は」
母はパニックになっていた。
「ちょっとお父さーん!!!ひなが!ひなが!!」
冷蔵庫の中から父が出てきた。
「どうした!!」
冷蔵庫の中って................。
それにしても、この穴はなんなんだ。そもそも穴なのか?トンネルなのか?
「穴だったらひなの泣き声が聞こえるはずだ。聞こえないということは、どこかに繋がってるんだろう。」
さすが父。なかなか賢くていらっしゃる。
「ひなのことも心配だし、行ってみるか!」
3人は順番に洗濯機の中に入った。
ずーっと深くまで落ちる3人。
........................。
ここは!?
これは洗濯機じゃないか!
ここはうちの洗面所じゃないか!
ひなが現れた。何か食べてやがる。人に心配掛けといて。
「みんないなくなるんだからびっくりしたよもう!」
「いなくなってたのはひなのほうだろうが!」
でもここは俺の家だ。家族も全員いる。
そうか!洗濯機に入って気を失ってただけか!そんなことより早く学校に行かねば!
「行ってきます!」
「行ってらしっしゃーい」
普通に歩いてるけど、何も変わらないな。やっぱり普通の1日か。
................いや。なにかおかしいぞ。なにか重大な違いがある!!
母が走ってきた。
「こらー!ねこー!」
えっ。なんか怒ってる?
「なに歩いてるのよ!」
「あっ」
ねこは自転車通学なのだ。
「改めて、行ってきまーす」
「はい、行ってらしっしゃい。じゃないでしょ!!」
「あ、ほんとだ。家まで戻ってきたのに自転車忘れるとこだった。」
ねこは近くの定食屋に行って朝ごはんを食べた。
ん?友人のマツタケさんがこっちを見ている。
「おい、ねこ!なんでこんなところにいるんだ!遅刻するぞ!」
「ほんとだ!」
ねこは今朝の出来事をマツタケさんに話した。
「お前そんなにおっちょこちょいだったっけか」
「自分では普段と変わらないと思ってるんだけどな」
ん?マツタケさんの髪型。こんな風だったか?
「マツタケさん、髪型変えた?」
「何言ってんだよ。生まれてこのかた坊主一筋よ!」
やっぱりおかしい!マツタケさんはマツタケみたいな髪型のはずだ!
「おかしいよ!なんで坊主なんだよ!」
「おかしいのはお前だろ!成績優秀で学校の模範そのもののお前が朝から定食屋にいるなんて!」
成績優秀?俺が?
学年ドベだぞ。何言ってるんだこいつ。マツタケさんじゃないな!顔はマツタケさんだけど。
「お前は誰だ!マツタケさんのフリしやがって!」
俺は偽マツタケさんに殴りかかった。
「痛い!痛い!やめろよ!」
「お前が誰か分かるまでやめない!なぜマツタケヘアーじゃないんだ!理由を言え!」
すると、マツタケさんの偽物は泣きながらこう言った。
「実は昨日、髪の毛と死別したんだ。あいつは別れ際に言ってたよ。ねこくんに殴られたら僕のことを話すんだ。って!」
「そ、そうだったのか、、」
マツタケさん(こんなので納得するってことはやっぱりこいつおかしいのか?学校に行ったら先生に聞いてみよう。って!遅刻するじゃん!)
我々は学校に向かった