またかみの話してる。
お待たせしました。
いや、お待ちしておりました。
やっと本番である。
やっと本命である。
もう俺の中のハードルがかなり上がっている為か、待ちどうしくてしょうがなかった。
正直今の3人の能力紹介はどうでもいいのだ。
なにしろ、
うん、知ってた。
そんな感想しかでなかったからである。
残り4人が問題なのだ。
誰がどれでどれが誰で。
砂なのか砂なのかあるのかないのか着ぐるみなのか。
オラわくわくしてきたぞ。
そんな気分である。
「それでは私、やります」
と、斎場彗の番がいよいよやってきた。
彼女は持っていたカバンを置き、1歩前へと歩むと、
その頭を前方に突き出し、
「ワシャワシャワシャー」
と、彼女は可愛く口にし始め、共に一心不乱としかいいようのない感じで、
自分の髪をその手で触りに触りまくっていた。
瞬間俺は言葉を失った。
想像していたのと違う・・・・。
ワシャワシャって自分で口にだして言うんだ・・・・って事ではない。
俺はもっとこう、こなああああああゆきいいいいいいいって感じの
サラサラーっと出てくるイメージだったのだ。
簡潔に説明しよう。
『粉塵』
火山が噴火した時の、あの煙を想像して欲しい。
あれを小規模化した現象が、俺に襲いかかったのだ。
それはもう『わしゃわしゃー』なんてかわいい言葉から出てくるなんて想像できる
はずもない災厄が俺にふりかかっていた。
故に言葉を俺は失っていた、物理的に。
代わりに出たのは咳と涙。
口の中はじゃりじゃりという食感が物凄いことになっている。
なんだこれ。
視界が回復する。
先ほどの粉塵は風と共にさっていったようだ。
所々地面に生える雑草が砂の色がかっていた。
俺の制服も砂が所々付着している。
うん。
「二度とわしゃわしゃはやめよう!!!!」
おかしい日本語をっているとわかっている。
それでも叫ばずにはいられなかった。
「わたしの番ですね」
そうニコニコと佇むシスターがいる。
いよいよ、箱が・・・・いや違う、頭が開かれるのだ。
だがここで油断は禁物である。
俺の中では彼女のあの頭部が見られる事はもう確定事項なのだが、
この曇りなき眼でガン見した場合を考え欲しい。
読めている。
この展開はもう読めるだろう。
あれだあれ
例の、
天空に浮かぶお城の末裔。
間違いなくああなる。
あのうっすらと色の入ったサングラっぽい眼鏡ですらああなったのだ。
この状況、間違いなく俺もやられる・・・・。
苦渋の決断だった。
血を吐く思いだ。
まさに今、理想郷が訪れようとしているというのに俺は・・・・、
俺の瞼は・・・・どうしてこうも・・・弱いっ・・・!!!
だが、背に腹は変えられないように、
目は好奇心とは変えられない。
「よし、どんと来い!!」
と、サムズアップしておくのも忘れず。
「あの、何で・・・目を閉じてるんですか?」
「展開が読めているからです!」
「でも、それじゃ私の能力が見れないと思うんですが・・・」
「ム○カたりしませんか?」
「・・・?何を言ってるかわかりませんが。大丈夫ですよ」
そして俺は・・・・・神を見た。
光・・・暖かい光だ。
「エロス」
そう微笑みかけられたと思った瞬間。
各務唯の頭部のやや後方辺りから光が射し、輝いていた。
その光景はもう、後光としかいいようがない。
心なしか光には温かみがあり、全て包み込むような優しさがそこにあった。
なにか聞き逃す事ができない発言もあった気がしたが、今はそんなのどうでも
良い。
彼女は・・・各務唯はマジ天使。
マヂ天使なのだ。
数分後、正気を取り戻した俺は結局見る事のできなかったアレ。
「すいません、唯さん。それどうなっているんですか?」
と、例の部分を指差し聞いてみた。
「ふふ、禁則じk「ありがとうございました!!!」」
あぶないあぶない。
なんだか以外とお茶目な唯さんが見られて満足でした。
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