漆黒の混沌たる無限の深淵にありし闇陰
ここで華麗にスルーする俺でない事は、俺自身が一番良く知っている。
何しろ一度気になった事はなんだかんだで最後まで知ろうとする性質なのだ。
各務唯の能力は【頭から光を出す】であった。
まぁ髪だの神だの色々と困惑する事もあったが、問題はそこでは無い。
「すいません、唯さん。あなたさっき能力を使う時なんですけど・・・・」
「はい?」
首をかしげる仕草もまた、天使!!
ってそうじゃない負けるんじゃない、どうやらまだ後遺症が残っているらしい。
恐ろしい能力である。
「あの、能力を使う際にですね・・・・」
「能力を使う時・・・ですか?」
「あの・・・その・・・エ・・ス・・なんて言いませんでしたか・・?」
なんだろう。
別にこの年にもなって下ネタを言うのが恥ずかしいとかないんだが、
シスター相手にそれを言うのはなんだか酷く変な気持ちになる。
「すいません。良く聞き取れませんでした。もう一度言ってもらえますか?」
「だからその・・・エ・ロ・・と・・・」
「すいません、もう一度」
「エロス・・・と・・・」
「重ね重ねすみません。もう一度お願いします」
「エロス、と」
「すいません、大声で」
「エロス!!!」
「さん、はい!」
「エロス!!!!!!!」
「あんた何高らかに叫んでるのよ・・・・」
冷静に魚に突っ込まれた上、津崎にお前やるな。と絶賛され、
山田先輩なんですか写真なんかとって、なにポチポチやってるんすか
それやめてくださいどう見ても呟いてますよね!?超大型SNS・呟人ですよね!?
やめて!!あれは危険です!常駐してるんじゃないかってくらい巡回するサーフ
ァーがいるんですよ!?発見される!”うましか"として発見されてしまいます!!
そして最後に、葉向唯にはよくできましたーと拍手された。
鬼っ子や!あの子は鬼っ子や!!
山田先輩の暴挙を全力で止め、一段落した所でようやく聞きたい事を聞く事が
できた俺に、唯さんの答えは単純であったが、釈然とはしなかった。
というのも、
「私の能力は、カタカナ3文字の言葉を発すれば、使う事ができるんです」
なんて答えられて、これ以上追及できようか。
下手に、なんでエロス?なんて言ってみたとしても、先ほどの二の舞に
なりそうな空気をひしひしと俺は感じている。
「やっぱり滅びの呪文の方が良かったですか?」
「・・・滅びの呪文ですか?」
「はい」
と、彼女は笑顔で返事をし、
「せーの、【バル「やっぱり危険です本当にありがとうございました!!」」
各務唯。
彼女はこの集団のダークホースだと、俺は脳に刻み込んだ。
「さて、次は僕だね」
と、葉向さんが言った。
先ほどのからのやりとりを、ただただ見守る彼のスタンスは、この集団にとって
実の所とてもありがたい存在なのかもしれない。
残っている能力は【墨汁並みに真っ黒】 【カバンから砂を出す】の2つだ。
向こうで妹と川に石を投げ、どちらが多く飛ぶかなんて競い合っている
丸刈り少年と彼のどちらかが、黒く、どちらかが砂なのだろう。
というか、個人的にもう葉向さんがその背に下げているセカンドバック。
これから砂を出すんだろうな。
なんて読めてしまっていたので、今現在の所俺は、過去の歴史から学んだ事を活かし、
能力を出すその瞬間に防御態勢に入る準備は等の昔にできていた。
「さぁ!いつでもいいですよ葉向さん!!」
そんな強気な発言まで出てしまう程、俺の準備は万端。
そう、”能力を受け入れる”準備は万端だったのだ・・・・・・・、
「ほぅ・・・いよいよ葉向のアレが出るのか・・・・・その身に宿る恐ろしき魔っ!!
漆黒の混沌たる無限の深淵にありし闇陰がっ!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
山田・・・・・きっさまぁあああああ!!!!!!!!!




