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8、探索と検証

神殿の側壁の上部に数ある窓からの光が射し込み目が覚める、既に起きていたソフィアが


『おはようございますレオン様』


と心地のいい声を掛けてくる


「ああ、おはようソフィア」


毛皮をストレージにしまい、食事を取り神殿の外に出る


まずは神槍を撃ち込んだ地点にいってみる


昨日は半円状に地面も綺麗にくり貫かれていたのだが、その底は歪に盛り上がってきており小さな草木の芽もでていた


ゲーム時も地形を破壊すると時間の経過で戻る仕様だったな、ここでも類似しているというこか


取り敢えず周囲の探索を進める


「アブソルトウイナー」


そう唱えると前回同様に剣が地より顕現しソフィアに刺さる


「よし、行くか」


ソフィアを先頭に森を進む、本格的に探索する前に探している物がある


大木の中を進むとお目当ての物を見つけた


そこは少しだけ開けており腕の太さくらいの背の低い木々があった


ソフィアが進むのを止め、その細い木の枝を掴み力を込めるとまるで発泡スチロールで出来ているかのように折れる


感触とは裏腹に鈍い音がたったことから、木が脆いのでは無いだろう、ステータスによる影響だ


その枝を一旦、地面に置きコートの袖を捲り腕を出し、剣を鞘から抜く


捲った腕に対し剣の刃を直角に十字になるようにそっと当てる


そこでソフィアが目を少し大きく開け口を開こうとしたので


「腕を切り落とそうというのでは無い害は無い」


と止め刃を少し寝かす、そして刃を其のまま水平に皮膚に添ってスライドさせる


そして刃を腕から離し、息を「フッ」とかける


すると極少量の金色の細かい物が、光に反射したのだろうキラキラと散っていった


何をしたかと言うところ腕に生えている産毛を剃れるのか試したのだ


刃物とは基本的に押すか引くかするかで切れる、まぁ叩き切るといった特殊な物もあるが


いわゆる髭を剃る刃の使い方だ、若い時に包丁を研ぐときに毛が剃れたらokなどと言われたが、柳でもない刃の太い包丁ではまず無理であるが、それくらい研げよと言うことなのか嫌がらせなのかは知らんが言われた物だ


この剣は包丁などと比べるまでもなく何倍も刃は太い上両刃である、その刃物としてみると巨大な物がカミソリと同様以上なことが出来ている


袖を戻し枝を拾い上げ、剣の根元を先程の腕に当てたようにする


そこで剣の根元を当てたまま軽く力を入れ半円を描くように刃を引く


すると何の抵抗もなく枝は切り落ちた、僅かな感触すら指に伝わって来なかった


有り得ない切れ味だ、刃と言うものは根元程切れ味が落ちる、流石ファンタジーと言うべきか


次に目の前にある腕ほどの木自体を切ってみる


地球で過ごしていて長剣など使ったことのあるものなどまずいないだろう


俺も当然使ったことなど無いが、それが刃物で有り切れ味が解ればどう動かせば一番切れる動かしかたをするかなど簡単だ


まぁこんな切れ味が出る刃で木を切ろうとすれば本来はその薄いはずの刃が折れるだろうが


少し腰を落とし足を広げ肩口から斜めに半円を描くように、体と腰を回転少し手首を利かせ刃を引きながら、刃上部から20センチほどの所に木が触れように振るい木を抜けるときに切っ先から5センチの所で切り抜ける様に振るう


すると「フッ」と空気の音だけが聞こえ、木は斜めに滑り落ちるように切れた


指に感じる感触はほぼない何かにふれたか?っというほどの抵抗だ


ナイフでバターを切るような凄い切れ味だなどとマンガ等で見たことがあるが、ナイフでバターを切るのは容易ではないし力もいる、常温で柔らかくしパンに塗るため様に、小さく薄く切ったバターをナイフで切るかの様な切れ味だっと言うならば理解は出来なくも無いがまぁそれは切れたというより柔らかいのでずらしたと言う所だろう


脱線してしまったが、恐ろしく切れる上に刃は丈夫ということが解った


実際の魔物との戦闘で燃費の悪い魔法にだけ頼るわけにはいかない


いざ切りつけた時に剣が折れましたでは命に関わる


この剣に対してコートの防御も試したいが、そこは魔物相手に検証するしか無いだろう


「ソフィア、次に遭遇した魔物には魔法の使用は控え剣で戦え、効かない時と受けるダメージが危険と判断したら即座に魔法で処理しろ」


ソフィアは短く返事をし周囲への警戒を強めている


いかんせん俺とソフィアでは探知系魔法や解析系のスキルは一切無い


良くある話なら「鑑定!」で数値が見え、「フッ雑魚め」などというやり取りも出来たのだろうが


そうして森の探索を続けた、30分ほど進んだだろうか木陰から音がしゲーム時の魔物に類似した大きめの白毛な狼が3匹が現れた


狼はソフィアを視認するこ口を開け牙を剥き出し威嚇するように唸り声を上げた後一斉にソフィアに飛びかかっていった


ソフィアが剣を抜きはなち流れるような動作で正面の狼を叩き切り、返す刀で右の狼を斜めに切り上げる


その隙に左から飛びかかった狼が今まさに食い付こうとする頭に、両手で柄を握っていた左手を離し狼に頭部目掛けて裏拳を喰らわす


「ゴリゴギャメキョ」と嫌な音がした後、俺の足元にでかいバナナように変形し千切れた狼の頭部がラグビーボールが弾む様に不規則な軌道で転がってきた


直ぐにコンソールでソフィアのステータスを確認する、全て正常のノーダメージに「ふぅ」と息が漏れる


レベルも確認するが10のままだった


「ソフィア、平気か?問題は有ったか?」


『問題御座いません、ただ力の比較は余りに弱く判断が付きませんでした、申し訳ありません』


「いや、いい剣での攻撃は勿論、籠手の部分とはいえ素手でもこの有り様だ与えられるダメージについては充分過ぎる収穫だ、それに見事な動きだった流石だ、流石、俺の剣であるソフィアだ」


俺は基本的に誉めて伸ばすタイプだ、古い料理人などに多いが、失敗を咎め、責める上に上手くいっても誉めもしない糞が本当に多い、その上技術は見て盗めなどと言う輩も数多くいる


的確に指示し、対象の不得意な部分に合った丁寧な教えをすれば人間とは伸びるし上達する


上の人間が部下に対し咎める時は、仕事になれ上達したとき、その成長に慢心し御客や仕事そのものに不誠実になった時に咎めれば良い


見て盗めなどは、俺に言わせれば「お前に教える技術が無いだけだろ?」だ


己の技術を高めることなど限界はあるし比較的容易だ、それを人に伝え教え人を育てる方が比較にならないほど難しい


まぁ現状は、その部下?の方が遥かに優秀な訳だが、本音を漏らせばなるべく機嫌を損なわず友好的な関係を築きたい物だ、ふとした切っ掛けであの裏拳で俺の頭もひしゃげたらたまらんぞ


その後、強化魔法をかけ直し休息をはさみつつ日が傾くまで探索を続けた


遭遇したのは色違いの茶毛の狼が10数匹に猪のような魔物が数匹だった


その都度で確かめたのは、ソフィアに攻撃を受けさせたのだが牙も爪も一切通らず装備で覆われていない所に至っては薄い障壁に遮られるように、これもまた一切通ることはなかった


ソフィアに凄い見幕で止められたが、俺も攻撃受け検証したが結果は同じだった


攻撃に関しては剣すら必要無いほどで俺ですら魔物を素手で粉砕できた


四肢を切り飛ばし瀕死の魔物に回復薬を試すとそのなくなった四肢はみる間に再生していき回復薬の検証もうまくいった


さて今から急いで戻れば夜になる前に神殿に戻れるが、最後の検証をするためソフィアを側に寄せ戦闘ストレージから呪符を一枚取りだし唱える


「リターンホーム」


すると視界が歪み、その歪みが戻ると、そこは神殿前であった


これで帰還の札も効果を発揮することが解った


今日の収穫は大きかった、ごく周辺の魔物は相手にならないほどの差があること


薬品の効果に帰還の札も大きい、ただ水場らしきものは見つからなかったが


後は20体程度狩りレベルも1上昇した点、ただしステータスの伸びは予想どおり微々たるものだった


レベル10台でも上昇したと言うことは探索をしつつ20台に到達するまでは最低でも神殿周りから離れるのはやめておこう


明日は別に試したいこともある、うまくいけば手間を掛けずにレベルを上げられることになる


狼の毛皮が手にはいったので別々でくるまり就寝できると思ったのだが、ソフィアは今まで俺に見せたことのない苦い表情をした


ああ、確か設定では魔物に両親をだったか、それに知らぬ地に俺と二人飛ばされ不安も大きいか


近くの方がいざというとき守りやすいかっと口実を与え昨日と同じように眠りについた

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