↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/79

50、神の力と金貨の価値

意外性など全く無い名前が出て来たな、あまりにも捻りが無く吹き出しそうになる


ここでランギールの名前でも飛び出せば多少の意外性を感じるがな


コイツらは俺の問いに嘘をつく事は出来ない、そうなっている


「お前達の本拠地は何処だ?」


「我々に本拠地など存在しない、拠点も短い期間で常に移転を繰り返している」


地球で言うならば過激派組織、活動もゲリラやテロに近いのか、その上各国にパイプがあるとなると厄介だな


盟主とやらを潰してどうなるかだが、この兵士達から得られる情報は少ないか、どうせかち合うだろう


「魔戦兵とやらの総数は?」


「およそ100だ」


ジギールの町で2、ここで34、つまり最低後64はいるのか、いやコイツらが把握してる分だけでもその数か



「それでは、神に背く愚かな蝿には消えて貰うのだが」


俺はギー達獣人に目を向け



「獣人を殺した者は前に進み出ろ」


俺がそう言うと、6人が前に出る


「よし、お前達は獣人の前に行き、跪け」



くそっ、なんで! 足が勝手に! と男達は獣人の前に行き、皆跪付く



「さぁ森の民の長ギーよ、コイツらがお前達の同胞を殺めた蝿だ、その無念晴らすがいい」


獣人達はギーを始め、この状況に理解が及ばないのか、呆然としている


「どうした? 無念を晴らすのではないのか?」



俺の問いに正気を取り戻したのか、ギーは


「神に感謝致します」


と一言言うと、その目が淡く光り、体に電撃を纏う


以前見せた奥の手か、しかしあの時より見てわかる程、纏う電撃が大きい、確か神の力を借りるとか言っていたな、神木が蘇生したことで力が強まったということか



「やめろ! やめてくれ! くそ! 動け!!」


と跪き喚く男達の一人に向けて、ギーが拳を振るう


「ゴッ、バチッ、ピシャーン、ジジ、バチーーーン!」


と殴打した鈍い音の後に、雷に射たれた様な爆音が鳴り響き、男は一瞬にして黒焦げになり、芳ばしい臭いが周囲に充満する


同じようにギーは男を一人、また一人と炭に変えていき、ラスト一人になった所で、男が声を上げる



「何が神だ!! まやかしだ! この様に操作系の魔法で動きを封じ、処刑するのが神の御技なものか! それに獣人よ! 貴様等は動きを封じられた者しか倒せんのか?!」



「ふむ、この男はこう言っているがギーよどうだ?」


「望めるならば、この者の動きを自由にして頂けるでしょうか?」



「良いだろう、但し神の力を理解できぬ愚か者に、その力が何なのか見せてやろう」



俺は一列に並ぶ魔戦兵の前に行くと


「ギー、お前は同胞の為に金を必要としていたな?」


この場にそぐわない俺の問いに困惑の表情を浮かべるギーだが


「はい、必要としていました、しかし神木を蘇生して頂いたおかげで餓えは防げます、神に感謝を」


「ふむ、しかし金が入り用な事もあるかも知れん、俺から僅かだが施しをしてやろう」


益々困惑するギーを他所に



「そこの男、俺の力を操作魔法などと言ったな、獣人達も刮目しろ、神の力を! 神は何なのかを知れ!」



俺は一列に並ぶ男達に向け、腕を大きく振るう、そして呟く様に「売却」と言う



「ドサッ、ドサッ、ガチャン」



と一列に並ぶ男達は消え、代わりにパンパンに膨らんだ袋が地面に落ちる


落ちた袋の一つから金貨がこぼれている



顔面蒼白になり小刻みに震える最後の魔戦兵に、獣人達も目を見開き只々呆然としている


後方ではシアとソフィアが鼻息を荒くして「むふー、パパかっこいいの!」とシンクロしているが見なかった事にしよう



「見たか? 神とは貴様達全ての所有者なのだ、所有物の動きを止めるも、命を奪うも、その命を売ることさえ、神には可能だ、全ては神である俺の為に在る!!」



あれ? 周りの反応が無い、、外したか? こんな恥ずかしい言葉を並べてドッチラケはキツいぞ、、


ソフィアは仕切りに頷き、シアはおおはしゃぎだ、これ身内だけにウケけて、場の空気を凍らせる最悪のやつじゃ、、、



すると獣人が一人、また一人と地に頭を付け、「神の御技だ、神に感謝を」と皆俺に向け祈りを捧げだした



ふーっ、大コケしたかと思ったじゃないか、一安心したぞ



「さて、そこの男、動ける様にしてやったぞ、最後だ華々しく散ってみせろ」


俺が男にそう促すと男は憤怒の表情で立ち上がり、ギーに対峙する



張りつめた空気の中、「始めろ」と俺の掛け声で両者が飛び出す


ギーは雷撃を纏い男に踏み込むが、男が腕を突き出すと、腕がゴムの様に伸び、その手にある鋭い爪がギーの喉に迫る、不意を突かれたギーは反応が遅れ、その爪がギーの喉に突き刺さる瞬間


「ボンッ」と音と共に男の腕が弾けて消える


両者、その光景に固まるが、男が先にもう片方の腕をギーに向けると


「ボンッ」とその腕も消える、そして「ボンッ」「ボンッ」と男の両足も消え、男は芋虫の様に地に倒れた



「動ける様にしてやるとは言ったが、攻撃を許可した覚えは無い、さぁギーよ、始末するが良い」




「くそったれ!! ちくしょう! 悪魔め!!」男の捨て台詞と雷撃の音が鳴り響き、森に集る蝿は全て駆除された




さて俺の今回使用したアイテムとは、アイテムを使用したエリアを12時間後に占有し拠点化出来る


アイテム名は創世の像と言うが、このアイテムは1周年記念に、ギルドによるレイドポイントを競いその1位に贈られたアイテムだ


期間は1年という本当に訳のわからんイベントだったが、ソロギルドを作成し見事1位になって手に入れた


ゲーム時に何故使用しなかったかと言うと、俺にはまるで必要無かったからだ、要は一位のギルドが自分達だけの拠点を持てる事が魅力だが、俺はソロだし拠点で出来る事は神殿で済ませられる


では何故手に入れたかと言うと、副賞として俺の今持つ剣の元が欲しかったからだ


手に入れたギルドから金で買おうかと思っていたが、この武器は手に入れるとトレード不可で売買が出来ない仕様だったので、しかたなく参加し手に入れたが、本来目玉の拠点アイテムは倉庫の肥やしになっていたという寸法だ


このアイテムを使用後、12時間経過し承認されると、その指定エリアにあるアイテム、オブジェクト等、全ての所有権を得て好きな様にカスタマイズ出来る


ゲームでは全く役に立たない無意味な物だったが、この世界では違う


指定したのはリーシアの森、つまりこの森に在るもの全てが、今俺の物だ


このエリアから出た物は所有権を失う、又は俺が指定すれば所有権を破棄出来る


もうこのエリアは、異世界では無く、ある意味ゲームの世界なのだ


異世界に飛ばされ、始まりの神殿でホームの機能を試そうとしたが、一切出来なかった、只ホームとして設定されていただけだ、しかし今この場は本来のホームの機能が使える


ガチャの項目だけが無いのが無念だ、、


この場では何人も俺には敵わない、というより敵が存在出来ない


つまり敵の動きを止め、このアイテムを使用し承認されれば、どんな者にも勝てる、それがソフィアでもだ


そう出来るだけの拘束アイテムも所持している


敵わぬ敵を倒すため、又はその敵を寄せ付けないとっておきだった訳だ


これでこの森に、悪意ある者が踏み入る事は出来ない、緊急時の安全も確保された訳だし、よしとしよう



平伏する獣人を立たせ、金貨の入った袋を運ばせる、あんなゴミでもこの世界では価値は高い様だ


神木の復活と、森の安寧を祝い、祝いの宴会を大樹でする事になる



『御苦労様でしたレオン様』


「パパはさいきょうなの! かっこいいの!」


美しい花と愛らしい花に迎えられ大樹に移動する


何か忘れている気がするが、、今はこの束の間の平穏をソフィア、シア、獣人達と祝うとするか








こうして静寂と平穏を取り戻したリーシアの森に、そぐわない声が響いていた






「もがっ、われのなわをほどはんか!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。