↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/79

40、寄生虫と少女

「どうした? 御機嫌斜めだな」


「酷いじゃないかレオン」


「何がだ? 貴様の指示通り迷宮を攻略してやっただろ?」


「その迷宮の攻略の仕方だよ、ちゃんと君と人形のコピーを倒してくれなきゃ、それに僕が上げた加護はどうしたのかな?」


イライラした様子で、こちらに詰め寄ってくる男に左手に握った剣を横凪ぎに振るう


まるで立体映像を切りつけたかの様に剣は男をすり抜けた



「前に言ったよね? 僕はここにいるけど居ないって、攻撃は無意味なんだよ、何を怒っているんだい? ああ、彼女を人形と言ったからかい?」


「単純にお前が気に入らないだけだ」


「それで質問に答えて欲しいんだけど?」


「答えも何もソフィアのコピーと戦うにはリスクリターンが合わないと判断しただけだ」


「酷いな~、これじゃ力の戻りも少ないし、君達の得る経験値も少ないよ? で加護は?」


「故障でもしたんじゃないのか?」


「そういう冗談は好きじゃないよ、加護をどうやって消したんだよ」


「何時ものふざけた態度は何処にいったんだ? 俺に尋ねるということは全てを見透せる訳ではない様だな」


「そんな事はどうでもいいんだ! 加護をどうやって消したレオン!!」


「化けの皮が剥げて来てるぞ? 要らないものを捨てただけでむきになるなよ」


「いいだろう、加護の事は置いておこう、次は更に南、帝国内にある地下神殿にいってもらう」



「断る」


「ん? 聞き間違えかな?」


「聞き間違えて等いないさ、断る」


「どういう事だい? 元の世界に帰りたくないのかい?」


「帰れるものなら帰りたいが、お前が本当に元の世界に帰せるのか?」


「力が戻れば帰せるさ」


「お前は枯渇した状態で俺達をこの世界に呼び寄せたんだろう?」


「そうだけど其れが何だって言うんだい?」


「なら現状でも帰せるはずだ、俺を一度元の世界に帰して、また直ぐにこの世界に呼んでみせろ、其れが出来れば指示を聞こう」


「帰すには膨大な力が必要なんだよ、今帰す事は出来ない」


「随分都合の良い話だな? それで信用しろと?」


「あまり僕を怒らせない方がいいな、君達をどうにかする事だって出来るんだよ?」


「今度は脅迫か、それで南の神殿とやらに行けば良いのか?」


「そうそう、素直が一番だよ、その前に加護をね」


と男が手をこちらにかざすと光珠が俺に向けて放たれる


次の瞬間、俺の足元から光の槍が光珠に向けて突き出され光珠もろとも男を串刺しにした



「へ? あ? いだ痛いぃぃぃがぁああああ!」


と串刺しになったままバタバタともがく男


「レオン! 何をしたぁぁ!? 」


バタつく男の足元から無数の槍が突きだし次々男を刺して行く


『得体の知れぬ者が口を慎みなさい、レオン様御無事ですか?』


「ああ、お陰様でな、余計な思案をしなければ思考を読む事は出来なかった様だ」


「忌々しい人形め! 何故攻撃が出来た!?」


『貴様がレオン様を隔離する前に神槍を光珠に指定して使用しておいただけの事です』


念のため俺はソフィアがどう対応するかは聞いていない、その場の受け答えだけにし思案も極力しなかったが


「くそ! 何故だ!? こんな所で僕がぁぁ」


と神槍に串刺しにされた男が事切れると男の姿が変化していく


「見たことがあるな」


『はい、この翼は類似しているかと』


男の姿は少年に変化しているのだが、その背には黒い翼が一枚だけ生えている


「サブデューにいた堕ちた戦神に類似か、、」


『気になる事でも?』


「最初から信用等してはいないが、我々の転移の事といい知りすぎている上に全てが嘘というのもな」



「忌々しい英雄とその人形め、我が主より賜りしこの体に傷をつけるなど」


事切れたと思った少年が顔を上げ苦痛に顔を歪めこちらを睨み付けている


「主だと?」


「そうだ偉大なる御方だ、この体に力、そして記憶、今は傷付き休まれているが必ず貴様等を滅っせられる」


「その背の翼といい、名前は何だったか、、」


『戦神グルヴェイグかと』


「ああ、そんな名だったな、余りに弱く名称など忘れていたが」


この戦神グルヴェイグがサブデューでのラスボス、狂った戦神だ


「尊きその名を貴様ごときが口にするとは!!」


さっぱり見えてこない、そのラスボスもこの地に来て、こいつを作り何らかの目的があって俺らを利用しようとしていたということか?


「偉大なる主は傷付き回復なさる為に膨大な力を必要としている、僕の役目は貴様等の監視に、本来貴様等が得る力を減らし主に送る為だ」


「寄生虫の様な奴だな、その調子で主様の場所も話してくれると助かるが?」


「馬鹿が、利用出来ぬならば主より賜りし力を使い」


少年はそう言うと黒い片翼を広げる、広げた翼が飛散すると俺の足元に魔方陣が現れる



『レオン様!』とソフィアに押し出されるが、代わりにソフィアが魔方陣に呑み込まれ光に包まれる


「ソフィア!」と手を伸ばすが、ソフィアは俺の手を取る代わりに自分の剣を投げ渡し、光に包まれ姿がかき消えた


「ちっ、まぁいい」


少年はいやらしい表情を浮かべているが、みるみる水を抜かれたミイラの様になっていく


「何をした?」


「僕の最後の力で別空間に飛ばしたのさ、お前を閉じ込め人形の方を操り、力を集めさせようと思ったが、レオンお前でもいいさ」


そう言うと俺の目の前に黒い羽が一枚現れる


「あの人形を助けたければ、その羽を持って力を貯めろ」


「南の神殿に行けという事か?」


「いーや違う、僕はもう力を使えない、遺跡を作り変え力を得る事は出来ない、代わりにそうだな、この国の人間を殺し尽くすんだレオン、君が助けてやった者達を君の手で一人残らずね」


「ふふふふふあははははは」と下品に笑う少年に額にソフィアから受け取った剣を突き刺す


ポカーンと呆気に取られている少年



「え? おま、馬鹿な、僕を殺せば、人形は二度と戻れな」


「もういいしゃべるな」


俺は更に剣を振るうと少年の首は転がり、その身と浮かんだ羽は黒い霧と変わり、一点に集まり渦となって消えていった



さてソフィアをどうにかして救わないとならない、残りは少ないがやむを得んな


コンソールを出しストレージを操作しているとコートをちょんちょんと引っ張られる


何事かと思い見ると、そこには子供が涙目で俺を見上げながら俺のコートを引っ張っている


髪はエメラルドグリーンのくるくるとした天然パーマに服装は白のワンピース、5~6才の少女だ


特徴的なのは耳だ、髪から飛び出る耳は尖っていて、俺の知るエルフのように見えるが、リーリエは耳が尖っていない所を見ると、この少女はエルフではないのか?


いやまてまて、この状況での謎の少女だ怪しいにも程がある


「お前はな、」


「たすけてほしいの!パパたすけてなの!」


「何をだ? お前の父親を助けて欲しいのか? まずお前は一体何者だ?」


「パパはレオンパパなの! たすけてほしいの!」


いやいやいやいや、まてまて何故俺がパパにならなきゃならん、落ち着こう


「何で俺がお前のパパになるんだ? それに色々意味が分からん」


「パパはパパなの! おまえじゃなくてシアなの! たすけほしいの!」


「分かったから落ち着けシア? 俺はやることがある、離れて少し待っていろ、いいな?」


「わかったの、パパはママをたすけるの!」


「ああそうだママをってまてまて、ママはソフィアの事か?」


「そうなの! ママはママなの」


頭が可笑しく成りそうだ、こちらに害を加える気配は無い、取り敢えずはソフィアを助けた後だ


俺は少女に警戒しつつも、ストレージからポイントメモリーの魔石を取り出し使用し、次に指輪を一つ付け替える


そしてソフィアの剣を逆手に持ち、勢いよく自分の胸に突き刺した


痛みは無く、指輪は砕けるとソフィアの剣も同時に消える


次に呪符を取り出し「リターンホーム」と唱えると視界は歪み、死の森の神殿前に到着する


足早に神殿内へ入り神台に行くと、そこには赤い髪をした美しい女性の姿があった


フーっと息を漏らしソフィアに声をかける


「無事に戻れたよう、、」


「ママおかえりなの! たすけてほしいの!」


と俺の横を抜けトテトテと走り出すとソフィアに飛び付く少女がいる


『レオン様!? この子供は一体!? ママ?』


「レオンパパにソフィアママなの! たすけてほしいの!」


『レオン様!?!? わ、私がママでレオン様が、、!?』



ハーっと深く溜め息をついて、今後のトラブルを思い、痛くなる頭を支えるように俺は眉間に手を当てた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。