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27、マリー

私の名前は、マリー=ブリュッセルと言います


ブリュッセル家三姉妹の長女です


私は幼き頃より、背が高く力も強いのですが、何をしても不器用で、愛らしい妹たちとは、何もかも違いました


そんな私も年頃になり、父の薦めで何人もの方とお会いしましたが、気に入られなかったのでしょう


すると妹の縁談が決まり、相手方は婿として、このブリュッセルに向かえるとのことです


父上は一言「すまんな」と言うとそれ以降、私に縁談の話は来なくなりました、母上からも話し掛けられることも無くなりました


私が大きいばかりに、父上、母上共に不憫な思いをさせ、申し訳ない思いと、何故私はこんなに体で産まれたのだろうと、塞ぎ混むことが増えたときです


帝国の大規模な侵攻が有り、聞けば女性の身ながら、孤軍奮闘され帝国の侵攻を食い止め、英雄となられたランギール伯爵の話を聞いたのは


忌み嫌われるこの体でも、騎士としてなら役に立つのでは?っと父に無理を言い、ランギール伯爵にお世話になれることになりました


しかし現実は甘くなく、ここでも私の居場所は有りませんでした、こんなに努力しても駄目なのかと、全ては産まれ落ちた時に決まってしまうのかと、神を呪っていたときです


その方達は、ランギール様の客人として招かれており、大層な腕利きとのことで、騎士との訓練に参加するとのことでした


騎士見習いとしても失格な私は、普段は使用人として働き、お暇なときにランギール様に稽古を付けて頂いていたのですが


使用人の仕事を終えて、訓練所に行くと既に終了していたようで、片付けを命じられ作業をしていると、何時ものようにお叱りを受けていました


そこに一人の女性が来られ、騎士様達に一言、『退け』と言われると、何時もの態度からは考えられない程脅え去っていきました、その女性は私に


『ついて来なさい、貴方も神に救われる』


なんの事か解りませんが、指示に従いついていくと、どうやら私を鍛えて下さるらしく、急ぎ支度を済ませて死の森まで行くと私は意識が無くなり、次に目が覚めると、森に囲まれた神殿に来ていました


それから、指輪を渡され、見たことのない巨大な魔物を鉄の棒で殺せとのことで、私は恐怖と混乱の中、ひたすら棒を降り下ろしました


やがて魔物は倒れ、男の方、どうやらレオン様と言う方は満足されたようで、放心している私をよそに、去っていきました


『私はソフィアという、これからマリー、貴方を鍛え上げる』


「ありがとうございます、しかし何故、私などを?」


『もう一度確認する、此処で見聞きしたことは、決して他者には話してはならない、いいな?』


「はい、決して」


『マリーの問いに答えよう、かつて私も己の弱さに絶望し、神を呪った程だ、しかし呪ったにも関わらず、神は私を見捨てては居なかった』


『神は私の前に現れ、お力を授けて下さり救って下さった』


「そ、それと私と、どの様な関係が?」


『レオン様だ、レオン様こそ私を救うために、降臨された神なのだ』


『信じられないか?』


いえ、と言葉に詰まる私に


『でわ見せてやろう、神から賜りし御技を』


そう言われソフィア様は左手を森に向けると、巨大な光の槍を顕現なされ森に放たれました


槍は光の道となり、飲み込まれた木々は消滅していったのです


『これもレオン様に賜りし力、神槍グングニルだ、分かったか?』


こんな魔法は見たことも聞いたこともない、それこそ伝承に伝え聞く大魔法すら霞む物でした


私は確信しました、神の御技であると、私は恐る恐る尋ねます


「この私にも、その様な御力を?」


『それは無理だ、神の御技を使いし使徒とは、軽々しく御増やしにはならない』


『しかしマリー、レオン様は使徒である私の気持ちを汲んで下され、貴方に力を授けてやれと御命じ下さったのだ、必ず私が強くすると約束しよう、神に誓って、いや、レオン様に誓ってな』


それからソフィア様は、色々な御話をして下さいました


レオン様こそ真の、そして唯一の神であること


レオン様は、その立場を隠され、人々の願いに答え続けていること


太古の昔、レオン様に御力を賜わった使徒の前任者が背信し、心を痛められたこと


とても安らぐ良い匂いがす、、おっといけません、これは秘中の秘でした


レオン様の事を色々と御説明されているソフィアはとても熱く語られていました、時たま、ムフーフフフと思い出し笑いを挟みつつ


その後、一日目はソフィア様の連れて来られた魔物に、ひたすら鉄の棒を降り下ろしました


攻撃されるのでは? と恐る恐るでしたが、レオン様から賜った一対の指輪は、私の受けるダメージをソフィア様が肩代わりされる上に、レベルを上がりやすくすると言うもので、使用してから1週間の期限があり、ビギナー救済の指輪という、とても貴重な神具だとソフィア様に教えて頂きました


2日目も、同じように魔物を倒していき、徐々に早く倒す事が出来るようになりました


3日目は、ソフィア様と共に森へ行き、討伐を繰り返しました


私が疲労や睡魔で動けなくなると、ソフィア様は咎める事もなく、満面の笑みで神薬を下さいました


それから、4日、5日と森での討伐を繰り返すと、ソフィア様の補助有りですが、私も動く魔物に攻撃を当てれるようになりました


6日目になると、討伐の他にソフィア様との模擬戦も加わり、簡単にあしらわれてしまうのですが、終わるとソフィア様は満足気に頷かれ、やはり動けなくなった不甲斐ない私に、天使の様な笑顔で神薬を下され、直ぐに森へ行くの繰り返しでした


7日目は期限の為、午前中のみとし、最終試験ということで、森の中では小型な魔物を一対一で倒すよう言われます


私は今まで御教授下さったことを思い出しながら、必死に立ち向かい、何とか討伐に成功します


それが終わると、ソフィア様は私のステータスを確認し、満足気に何度も頷かれ


『良く頑張ったマリー』と御言葉を頂きました


レオン様を待たせては成らないとのことで、足早に神殿に戻り中を進むと、神台が有りその上にレオン様が腰を掛けて御出でした


神台、いえレオン様を照らす様に窓からは光が降り注いでおり、目を閉じられ天を見上げる御姿は、まるで絵画を切り取った様な美しくも神々しい光景は、神の降臨された姿そのものでした


ソフィア様の後に続き、両膝を地に付けて、唯一神で在られるレオン様に、祈りと感謝を捧げます


レオン様にステータスを御確認して頂くと、レオン様は頷かれ、ソフィア様に「さすが私のソフィアだ、お前は何時でも勝利を掴んでみせるな」と大層お褒めになり


こんな私にまで「マリー、よくぞ成し遂げたな」とお褒め下さり、なんと神具の斧を頂戴しました


私なりに感謝を最大限表し、感謝と信仰を捧げたのですが、レオン様は不思議そうな顔を向けられていました


属神などではない主神に対する礼とは違っていたのかも知れません、後程ソフィア様に伺わなければ


その後、私に目をつぶれと命じられ、目を開けるとそこはもう死の森の入り口でした


またも神の御技を体験出来、感激のなか城へと帰還することになりました


城へ近付くと不安が募ってきました


私は強く慣れたのでしょうか? 私は居場所を手に入れられるのでしょうか? 私は騎士になれるのでしょうか? と心の中で、レオン様にすがるように御伺いをたてます


すると伝わったのかレオン様は私の方を向かれ、こう言われたのです


「顔を上げろマリー、そして胸を張れ、城へ帰還するぞ」


私は顔を上げ胸を張るとレオン様、ソフィア様の後に続きました


父上、母上、私でも自信を持てそうです、今なら言えます


私を産んでくれてありがとう、育ててくれてありがとうございます





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