22、都市ランギール
翌日、ソフィアを伴い町を見ると伯爵に伝えた所、案内役としてライラを付けるとのことで、3人で町に出ることとなった
目的は遺跡に行くための準備に、ソフィアの服や装飾品、自由にランギール周辺を行き来できるように傭兵ギルドで身分証明の発行と、後は町の散策だ
ライラの案内で、まず傭兵ギルドへ行くことにした
傭兵ギルドはかなり大きく、印象としては役所といったところだ
道中、ライラは人気者なのか顔が広いのか、頻繁に声をかけられていたが、こちらに気を使っているのか、対応も適当に目で合図をするように追い払っているようだった
ギルドの中に入ると、掲示板に貼り紙が無数にしてあり、おそらく依頼なのだろう、受付が無数にあり、かなり賑わっていた
テンプレよろしく絡まれることなどなく、奥へ進んでいくと、厳つい男がお出迎えのようだ
ギルド長自ら出迎えるのが珍しいことかは知らないが、注目を集める中、奥の応接室に通される
「話は聞いてるです、すぐに証明書が届くます」
と謎の言葉使いなのは翻訳の故障ではないだろう
「ああ、気持ちは伝わるが馴れぬのならかまわんぞ?」
ギルド長は頭をぼりぼりと掻くと
「すまねえ、おりゃ育ちが良くねえんだ、勘弁してくれ、伯爵からは聞いている、改めてギルド長のガルバだよろしく頼む」とガルバは、大きく頭を下げた
「一様、今後のこちらの予定を伝えておくか、数日過ごしたら北の遺跡群に行くつもりだ」
「そうか、あそこは物によっちゃ迷宮みてえなとこもある上、魔物も多い」
「ああ、聞いている、遺跡の中でおすすめはあるかガルバ?」
「お宝が眠っていそうなってことか?」
「宝はどうでもいい、知るなかで一番魔物の多いか強い魔物がいる遺跡がいい」
「おう、それなら、、」
と地図を広げ、詳細を聞き、その後身分証明を受け取りギルドを後にする
「私が案内役として同行しましょうか?」というライラに
「いや、いらん、俺らの戦いに巻き込まれたくはないだろう?」
かるく身震いをするライラに次に案内されたのは、野営道具などを扱う店だ
そこで、寝袋を兼ねたローブや、簡易の調理道具、ランタンなどを購入し、遺跡への準備は整った
そして、このランギールで一番の婦人用の装飾品、服を扱う店に行く
遠慮がちなソフィアに、普段着用の物やドレス、それに合う装飾品などかなりの量を購入した
大半は店の者のすすめだが、俺に選んで欲しいのだろう、チラチラと見るソフィアに
「この黒のドレスなど、どうだ?ソフィアの美しい赤い髪も映えるだろう、ネックレスは、髪の色に近いこれでどうだ?」
などという、やり取りをすませ、町で食事をすますことにした
ライラのおすすめの店に行くと、そこは盛況で人で、ごったがいし、列を作り並んでいた
「少し待ちますが、今一番人気の最近できた店なんです、ここの店主は前の仕事をやめて、最近店を出したのにこの人気です」
「そうか、悪いが違うところにしてくれるか?」
「庶民的なのは、まずかったですか?」
「いあ、そうじゃない、そうだな値段は気にしないが古くから店として続いて、サービスも最低限いる所はないか?味も普通で良い」
「それなら、少し高いですが、長く続いていて伝統料理を出す店はどうですか?味も良いんですけど我々には慣れ親しんだ物なので飽きられてるというか、値段も考えると、それなら家でって」
「そこに案内をたのむ、無論ライラの分は俺がもつ」
そうして店に着き中に入ると、客は、まばらだが、落ち着いた内装で清潔感もあり中々良い雰囲気だった
注文を済ませ、料理が並ぶ、料理は特別うまくもないが行き届いたサービスと安定している料理の出来に満足した
以後、町で食事をするときは、ここで良いだろう
「そう固くなるな、せっかくの食事だ」
「いえ、そんなつもりはないんですが、、」
「その後、あの小僧共はどうだ?」
「はい、無事に拘束を解かれ今は自宅で謹慎させてます、また一から指導して欲しいと真剣に言われたので、一から叩き直すつもりです、以前は実力が認められてきて調子にのっていた所もあったので」
「そうか何事も、上手く行き順調なとき程、道を違えるしな、怪我の後遺症はなかったか?」
「はい! あれだけの大怪我だったのに、以前と代わりなく、、それであんな薬の代金は、、?」
「いらんいらん、好きで渡した物だ、それにトロールの件で気が立っていたからな、少々やり過ぎた詫びとでもおもってくれ」
有り難う御座いますと頭を何度も下げるライラを止める
礼を言いたいのは此方の方だ、これであれほどの重症でも回復することが分かり後遺症も無い、以前魔物でテストしたが、人間でないと後遺症など解らんしな、良い収穫だ
「後はギルドについて詳しく教えてもらおうか?」
そこで聞けた情報とは、異世界で良くある冒険者などと言うものは無く、それに近いのは傭兵ということ
但し、遺跡などで宝を探すといったものは高いランクの傭兵が稀にやる程度ということと
魔物に関しては、浅い位置で防衛の役割として間引くことを主としていること
それと大きく違うのは傭兵はランクに応じてギルドから給料を貰っていると言うことだ
この資金はランギールが負担している割合が大きく、傭兵は隣国との戦のさい強制的に参加が義務付けられているそうだ
騎士は育成や維持にコストが大量に掛かるため、有事の際の兵士として安く維持出来る傭兵を利用しているらしい
傭兵の方も生活が安定し、実力有るものは別途に魔物や遺跡、ライラの様に御抱えと言うものは極少数とのことだ
傭兵のランクについても聞いたが、このライラが1級で超一流で特級は化物揃いと言うが、1級でこの程度ということは、特級も驚異にはならんだろう
驚いたのは、あのエルフの実力が、特級に片足を突っ込んでいると言うことだ
この世界特有の魔法も数多くあるだろう、実際使われんと解らんが、そこは注意が必要か
傭兵の他には、数は相当少ないが魔法士として研究、開発、力あるものは王都にて国の御抱えとして働く者もいると
そんな選ばれし者が、あの残念なエルフか、、
近く向かう遺跡についても他になにかないか? と訪ねるもガルバからの情報と大差ない物だった
そして食事も終わり店の外にでると地球の太陽より、大分大きく、美しい夕日の浮かんでいる
そんな夕日を眺めつつ城へと戻った
客室に戻り、遺跡に備えストレージの確認、戦闘ストレージへの薬品などの補助などをし、そろそろ寝ようかと思ったときだった
ふとみたコンソールにソフィアのステータスが目に付くと、ステータスが大幅に落ちていた
「おい! ソフィア!?」
と何か状態異常を食らったのかとソフィアを見ると、そこには昼間買ってやった黒のドレスに赤い宝石を胸につけたソフィアがいた
もじもじしながら『どうでしょうか?』と尋ねるソフィアに
「ああ、とても似合っているよ」と返す
でもなソフィア、これから寝るのにドレスはやめような?
一つ溜め息を付き、その日は就寝した




