第81話 実地訓練 1日目(9)
俺達は後方に拠点を移した。
レイアウトは先ほどとあまり変わっていない。
そして俺は即席の指揮所で考えていた。
「ハーピィを狙った砲撃にしても、余りにも過剰な砲撃だった……」
すると、ギューテが飲み物を持ってきてくれた。
「それでどうするんだい?」
「そうだな……」
俺は考えた。
浸透戦術や電撃戦、そして包囲殲滅戦。
しかしどれも最適なものではなかった。
その時、一人の伝令が俺のところにやってきた。
「報告!敵陣地は強固な防衛ラインを築いており、沿岸線にも障害物を設置しているとの事!」
「君は……カリーナの偵察部隊か?」
伝令兵は言った。
「そうであります!」
「そうか……分かった」
するとギューテがボソッと地図を見ながら言った。
「橋も破壊してるから、彼らは本当に守りしか考えてないんだね」
「……守り」
その瞬間、俺はギューテの手を握り、感謝した。
「ありがとな、ギューテ!君のお陰でこの戦いに勝てそうだ!」
「え?あ……うん?どういたしまして……?」
そして伝令兵に俺は伝えた。
「カリーナやアヒム達に中央の森へ全軍集まらせるように伝えてくれ」
「了解!」
伝令兵は走って、カリーナ達の方へ向かっていった。
「ハルトくん、一体何をするんだい?」
「これからわかるさ」
そして俺は分隊長を集めた。
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エッボやコローナ達の各分隊長が俺のところに集まっていた。
「それで……何か案が出たのか?」
エッボがそう質問すると、俺は地図を指して答えた。
「渡河作戦は中止だ」
「中止……?それはどういう事でしょうか?」
コローナは驚きを隠しながら質問した。
「奴らは守りに徹している、それに川のラインに沿って障害物なども設置しているとの情報もある」
「なら奴らに砲撃や狙撃などをし、俺達のキルゾーンにおびき寄せる」
「……そんな簡単に奴らは来るのか?」
確かにエッボの言う通りだった。
だが俺はある考えを思い浮かんでいた。
「奴らを疲弊させるんだ」
「どうやってだ?」
「それは全ての小隊が集まったら説明する」
そして俺は全員に指示した。
「ここの陣地を捨てる、行軍準備しろ」
コローナは了承していたが、エッボは不満があった。
「気持ちはわかる、作ったばっかの陣地を放棄することを」
「だが勝つためにはやるしかないんだ」
するとエッボは頷いた。
「わかった、だがこれでかけてなかったら分かるよな?」
「ああ、煮るなり焼くなり好きにしてくれ」
そうして俺達は中央の森へ向かうことになった。




