表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/82

第40話 機動防御

アルファンスは面白そうに質問した。

「機動防御?ではどのようにする?」


俺は説明を始めた。

「大前提として一つの戦線に固まるのではなく、地形などを利用し敵を後方までこさせ、そこを少ない機関銃や砲兵、そして騎兵隊などで敵を殲滅させる」


アルファンスは話を続けさせた。

「まず最前線では薄く広く部隊を配置し、敵の進軍を遅らせる」

「その際の注意だが、死守ではなく敵を誘い込むように撤退させながら後方の陣地まで移動させる」


アルファンスは質問した。

「撤退させる判断は?」

「それは現場の部隊に任せる。戦線の状況を一番早く知るのは現場の兵士達だからな」

するとカリーナは興味深く聞いており、アヒムはニヤニヤと聞いていた。


「そして敵に勝っていると思い込ませながらある場所まで誘導させる」

「……沼地か?」

アルファンスの答えに俺は頷いた。

「ああ、それに加えキルゾーンや少ない砲兵でも火力を最大限出せる場所にもな」


そして俺は説明を続けた。

「敵がその地域に着いた瞬間集中砲火や側面射撃、機関銃掃射を行う」

するとアルファンスは質問した。


「敵からの反撃はどうするんだ」

俺は答えた。

「ここに来るまでに狙撃や側面攻撃などで敵を疲弊させるんだ、だからこそこの攻撃は敵にとっては反撃が難しくなる」

「それに加え、進軍の影響で隊列も崩れているから……と?」

アルファンスの鋭い質問に俺は頷いた。

「そのとおりだ」


その時、いつの間にかアルファンスの方にいたクリストフ中将が俺に質問した。

「……機動防御と言ったな?まだ手はあるのだろう?」

その言葉を待ってたかのように俺は説明を始めた。


「ああ……最後は騎兵や装甲車、戦車で敵側面や後方を攻撃し包囲するんだ」

「この方法だと無駄な突撃をしなくとも敵兵士達の指揮統制はなくなり、すぐに戦闘は終わる」

「これが機動防御だ」


最後の俺の言葉にアルファンスとクリストフは関心した。

「素晴らしい、だが一つ疑問がある」

クリストフは俺に質問した。


「もし最前線の撤退するタイミングを間違えてしまったらどうする」

「それに強い連携がなければ最後の攻撃も遅れてしまい、そのまま突破されるという可能性もある」


俺は言い返せなかった。

そう、指摘された物は全て機動防御の弱点でもあるからだ。

だからこそ第二次世界大戦のドイツ軍は通信機などの技術を使い、それを補った。

しかしこの世界はそういう物はまだ無いのだろう……


「……ただ、この戦術は素晴らしい」

クリストフは話を続けた。


「技術が発展し、連携が取れるようになったらこの戦術は新たな時代を生むだろう」

「そしてその時代はもうそこにあるのかもな」


俺はその言葉にどんな意味があるのかは理解できなかった。

だが、もしかしたら……

第二次世界大戦のような惨劇を作ってしまうのだろうかと思ってしまった。


そしてクリストフは話を続けた。

「流石はエトムント大将が見込んだ男だ」

その言葉に生徒たちは驚いた。


「おい、エトムント大将とつながりがあるのか?!」

「あいつはどんな男なんだよ……」


だがカリーナとアヒムだけは反応が違った。

「お前はいつか英雄になれる日が来るかもな」

「私、ハルトくんの話にめり込んじゃった」


そしてアルファンスが喋り始めた。

「諸君、戦争とは栄光を勝ち取るものではない」

「国の未来を、家族を、そして仲間達を守る為に戦うのだ」


「己の心を忘れるな」

そうアルファンスが締めると、外から鐘の音が響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ