はじまり
僕の感情はいつもいきばがない。
そのせいなのか、どこで何をしても居心地が悪くて苦しい。
そんなある日、僕はとある紳士に出会った。
その人は背の高い帽子を頭の上にソッと丁寧に置いたように被り、その服装は昔のヨーロッパ風のワイシャツに似たシルクの長袖の上に高級なチョッキを着てそれを立派な背広で仕上げた姿だった。
それに明らかに高そうな素材でできた手袋とさらに高そうな靴を履いて僕の目の前に現れた。
「ごきげんよう。」彼はそう言って僕に近づいた。
『うわぁ!この人今どこから現れた?この辺に分かれ道なんてないのに。』
その時僕は過去には関係のない、小説を書いて出版する作家の、いわゆる助手のような仕事をしていて、仕事が終わった後に久しぶりに家に帰る途中だった。
作家は忙しくて、閃くたびに僕を呼んでいては僕自身の身が持たないと、そう言ってほぼ一緒に生活していた。
だが、無事に本を出版する事が出来て、暫く仕事がないだろうと帰える許可をもらって帰るところだった。
「貴方は誰ですか?」僕は謎の男にそう聞いた。
「これは失礼。私はアレス・ラプラスと申します。宜しくお願い申し上げます。」と丁寧ない言葉の使い方をしていた。
だけど、本人には本当に申し訳ないけど、敬語のせいで胡散臭いと思わせるところがあって。にこやかな顔がその胡散臭さを倍増してしまっていた。
『本人は知ってるのかな?』と思ったが、くちは閉じておいた。
『アレス…ラプラス?日本人じゃない?』
「僕に何か用ですか?道に迷ってるとか?」
「そういうわけではありませんが。貴方を観察してもらいました。」
『うわぁ~ストーカー?』
「変な意味ではありません。」
「あれ?今僕の考え声に出てました?」
「いいえ、ただ単に私が人を読むのが得意なだけです。」
そして彼は「ついて来てください。」と一言だけ言って歩き出した。
『な~んか偉そうだな。』僕は密かにそう思った。
僕は彼が明らかに怪しいと思いながらも、どうしてなのか、彼についていった。
暫く歩くと、とある場所に辿り着いた。
図書館だ。
僕は道端であったその紳士、基ラプラスさん、の後に続いて図書館の中に足をふみいれてみた。
僕がその日見た光景はこの世の誰にも理解はしかねるだろう。
外見的には普通の図書館と何もかわらない建物だったのに彼が扉を開けると、そこは別の世界だった、異世界とも言える程に。
少なくとも僕にはそう思えた。
本棚が無数に並んでるのにそれを囲む天井も壁もない、草原のどまんなかにある不思議な場所だった。
複雑な迷路みたいに、絡み合いながら並んでいるその様は、いや、言葉に表そうとするのもおこがましい程に美しかった、とだけ言っておこう。
空中に浮かんでる棚もあったりした。
「よろしいですか?迷子にはなりたくない空間です。私からあまり離れないようにしてください。」彼は少し厳しい顔で僕に忠告した。
それは図書館の在り方をよく知っている口調だった。
まるで、自分も迷ったことがあるかのような、或いは…
『いや、疑うのはやめておこう。こんな空間を『造る』なんて真似が人間にできるわけないし。これはあれだ、何かの仕掛けに違いない。』と頭の中で片づけてしまった。
彼の言葉に僕は首を縦に振ってうなずいた。
ラプラスさんは少しだけ満足そうな表情を浮かべたが、それもほんの一瞬だけだった。
棚の間には精霊のような小さな光が漂っていて、彼の者たちはそこに存在する本の一冊一冊を丁寧に管理していた。
本に僅かな埃があれば掃ったり、棚にある本を取り除いて棚掃除もしたり。
そのおかげで、図書館の中はいきわたる全てが新品の如く光り輝いていた。
『ヤバイ、ちょっとピカピカ過ぎて眩しいかも。』と思いながらも目が離せなかった。
「ここは?どこなんですか?」僕はそう不思議に満ち溢れたできいた。
「その質問に対してはこの図書館の筆頭管理頭としてわたくしがお答えいたします。」といきなり背後から女の声がした。
思わず叫んで振り向くとそこにはラプラスさんと似たような服のドレスを着た女が立っていた。
「ここは世界の知識や発想が集まる図書館です。故に『ワールドリブラリア』と命名されています。」と彼女は説明した。
「ワールド…リブラリア…ですか?」
「そうです。」
「それじゃ、ここに壁や天井がないのは、それらがあると本が収まりきらないからなんですか?」
「いいえ、この図書館はそう言う作りだから天井がないのです。無い物に意味を問いても無駄です。」とラプラスさんが説明しようと口を開けたが、管理筆頭頭に先を越されてしまった。
その後も彼女の割り込み解説はずっと続いた。
あまりに酷くて、後からラプラスさんが枯れた花みたいに萎れてた。
『ちょっとかわいそう。』
暫くすると、筆頭管理頭は他に仕事があるのか何処かへ行ってしまった。
「では、私は忙しいので自分の持ち場へ戻ります。」そう言いながら。
彼女がいなくなるとアレスさんに活気が戻った。
暫く図書館内を一緒に巡った後、僕は気になって仕方がなく頭の中でずっと浮いてた疑念を彼に打ち明けて質問した。
「ラプラスさんは、どうして僕をここに連れて来たんですか?」と。
「あ~、私の事はアレスとお呼びしても構いません。」
彼は少し黙り込んで思考えてから答えた。
「ん~。しいて言うならば其方の心の中に住まう感情の行き場になれるだろうと考えたからでしょうか?私にもよくわかりませんが。だが、道端で其方を見かけて、なんだか連れて来るべきだと、そう思った、それだけです。」
「凄くアバウトですね。」と思わず言ってしまった。
「自分で言っておいてなんですが、私もそう思います。」
僕達はお互い顔を見て『プッ』と吹き出して笑った。
彼はどうして連れて来たのか知らないと有耶無耶に言ったが、全く見当もつかないわけでななかったと、僕は思いたい。
そして聞いてみる。
「僕の表情、そんなに暗かったですか?」と。
「はい、それはもう。」
どうやら、人間の内に溜まる様々な物は本当に顔に出るらしい。
「僕が一緒に仕事をしている作家の先生は口癖のようにいつも言っています。『人間の心の中に蓄積される物は必ずしもではないがほとんどの場合顔にでる。』と。」
ラプラスさんは何か知っているような口調でいった。
「あらがち間違ってはいません。」と。
僕の内面的状態をいいあてる彼の姿はまるで探偵みたいだった。
彼は話しを続けた。
「それは、感情が外に出られてない証拠でもあります。人間の感情はなくなったり、減ったりするものではありませんから。ただただ大きくなっていくばかりです。感情は生き物なのですから当然かつ自然の摂理です。成長するにきまってます。徐々にか?はたまた急にか?そこは人それぞれで違いますし、時と場合にもよりますけどね。だしてやらないと宿主の身がはちきれてしぬの場合もあります。」
「どうしたらその感情を外に出してやれるんですか?」
「方法はいろいろありますけど。考えを口にしてお話をしたりするのも有効的ですが、もっと効率の良い方法がありますけど。ですが、答えをただ渡すのは良くありません。故に、残りはあえて言わないでおきます。」
そう言いながら彼はその答えを教えてはくれなかった、ただ、少し秘密気に微笑んだ後に黙り込むだけだった。
彼は少しだけ考え方が作家の先生に似ていたから不思議だった。
何となくだが、道端で会った時も初めて会う気がしなかった。
どこか懐かしさと言うものを感じた。
僕は彼と一緒に図書館を見て回った。
そこには不思議な本が、物語がたくさん、一生図書館にこもりっきりで読み漁っても読み切れないくらいたくさんあった。
クジラのお腹の中で三日も過ごした人の話とか。
世界の動物をすべて集めて船旅をした老人の話とか。
一番不思議に思ったのは皮膚病だった兵士さんが川で体を洗ったら病気が治った物語だった。
そこには珍らしい本がたくさんあって、無い情報は無いようにも見えた。
「僕はこの数々の本に出て来る主人公たちが英雄みたいな人達で素晴らしいと思います。」
「そうかもしれませんが、重要なのは、彼らが己が弱さに立ち向かう時に恐れや不信感と言うかせを目的を果たす為の邪魔にさせなかった事です。その結果軌跡をその手に掴んで見せました。自分に正直にならないものに何かの始まりは訪れません。ですから、信じる事と正しく正直である事は人が自分の弱さに打ち勝って進む為の大切な宝なのです。」
彼と一緒に図書館の中を回って、帰るために扉に向かっていた僕達の目の前に新しい棚が何十個も現れて、そこに新たな本が並んだ。
僕は思わず声を上げた。
『ビッくりした!』と内心叫びながら地面に尻持ちした。
本棚が現れると、隣にいた紳士は自分がかぶっていた帽子を取って胸に当てると、床に跪伏いてしばらく沈黙した。
それをみて僕も真似してみた。
彼が具体的に何をしているのかは不明だったが、そうするべきだと思った。
沈黙が終って、彼が再び立ち上がった時に聞いてみた。
「すみません、今のは何だったんですか?」と。
「たまにああなることがある。これは私の推測ですが、おそらく誰かがお亡くなりになったのでしょう。」
「それは若い人ですか?老人ですか?」
「そうですね。若者かもしれませんし老人かもしれません。ただ、その人の死後私の―コホン!この図書館にこれほど大量の本が現われると言う事は、長い年月、莫大な研鑽と知識を積み重ねたと言う事です。それだけに、若者である可能性は、無いとは言えませんが、非常に低いとも言えます。老人である可能性の方が高いです。けどただの老人ではありません。とても知識深い、それこそ何かの分野に生涯をかけた老人です。彼らの死は一つの図書館の消失に等しいとも言われますから。そして、そうやって消えた図書館はここに再現されるのです。」
『あ、まるで知ってるような言い方だ。さっきの言い掛けもどことなく引っかかる。』
「だから、そういう方が死んだときに限って、この図書館に新たな一覧の本棚が現われるのです。」彼はそう説明した後、大きくタメイキをした。
「は~、これは、出口の場所がまた変わったかもしれませんね。」
紳士の声はどこか嘆かわしく言った。
本棚の間を通ってみると、確かに出口だった場所には壁があるだけで、出口は跡形もなく消えていた。
「どうするんですか?」と僕は聞いた。
だけどそれは、答えの期待のできない問だった。
仕方なく僕達は再び出口を探しながら図書館を巡った。新たにできた棚の本の事も調べてみたりしたが、他人の人生を覗き見してるみたいで背徳感が募ったのでやめた。
そのまま暫く歩くと出口が見えた。
彼の言う通り、出口は他の場所に移動していた。
『どうして解ってたんだろう?』と疑問に思ったが、追究はしなかった。
僕は紳士を横目でチラリと見詰めた、ここに入ってからの彼の言動はどうも可笑しい。
まるで自分がこの図書館を造った人のような行動と言の正確さ。
出口が移動してたことも、本棚が現われる理由を知っていたことも、迷子にならないように忠告してきた時も。
何もかもが妙だった。
『いや、まさかな。』
『諸事情とかかもしれないし。ここによく来る常連ってだけかもだし。』
『こういう時にヤボって単語を使うのかな?』
その後図書館を出て僕らはわかれた。
数日をかけて僕は彼が言ったことをじっくり思考えた。
思考えを口にするより有効的な感情の出し方とは?
その疑問が脳内から離れずにいた。
そうやって成果のないまま数か月が過ぎていった。
僕はある日身内に手紙を書きたいと思った。
どうしてそう思考えたのかは自分でもうまく説明できないが。
机の引き出しにある紙とペンをとって椅子に座った。
長い間連絡を取っていなかった育ての親からの何通もの手紙が片隅に置いてあって、自分の無事を知らせないといけないと思っていたからた。
そして僕は手紙を書いた。
手紙を書き終えた僕は自分の中の何かが軽くなったような感覚を味わった。
不思議とすっきりして、その夜はいつにもましてぐっすり眠れた。
その後何度も手紙を書いては送って同じ経験をした僕はふとひらめいた。
「感情を出す方法って、そう言う事だったのか!全く紛らわしい!けど、なるほど、何事も全て教えてもらっては学びにならないと言う事か?」と、ほんの少しだけ腹を立てながらも、我に返って思わず笑ってしまった。
ここに僕以外の人間がいたならいかれていると白い目でみたに違いない。
そうやって何通も手紙を書きながら、僕は自分の事を少しだけ知ることができた。例えば思ったことをどんな風に書けばいいのかなんとなくわかる事。
頭で考えたことを、胸で感じたこと、感情を一つの物語にと作り変えてみたら、我ながらいい物語ができたりもした。
謎の図書館を思い出すたびに頭に浮かぶことがある。
世界を、世の中をもっと知りたい。
僕のしらない物が、きっとどの宝箱より埋まってるこの世の中のことが知りたい。
そう願う自分自身が頭の中に浮かんで、胸の高鳴りが収まらなくて、だから小説を書き始めた、想像をした。
もちろん最初からうまくいったわけじゃない。
まぁ~最初からうまく行ってればその物語はとても詰らなくはかない結末だったのだろう、何より努力したいと思える自分が生まれなかっただろう。
それでもめげずに知って、学んでいった。
何をどう書いたら出版してくれる側の人が喜ぶのか。読む側の人の気持ちを組んでみたりもした。
だけどその物語は無限にわいてくる泉などではなかった。
どんなものも使い続けるとぼろぼろになるし、泉だって永遠に水を出してくれるわけじゃない。
泉はやがて枯れてしまい、僕の行く先は再び暗闇に阻まれるかのように思えた。
だけど、そんなある日、睡眠に着こうとしていた僕の遠のく意識の中にひとつの声が聞こえた。
「個体名は死亡しました」その声はそう言った。
そして、目を覚ますと、僕は見覚えのない場所にいた。そこは草一本すら生えないような寒い所だった。
だけど、不思議な事に寒気は一切感じなかった。ただ何となく周りを見てわかっていただけ。
一日がたって、二日が立って、三日が一週間になったが天気はよくならなかった。
それどころか、酷くなっていくばかりだった。
だが悪い事ばかりじゃなかったし、段々とすぎる日々の中で知っていった事もある。
例えば世界は途方もなく広い事。
最初にきた頃は頭の中に無数の疑問がわいて来て、状況整理や安全確認ができない程だった。
『どうしてこんな所に僕一人だけでいるのか?どうしていきなりこんな所に飛ばされたのだろうか?いや、もしここが異世界なら?その選択も捨てきれない。』
それが僕が感じた一回目の違和感だった。
最初の疑問は時間こそかかったが割と簡単に解けた。
そのきっかけは、僕がまだ隔離されていることにきづいていなかった頃の話になる。
そして、世界の広さを教えてくれたある人物のおかげだった。
彼はこの世界にやってきた僕が初めてあった人だった。
その人は世界の広さと共に色んなことを僕に教えてくれた。
元々僕はあまり好奇心の強い人間ではなかった。あるのは自分の存在に対する違和感と、自分が他の人とは違うと言う確信からくる虚しさだけだった。それはどれだけ時間が過ぎてもなくなる事はなく、大きくなるばかりで、次第には自然にわいてきていた創作欲や想像力も段々減っていって、小説も書けないくらいに悪化していった。
そんな時だった、あの紳士と出会ったのは。
彼に誘われて僕はかの不思議な図書館を訪れた。
そこは僕一人の言葉ではとてもじゃないが説明しきれないほど謎めいた場所だった。
彼と道で分かれた後、僕はもう一度その図書館がいたはずの場所を訪れてみたが、不思議な図書館は跡形もなく消えていて、あるのは外側のみた目通りのごく普通な図書館だった。
「草原の図書館はどこですか?」と思わず聞きそうになったが舌を噛んで堪えた。
そして少し時間が過ぎ、今に至る。
部屋の中でジッとしていると、外から物音がきこえてきたりもした。
聴けば聴くほど拾える音も増えたり、新しいスキルを獲得したりもした。
「個体名はスキル『超聴覚』を獲得しました」と頭の中に発表音がして。
透明な窓みたいな画面にスキル情報が現れた。
「フムフム、スキルのレベルは1か。」
と言っても、凡人より少っと聞こえる範囲が広くなったってとこだけど。
大した伸びじゃなくて少しがっかりもした。
だが今まできこえなかった音もきこえるようになって、今まできこえていたものももっとはっきり聞こえるようになって、一瞬感じた失望感は心の底から湧いてくるドキドキやワクワクに埋め尽くされた。
それが不思議でたまらなくて、もっと色んな音をききたいと思った。
僕は部屋の周囲をぐるぐる回りながら一人で日々を過ごした。
毎日新しい音を運んでくれるこのスキルに感謝もした。
声はたまにスキルの更新や獲得を行ってくれたりもして、少っと怖くなったりもした。
「もしかして、このままスキル獲得しすぎていずれ人間やめちゃったりするのかなぁ~?!」と。
『だけど、まだ起こるかも知れないし、起こらないかも知れない事で悩んでても仕方のないことだ。』
「個体名はスキル〔(世界を探す者〕を獲得しました。」
『世界…を探す…者?何それ?』
「個体名はスキル〔世界を探す者〕を獲得した事でスキル〈自己鑑定〉及びにスキル〈鑑定〉を獲得しました。」
『鑑定?それに加えて自己鑑定?』
試しに使ってみてわかったことがあった。
スキル〔自己鑑定〕は自分を鑑定できるスキルで、スキル〈鑑定〉は自分以外を鑑定出来るスキルだった。
試しに、近くに生えてる木を鑑定してみた。
すると。透きった画面みたいなのがまた現れた。
だが、今回はスキル情報ではなく鑑定した樹の情報が書かれていた。
そこにはこう書いてあった。〘魔樹:大量な魔力を長年浴び続けた果てに進化した樹。貴重故に伐採して売れば一般の家族が何不自由なく30年遊んで暮らせるほどの大金に恵まれる。だが、その30年の果てに前より5倍貧しくなる呪いの樹。〙と。
「なんてものが生えてるんだ!こわぁ~!」と自分の住処にとんでもないものが育ってる事を知った僕はその樹を鋭いものでマークし、念のために片っ端から鑑定して印をつけた。その結果、自分の周りにはロクでもない物しかない事が判明した。
全てではないが、大半の物が、売れば人間を堕落させたり破産させる呪いの汚物はかりだった。
「はぁ~、全部鑑定しておいてよかったぁ~さて、周りの鑑定は終わったし、次は自分だな。自己鑑定、発動!」
さっきと同じ窓みたいなのが出て来た。
「フムフム。」と自分の情報がみっしり書いてある画面をじっくり見た。
自己鑑定で調べた所僕には名前がない事が分かった。年齢は■■歳。
「?見えない?故障?」
スキルもいくつか書いてあった。
「まるでゲームみたいな感じだなぁ。」
自分のスキル調べに夢中になってるあまりに、外の物音に気付くのが遅くなった。
誰かが部屋のすぐ外にいて、かろうじて足音が聞えた。
僕は直に鑑定の画面を閉じて息をひそめた。
だけどこの時の僕はまだ知らなかった、今まさに僕の部屋の扉の外にいる人との出会いが僕の人生を大きく変える事になることを。
つづく…




