弟子と僕、珍事件その2に遭遇。またもやドラゴン緊急出動(笑)
師匠に言われてやって来たこの街での生活最後のクエスト受注をしようとギルドに入ると
何やら騒がしい
「おいおい!聞いたか?森に”紫雷の白虎”が出たらしいぜ」
「まじかよ!災害級魔物だろ?でもなんでこんなとこに?
生息地ってたしか西の方だったよな?花の街カレル付近」
ん?災害級魔物?
それも街近くに出るなんて・・おかしいだろ
「あー、その魔物ってどの辺りに出たかわかるか?」
「え?えっと、この辺の水辺です」
「ふ~ん。水辺ねぇ。ありがと」
「とりあえず行ってみるか」
「ですね。」
「ええ??いくのか!?大丈夫なのかよ」
「ん?大丈夫だろ」
行くのかって?
そりゃ行くだろう、一応俺たちSS級の冒険者とS級冒険者だぜ
どうせ遅かれ早かれ召集されて魔獣のところに向かう事になるだろうしな
俺たちは急いでみんなでその水辺に向かった
今まできちんと道や場所を記録したり、覚えたのですんなり到着した
水辺の前では大きな白い虎が寝そべってこちらを伺っていた
幸い他には冒険者もいないようだ
「こんにちは。俺は魔法剣士のルッツ。
貴方がなぜこの森に来たのかお聞きしたくてここに来ました」
俺が声をかけると驚いたのか、顔をあげてこちらに近づいてきた
”人間が私に声をかけるなど珍しい、そして分を弁えている
実は西の森で生活していたのだが、冒険者どもが狩りをしすぎてな・・私のエサがないのだ
それと私を使役しようとやかましいのが来るのでな、避難してきたのだ”
「それは・・大変でしたね
あちらの森は貴方がいなくても大丈夫なのですか?」
”そのことなら問題なかろう、私の他にも同じ種のものがいるのでな
それよりもお主から雷の魔術の匂いがするのだが雷使いか?”
「雷と闇魔法が得意ですので。
お腹はすいてますか?もしよければ何か用意しますよ?」
”ふふふふ・・あはははは、主は中々面白い男だな!気に入った
そうだな、腹は減ってはいる。正直に言えば肉が食いたい”
「では一緒にご飯にしましょうか。俺はここで貴方と待ちます
仲間が狩りにいってくれますのでここで待っていましょう」
”そうか!ではよろしくたのむ”
「じゃあ僕らは狩りにいってくるよ
ちょうどホロロ鳥のクエスト受けてたしね」
「だな!俺は薪とか食いもん探してくる」
「僕はヴィンスと果物や野草なんかを探して来ます」
「兄貴、あとはよろしく」
「おう、行ってこい」
みんなそれぞれ目的のものをとりに行くべく行動を開始した
俺はとりあえず彼の隣に座って折角なのでイヴィルも肩に乗せた
”お主、厄災の蜘蛛を飼っているのか!?”
「ああ、俺の相棒だ」
”はじめましてッス。自分、イヴィルって言うッス”
”あはははは、ますます面白い。もしや他のやつもか?”
「それぞれ居ますよ。それにしても狩りすぎですか・・・ギルドの方で管理してなかったのか?
あ・・すみません。つい。」
”よいよい。素ではなせ。
それにしても人と話すなどいつぶりだ?
あちらの人間は私の言葉を理解していないようでな。癇癪をおこされたぞ(笑)”
「は?癇癪?しかも言葉がわかんねぇって;;
俺の師匠がいってましたけど契約の魔術は互いの同意の上でやるもので一歩的にはあり得ないって
実際運命というか一緒に生活するんだし、同意は必要だよな?」
”お前の師匠とやらは昔の魔術師なんだろう。いい師匠だな
そもそも契約魔術を結んだ時点で生死を共にするんだ。嫌な相手と契約するわけがない”
「そうだろうな。で、その馬鹿な奴は貴族か?冒険者か?」
”両方いたな。私を自分の飾りにしたいのだろう。馬鹿なやつだ
誰がそんなものになどなるものか。見世物ではない”
「・・・・・・それはアンタが災害級の魔物だと理解してないじゃないか?
言葉も理解していとおもってると思うぞ」
”やはりそうおもうか?はぁ・・・・頭が痛いわ
そこまで知っていると言うことは知り合いにいるのか?災害級が”
「いや、いるのは厄災級のドラゴンと犬だけどな」
”なんと!!!まさかのドラゴン(笑)それでは私が知恵があるとわかるな
向こうには戻る気も失せたな・・お前私と契約する気はあるか?”
「え?俺?寧ろいいのか?俺で」
”知恵も力もある師を持つやつなど中々あえないものだ
それに気も合いそうだしな、何より雷魔術の使い手と言うのが最高だ
で?どうだ?”
「俺はいいよ。嬉しいし」
”では決まりだ。よろしく、友よ。”
「ああ、名前は・・そうだな。春を告げる雷でシュンライだ」
”おお!いい名ではないか!シュンライ。ではよろしく、我がよき友よ”
「ああ、よろしく!」
のちに確認すると今度は首ではなく右肩に白い虎の大きなアザができていた
「ただいまーってもしかして契約した?」
「ああ、名前は春雷だ」
「それってあれだよね、異国で春を告げる雷の事だったはず」
「そうそう。いい名前だろ?」
「いいと思うよ。この通りホロロは三匹狩ってきた」
”おお。中々の腕前だな。それでお前の友は?”
”はじめまして私はジル。氷魔術を使う蛇でございます”
”なるほど!他にはどんな物がいるのか楽しみだな”
それからしばらくして戻ってきたみんなにも紹介し、とりあえず飯にすることに
一匹を春雷に食べて貰うべくイヴィルと一緒に丸焼きを作った
イヴィルは楽しそうに肉をくるくると回して焼いていた
その仕草が可愛い(笑)
”あーお肉やいてる~くるくるくる”
””くるくるくる♪””
「お前ら焦げないように気を付けろよ!」
”””らじゃー(キリッ!)”””
「お前らこっちこい。ほら、ポーション風呂だぞ!」
””””!!!!!!!”””
””ああ~きっもちぃぃ”””””
”珍しい、魔草のマンドラゴラじゃないか。育ててるのか?”
「そう、うちのマンドラゴラ。自由人過ぎて面白い」
”昔はよく森で踊ってたぞ。後は木に登ったり謎だった”
「まぁそうだな」
”僕のお花は毒の花~食べたらお腹が痛くなる~”
”僕のお花も毒の花~食べたら痺れて倒れちゃう~”
”僕のお花も毒の花~塗ったらお肌が爛れちゃう~
”僕のお花も毒の花~食べたら即死よ気を付けて~”
”””きゃ~君怖~い”””
「「「「「ぶふぉ!?」」」」」
「まさかの全部毒って(笑)」
「ノリノリでなに言うのかと思ったら毒の申告!?」
「っこれは!是非毒の研究を!」
「お前嬉しそうだな」
「ミハエルは毒大好きだからな。にしても・・最後のは酷いだろ!即死って!」
ご飯前にマンドラゴラから衝撃的な歌のプレゼントを受けた訳だが
歌詞が衝撃的だな。嬉しそうに毒の花~ってテンションたけぇな(笑)
ある意味屋敷でも自由なこいつらは見慣れてるしな
ま、いつもの事でと言うことでみんなでご飯を食べた
”丸かじりが出来るとは最高だ。旨い。”
「そうか、それはよかった」
春雷も満足したようで何よりだ
とりあえず朝だがテントを張って中で作業することにした
実は前回のミハエルの件を踏まえて各魔石をストックして持ってきているのだ
腹もふくれたので春雷へのプレゼントを考えて作ることにした
俺が考えたのは耳飾りだ三日月の形に雫型の魔石がついているものだ
右は黄色の雷の魔石・左の耳は黄緑色の嵐の魔石にした
うん!いいんじゃねぇ?
春雷の耳につけてやり、一緒に入浴した
勿論上がった後は作った特性のブラシで優しくブラッシングしてやる
キラキラと白銀の毛並みに黒の模様が入った体は王者の風格が漂っている
おおー!綺麗になったぜ
”おおー汚れが落ちて本来の毛の色に戻ったぞ
それといいものを食べたおかげだ。毛の艶が違う”
「確かに綺麗になったな!」
「ちょうどいいタイミングみたいだね
これ僕が調合した香油で毛並みがよくなるやつなんだけど使って見てほしい
紅蓮も使ったら調子がいいみたいだから」
「ありがとな。使ってみる、いいか?」
”(くんくん)いい香りだ。勿論、使ってみてくれ”
香油を手につけて馴染ませるようにつけていくと・・毛並みがふわふわに
あ・・やべ、これはヤバイ。ふわふわだ
”気持ち良さそうだな。友よ”
「やべぇ。気持ちよすぎて寝そうになる(笑)」
”この耳飾り鏡とやらで見たが気に入ったぞ。しかも魔石付きとは嬉しいぞ”
「うちの子たちはみんな魔石付きものをなにかしらつけてるんだよ
あ、そうそう。仮の住みかの方が森でいいか?」
”ああ、仮の寝床だな。森でいい
そうだなここの森のような感じだと嬉しいぞ”
「わかった」
俺はチョーカーに緑の魔石をつけて、スカーレットの住みかとリンクさせた
話し相手がいた方がいいと思いサービスだ
二人ともおきに召したようで喜んでいたし、大成功だな
この日は春雷の事もあるので、ギルドへ報告に行くことにした
そのままつれ歩く訳にもいかないので、一度仮住まいに入ってもらった
俺たちは帰りがてら薬草を摘んだり、周囲の様子を確認したりしてから帰った
一応異変は確認できなかったので大丈夫だろう
それからギルドに戻ると
「戻ってきたぞ!」
「お前大丈夫だったか?」
「別に危険な事はなにもないからな。大丈夫だぜ」
「そうか」
「それよりもアイツら誰だ?ぎゃあぎゃあうるせーけど」
「ああ、西のやつらだな。なんでもあの虎をおってきたらしい
あれは自分のものにするとかうるせーのなんのって」
あー・・・こいつらか、春雷がいってたやつ
確かにうるせーな
「おい、お前らうるせーぞ。少しは静かにしろ
もう虎の件なら解決した
それよりもお前らさ、自分のしたことわかってってか?」
「は?お前は誰だ。誰に口を聞いている
俺は魔法学園のルルドだぞ。伯爵の位を持つ、S級クラスの魔術師だ
あの虎は俺の使い魔にふさわしい」
「は?そんな事聞いてねぇよ、バーカ
お前の事なんてどうでもいい
お前らが西の森で狩りし過ぎで生態系崩したことわかってんのかって聞いてンだよ」
「「「はぁ!!!??」」」
「マジか。ってことは、食べもんが無くなってこっちにきたのかよ」
「西のやつらバカ過ぎるだろ」
「ってかギルドはなにしてんだ?」
「何を言う、魔獣を駆除してやったのだ。感謝されていいはずだ!」
「あー・・・・バカ過ぎる」
「これがS級とかマジかよ。大丈夫か?西」
「俺エドガー呼んでくるわ」
しばらくしてエドガーがやって来た
「で?こいつか?バカやらかしたのは」
「バカではない!僕はただ魔物を狩っただけだ
それよりもはやく虎を僕のものにするんだ。案内しろ」
「そうよ!ルルド様の使い魔にするのよ!」
「はやくしなさいよ!」
(((どっから湧いた!????)))
「くそ、また西のギルドかよ。
お前らな!森の生態系崩してどうすんだよ!
いいか?上位の魔物は下位の魔物を食べるつー食物連鎖があるんだよ
だからギルドで下位の魔物の数を調整してる
減りすぎると今度は上位の魔物が街に来ちまうだろ?
それを防ぐためにクエストってのがあるんだ
そんなことも知らないやつが冒険者だと!ふざけるな」
「意味がわからない。なぜ文句を言われる」
「てめぇ。ふざけんじゃねぇぞ!この街がなくなるかも知れなかったんだぞ!」
「お前のせいで大勢死んだら責任とれんのか?ああ”?」
「てめぇなんか、冒険者やめちまえ!」
「平民がルルド様に向かって!」
「そうよ!平民の癖に!」
「あ”?それがどうした。世の中平民ばっかだよ
お前らこそ俺らがいなかったら食べ物すら食えねーくせに偉そうに言うなっての
お前ら食ってるもんは俺ら平民が作ってるよな?わかっていってンのか?
それとてめぇはS級だろ?
俺はSS級だ、階級がいい方が偉いつー理屈なら俺のが上だろ?
ま、そんなのどーでもいいけどな
あーそれとお前の言う虎だけどよ
災害級の魔物だったぞ。お前一人でどうにかできるとか思ってンなら最高に頭悪いな、お前」
「「「「災害級!!!」」」」
「やはり僕にふさわしい・・」
「ちなみに俺と”契約”したんで、無理だ」
「は!?貴様と契約・・・だと!ふざけるな!僕のものだぞ!返せ!」
「いや・・返せもなにも
本人が嫌がってたぞ
言葉も通じないし煩いって」
「「「「「言ってたな。」」」」」
「貴様はバカか?魔物がしゃべるわけないだろう!」
「お前こそバカか?超級以上の魔物は意思もあるし喋れるぞ
お前が未熟だから話せないだけだな」
「な!そんなはずはない!」
「これ以上の会話は無駄、無駄。はやく西に帰れ
そんで二度とこっちくんな。他の冒険者に迷惑だから」
「僕は伯爵家の人間だぞ!ふざけんな!」
俺は騒ぐ男を扉の外にぽいっと捨てた。ついでに女どもも
しばらくギルドに入れないことを扉に貼って鍵をかけた
「あー・・・バカの相手は疲れる」
「ってか、聞き間違いじゃなければ。テイムしたのか?」
「この件はここだけの話な」
「わかった。しばらくはってことだろ?」
「ってかアイツマジなんなんだよ。あんなやつのせいで大変だったのか」
俺は改めて経緯と事情を話した
一応あっちの森はしばらく出入り禁止にした方がいいこと、
それから他にも上位種がいるので大丈夫と言うことを説明した
なので多少増えても間引かれだろうことも
「そうか。しかし、西のギルドもなにやってるんだか・・
なんでもそうだがやりすぎが一番怖い
今回はルッツたちがいたからいいが・・」
「だよな。俺もそう思う」
「西の状況があまりにもわからなすぎてなぁ・・・」
「そういうことは商人に聞けばいい」
「「「「「シアン!?」」」」」
「よう!主から迎えに行ってこいって言われてな
で?まぁ大体のことは理解したが、西の生態系についてだろ?
西から来た商人に街の様子聞いてみれば大体は想像できると思うぞ
聞いてみたらどうだ?」
「西の様子なら我が見てきたぞ
下位種の狩りすぎと薬草の狩りすぎだ、同種が嘆いていたのでな話をしてきた
一応主から預かったもので薬草はなんとかなったが・・魔物は魔素が回復するまではどうにもならんな」
「そうか。しかし、西のやつらもどうする気だったのかね?」
「さぁな。ただ、あのギルドはそこで騒いでいた物の身内と繋がっているようだったな
魔物の素材でなにかしていたようだ」
「ああー・・癒着か闇取引かだろうな。それにしても、アレに虎ちゃんは無理だろ」
「だな。赤のあやつも”小物が住みかの近くで煩い。それと鱗を盗まれる!”と怒っていたしな
大丈夫なのか?あの町は」
「赤いのって、”灼熱の緋竜”のことか?」
「そうだな、あっている。一応我が”やるなら伯爵家だけにしておけ”と言い含めたのでな街は大丈夫だろう
竜の鱗を盗むなど・・失礼な人間よ」
「あのー・・・会話がよくわかんないんだけど」
((こく、こく))
「こいつは人間じゃなくて”ドラゴン”だから、名前はリィーヴス
こっちは魔草の精霊で蒼薔薇のナル・キソスのシアン」
「あー・・・人化できるクラスかよ」
「ってことは厄災級か災害級だな」
(((見るのも話すのもはじめてだけどな)))
「よく知っているではないか、我は厄災級のドラゴンよ
だが、そんなことはどうでもよい
赤のやつが大人しくしているうちに森を封鎖しろ、さもなくば街が地図から消えるぞ
あやつの機嫌があまりよくない、原因を解決すれば許すと言っていたぞ」
「そうだな。向こうのギルドに連絡をいれてみよう」
「エドガー、連絡は私がいれておきます
それにしても、西は元々キナ臭くはあったのですが・・まさかこんなことになるとは
西の本来のギルドマスターが不在なのですよ
私は彼に連絡してみます」
「あー・・そうだ、彼は今あの前王の命令で隣国との国境にいかされてたんだった;」
「今こっちに帰ってきてる頃か?」
それから俺たちは今後ももしかしたら同じような事があるかも知れないと言うことで警戒体制に入り
俺たち含むA級以上の冒険者は森や周辺を交代で見守ることを決めた
正直に言えば今回のことはこの街の人々からしたら酷く迷惑な話だ
突然街を滅ぼせるほどの魔獣が現れて生活がおびやかされるわけだしな
後で師匠にもう少し変えるのが遅くなると伝えておかないといけねぇな
ギルドマスターは2階のマスター室で連絡をして戻ってきた
「一応連絡は取れた。彼は西の街ではなく、こちらに向かっているようだ
なんでも道中この街で起きた出来事を耳にしたらしく詳しい話を聞きに来るらしい
それに彼曰く”あのお馬鹿な貴族の坊っちゃんはまだそっちの街にいると思うからねとも言っていた
あの様子だと確かにまだ街にいそうではある。今のうちに探りだけ入れておこう」
「それなら俺がこの街に来た時に聞いたぜ
西から来た貴族の子息が高級宿に無理言って滞在してるってよ」
「我も耳にしたぞ。それとルッツ、主に連絡は必要ない
元々我らこちらへ来させている時点でお前たちが残ることも想定内だからな
それと主からの伝言だ
西のギルドの奴が来たら全員に急を据えてやれと
その時は我もシアンも協力するぞ」
「そうだな、俺も乱獲っつーアホなことしたやつらは許せねぇしな
全く、薬草だってな無限に生えるわけじゃねぇんだぞ
森に住む魔物だってな、薬草が必要なんだぜ
それを我が物顔で取ってかれたらそりゃ森の主も怒るわな」
「確かにな、野生の魔物でも災害級ともなれば薬草の知識位はあるだろ」
「そうなんですか!?え?それって人間と同じように薬として食べたりとか?」
「「するだろう」」
「ましてや我らのような”人化の術”を使えるものは魔術師並に魔術を使えるのだぞ
錬金術で回復薬を作るのなど造作もないことだ
それに食あたりや健康管理のためにも食すぞだね」
「そうだな。俺は元々人に近い魔物だからな腹壊した魔物とかに作ってやってたぜ
それに俺は魔草だ。こと薬草やら毒草、それから魔草の知識については人間よりあるからな」
(えー・・これはある意味新事実。まぁ、薬草は必要な分だけってのが暗黙のルールだしな)
(そうそう。そもそもそんな事態が逆にねぇよ)
(乱獲なんかしようもんなら先輩冒険者に怒られたもんな)
(というか、大前提としてさクエストが内容が嘘って明確なルール違反じゃね?)
((((それな)))
僕たちはルッツがギルド職員やら他の冒険者と話している最中にこちらでもひそひそと会議中
やはり西のやつらが悪いという結論になるのだが
(なぁ、あっちのギルドってもしかして上位冒険者がいねぇんじゃねぇのか?)
(え?それはどういう事ですか?)
(だってよ、普通は薬草ををとりすぎ何てことになれば、上級冒険者が異変に気がつかない訳がねぇよ)
(そうですね、確かにここまで酷い状況になったと言うことはそうなのかも知れませんね)
(現に僕らも森に入る時に毎回状況を確認していますあまりにも不自然ですね)
「お前ら、それだと及第点だな
他にも色々と可能性はあるだろ?もっと柔軟に考えろ」
「柔軟にですか・・他の可能性としては
1、貴族の横暴がまかり通るギルドに嫌気が指して他の街に移った
2、警告をしたが聞き入れて貰えなかったっ為、西のギルドを見切った
3、忠実で自由なはずのギルドが貴族の介入を許した事によって好きにクエストが受けられなくなった
とかですかね」
「そうだな、だが案外全部って事もあるかもだぜ
他にも金のない新人冒険者に金を掴ませて薬草採取をさせるなんてこともあると思うな、俺は」
「それは確かにありそうだ。特にパーティーに加入していない新人は騙されるかもな」
「知識や経験が乏しいだけどうなるかと予想も出来なさそうですよね」
「あとは新人の時代って毎日の生活だけで大変でしょう、だから回りも見えなくなりがちですよね」
「いいところに目をつけるじゃねぇか。で?今回問題になった薬草は?」
「確か”蠱惑の滴”ですね。惚れ薬や痛み止めとして使える薬草ですね」
「そうだな、それから?」
「あ!そういうことですか、だからあの薬草なんですね」
「ミハエル、どういうことだ?」
「師匠の書いた”神秘の秘薬と魔の違法薬”という本があるんですけど、その中の違法薬にあるんですよ
この薬草を使った副作用の強くて製造を禁止した薬が」
「「「「なんだって」」」」
「確か、子供を堕胎させる薬です。確か”堕落の悪魔”
昔娼婦の間に流行した子供をおろす為の薬で、服用し続けると子供が出来なくなる薬のはずです
それから、この副作用でダメになった子宮は魔法でも薬でも治療することが出来ないと」
「お?よく勉強してるじゃねぇか。正解だ
と言うことは今回の事件はその”薬”が原因ということだ、それを踏まえて課題に取り組め」
今回の師匠が題した課題は事件の原因を突き止めて解決すること
つまり師匠は原因になる薬草の名前を聞いて既に事件の全貌を予想しているという事だろう
相変わらず凄い人なんだよね。あの人
私はたまたま師匠の部屋にある薬草などに関する本を読み漁っていたので気がついたけど、まさか違法薬だったとはね
「原因としちゃぁ、
1、その貴族が娼館を持っているかもしくは懇意にしている
2、名前のある貴族の誰かに頼まれて作っている
3、貴族を対象に金儲けをするために作って違法に販売している
とかだな」
「3の場合が危険ですね。副作用などを知らずに服用している可能性もあります」
「そうだな、その場合最悪時既に遅しなんてこともあるだろうし」
「ですね。1、2も同様ですが、彼らの場合はリスクを知ってなお希望する場合もあり得ます
なので、一概にも被害者とは言えない部分もあるでしょうね」
「お前ら、事件の原因は見えてきたのか?」
「ああ、兄貴これは下手したら俺らだけじゃなくて、最悪王様への報告が必要かもしんねぇぞ」
「どういうことだ?」
俺は四人で話してでた結論をギルドマスターたちも含む他の奴らにも話をした
ギルドマスターは頭を抱え得て、ため息をついた
「まさか、そういう事に繋がっているとは・・
街の貴族を含むこの国の王族・貴族、それからすべての人に勧告をしなくてはいけないでしょうね
違法薬とは、あなた方の師匠の本にはそう記述があったのですね」
「その薬がなぜ違法になったのかという事だがな、それにはきちんと理由があるのだ」
「リィーヴス。それはどういうことですか?」
「実はこの違法薬を作ったのは当時宮廷にいた医師だ
彼は明確な悪意をもって”王子”に”復習”をするために作った薬だからだ
そやつの娘はその国の王子に手を出されたのだが、隣国の姫が嫁ぐとあっさり捨てられた
娘は妊娠していたが捨てられた事で気が狂い、子供共々死んだ
そして、同じ目に会わせようと父である男が”痛み止め”と称して服用させ続けた
すると嫁いできた王女は子はできぬ体になり、王子に嫁ぐものは等しく子が出来ぬ
数年後に男の薬が原因だとわかり、薬は違法薬つまり禁止薬になったのだ」
「もともと最初から解毒するつもりのない薬品でだから解毒方法がないのですね」
「そうだな、薬草も毒草も等しく量を間違えれば”毒にも薬にもなるっということだ”」
「それだと4番目の可能性が出てきますね
西の街だけではなく自分の利益の邪魔になる貴族には”痛み止め”と称して販売しているかもしれません
その場合はもっと被害がひろがりますよ」
「そうだな、俺とマスターでここの冒険社使って街に伝令に走らせる」
「わかった。俺らは西のマスターが来たら対応しておこう」
「よろしく頼むぞ」
俺たち五人は想像出来る限りの最悪な状況をメモに書き出して、事件解決の糸口を探す
今のところ乱獲された薬草の種類と作られたと予想した薬、それから西ギルドの状況などを予測しているに過ぎない
つまりは現在は悪魔でも予想というだけにしか過ぎないのだ
後は例の薬かどうかは多分師匠にしかわからないと言うことも視野にいれて会議を続ける
「例の薬なら俺もみたことはあるが、例の薬かどうかは主に検分してもらう方が確実だ
俺たちは常に主と繋がっているからな心配しなくてもいい。主ならいつでもここに来れるぞ」
「それを聞いて安心しました。流石の私も本でしか知らないものですからね」
「それでもあの本に目をつけるとは中々いいセンスしてると思うぜ
あの本を読むとお前らが散々やった”調合”の大切さがよくわかる
すべての薬に”調合レシピ”が存在するのは
その配合が体に悪影響が少ないと”実験と研究”を重ねたものだからだな
つまり”実際に使用し、効果を確かめた”ということだ
その事実ほど大切で信頼出来るものはない
ただ、どんな薬にも人によっては合う、合わないもあるがそれもまた薬と言うことだ
うちのマンドラゴラがそうだろ?種類によって育て方も必要なもの効き方も違う
それと同じで人間にも合う、合わないがあるって思っておけばいい」
「そういえばあの本はやたらに副作用の項目が充実してました
それは人によって起こる副作用があったからということなのでしょうね
一体どれだけの研究をすればあれだけの本が出来るのやら」
「我が主もその知人達も人の身でありながらその枠から外れた存在だからな
あの本もその片鱗を伺える代物と言うだけだ」
そんな話をしているとギルドの入り口で扉が開く音がした
音がした方を向くと、金色の長い髪と青い瞳をした端正な顔立ちの男が佇んでいた
彼は周囲を見渡し俺を見つけると
「私は西のギルドマスターでレオンという。ギルドマスターはいるか?」
「すまない、ギルドマスターは別の用事でここにはいねぇ
代わりに俺たちが話をするようになっている
俺は冒険者のルッツだよろしく」
「マスターは不在なのか・・それは困ったな
話をするにも冒険社の君たちじゃ・・・」
「あー、あんたがそう思うのももっともだけどよ、今回こっちにきた災害級の魔物を対処したのは俺だ
そういう意味ではこの事件の被害者であり、原因を知ってる。それじゃ不満か?」
「!!!君が魔物を対応した子なのかい?しかし、どうやって撃退したんだい?」
「撃退?そんな事はしてねぇよ。そもそもアイツは人間の言葉がわかる知能が高い生き物だぜ
だから普通に話をして何が原因だったか話を聞いただけだ
それでこの事件が発覚したわけだが、事はもっとヤバイことかもしれねぇぜ」
「それはどういうことだい?」
「それは今回の乱獲された薬草だけど、危ない薬を作る為の薬草じゃないかという疑惑が出ていてね
今は憶測に過ぎないからギルドマスターや他の冒険者が証拠集めや警告に奔走してくれてるところです」
「危ない薬?」
「ええ、僕の師匠の資料にあった製造を禁止している違法薬物の可能性がでてきたんですよ
その薬が王族や有能な貴族の手に渡れば最悪の事態を引き起こしかねないので」
「その薬とはなんなんだ?」
「堕胎薬ですよ。子供をおろす為の薬です。しかし、この薬痛み止でもあるため手に取りやすい
でも使用したら最後体に悪影響を及ぼし、今のところ治療が出来ない薬です」
「それがもし本当なら・・ここにきたあの子爵とその家族は違法な物を製造し、販売しているということですね
なんと言うことだ、私のいないうちにそんな事が・・・・
しかし、君のいう師匠はなぜその薬物の知識があったのですか?」
「俺たちの師匠は長生きだからな、既に600歳をこえてる
だから昔見たことがあり、危険な物として当時は製造するだけで死刑だったそうだ
で、師匠は念の為その薬の事を本にまとめていただけだ」
「・・・その情報が流出したという事はないのですか?または・・・」
「あーそれはねぇぞ。断言出来る
師匠は俺たちに薬の恐ろしさを徹底的に教えたからなそんな物を作るわけねぇ」
「そうですよ。それに、あの屋敷に侵入が出来ないのであり得ません」
「そうだな、あんな人外魔境に入る事なんてまず不可能だな」
「ましてや師匠の部屋に入るなんて夢のまた夢ですね」
「どうして無理なのですか?」
「「「「「ドラゴンが住んでるから」」」」」
「ドラゴン?ドラゴンとはあの西の森にいるあの赤い魔物と同じドラゴンですか?」
「むしろそのドラゴンよりもヤバイと思うぜ、な?」
「そうだな、確かに赤いのは強いが我には届かぬよ」
「なぜあなたが答えるのでしょうか???」
「我が赤いのと同じドラゴンだからだ」
「まぁ、とにかく主のいる屋敷に悪意のあるものが入るのは無理だ。ましてやただの人間なんかにはな」
「そこまでいうのでしたらとりあえずはあなた方のいうことを信じましょう
とにかく今はこの事件を解決することが先決でしょうね」
そしてこの後にすぐ、その恐れていた最悪の事態が発覚したのだ
なんと王族の血縁にその薬が渡ってしまったと連絡があった
リィーブスがすぐさま師匠に連絡をいれると、今度は突然魔方陣が現れて・・・・・
「はぁ・・また面倒な事になってきたね。薬は全く同じものかは不明だけどって、着いてたのか(笑)
みんなご苦労、さすがは弟子達!ちゃんと成長してるじゃないか
特にルッツとミハエル、よくやった!いい子だね♪」
赤と黒を使ったフリフリで少々派手な女の子服ととんがり帽子に一本の棒のようなものを持った格好で立っている
ふふふふ・・ゴシック系魔女っ子スタイルで決めてみたけど、驚いてる♪
黒い生地に赤いフリルやリボン、それからスカートには赤薔薇の刺繍が施されている
したには黒のドロワーズとパニエに編みタイツ、それからヒールの高い真っ黒なブーツととんがり帽子
本人の容姿のせいもあるが・・・中性的で男に見えないのである
(((((師匠!緊張感無さすぎ・・・!!))))
「主よ、珍しくその服装なのだな」
「ん?そうだよ、今日の僕は”魔女”だからね~
僕のいるこの国で違法薬物の製造とかさいい度胸だよねぇ~自殺願望でもあるのかな?
それに可愛い弟子にまで迷惑かけるとか・・喧嘩売ってるとしか思えないなぁ
なので、今回は魔女としてきつーいお灸をすえちゃおっと☆」
「あー・・ご愁傷さまだな。主が珍しく怒ってるぜ」
「それにしても懐かしい、我が主が”漆黒の魔女”と呼ばれていた頃を思い出すな」
「そうだな、あとは”誘惑の小悪魔”とか呼ばれてたよな」
「あーそれは僕の師匠が僕を女の子よけに女装させてつれ回してたからじゃん
その二つな結構恥ずかしいんだよね。お前に師匠が”魔王”とか呼ばれたせいで僕”リリス”って呼ばれるし
ってその話はじゃなくて・・とりあえず例の貴族の確保やら薬の回収は任せて僕らは行こうか」
「何処にですか?」
「何処にって城だけど?王子に報告しに行かなきゃだし、回収されたら最終的に城に来るだろ?
ならそれまでは城にいた方が何かと便利だし、何かあっても対応できるだろ
だから城にいくぞ。リィーヴスは弟子達をのせてくれる?
そっちのお兄さんは僕とシオンと一緒にこっちにのってね」
”よう、久しぶりだなリーヴス”
「お前か、よりによってお前とは主も中々面白い事をするな」
”だろ?聞けば今回はちょっとした復習なんだろ?今から楽しみだな♪
「お前というやつは」
「ノワール、城に向かってくれ。それと今日は多少遊んでもいいよ」
”クククク・・それは有りがたい。久々の下界だ、楽しみだなぁ♪”
見た目はウルフカットの黒く短い髪にルビーのような真っ赤な瞳で好戦的な野性味溢れる男がいる
服装も騎士のようなリィーヴスと違い、耳にはたくさんのピアスとシーフのような軽装をしていた
リーヴスと同じ黒いドラゴンだが・・温厚な彼とは違い少々悪そうな性格のやつが出てきたのだ
「師匠の二人目のドラゴンか・・・」
「お?お前らが噂の弟子か。俺はノワールってんだ、よろしくな♪
さてと・・とりあえずギルドの裏手にある広場から飛ぶか」
「そうだな、それがいい。表の通りだとなにかと面倒だからな」
「ノワール?」
「ああ、”宵闇の黒蛇竜ニーズヘッグっつー黒竜だ”
リィーヴスとはまた違う種のドラゴンだがな
まぁそれはさておき、そろそろ行くぞ」
リィーヴスとノワールは元のドラゴンの姿に戻ると僕と弟子達を背中に乗せて飛び立った
突然大きなドラゴンが2体。しかも、黒竜・・・
バサバサと大きな羽を羽ばたかせて上空に舞い上がった
幸いにして皆ドラゴンを見て驚いてはいるのだが、背中に人が乗っているのを見て誰もがほっとしているようだ
「えーっと皆さん、お騒がせしてすみません
この二人のドラゴンは僕の契約魔獣なので安心してくださいね」
一応したにいる人々に声をかけると、皆が目を見開いて驚いていた
あはははは、驚いてるー。僕は皆にじゃーねー☆と声をかけて城へと向かった




