高松、部屋を見る?
高松は、アパートを見に行くみたいです。
日曜日、高松は加藤先生の知り合いの不動産に行く。新しいアパートを見る為である。
いつもの駅に着くと、橘と鈴木先生が待っていた。
「康介さん、遅い!」
「私は待ってる時間も楽しかったので、大丈夫です!」
「???……2人は何で居るの?」
「康介さん1人じゃ寂しいと思って!」
「1人より2人の方がいいじゃないですか?」
「3人になってますよ?」
高松は、土曜日の勉強の時に橘に話していた為、橘は朝からこの駅で待っていた。
鈴木先生は、映画のチケットは山田先生に押し付け、自分はこの駅で高松を待っていた。
「……とりあえず、行きますか……」
「「はい!」」
高松は不動産に向かった。
不動産に着き、高松は中に入っていく。勿論、橘と鈴木先生も一緒にである。
「いらっしゃいませ!」
「電話した高松です」
「ああ、高松さん?…担当する白石です!」
「お願いします…」
「そちらは?」
「康介さんの彼女の橘アリスです!」
「高松さんの本命の鈴木由佳です!」
「!!……高松さんは真面目な方とお伺いしてましたが……」
「……本気にしたらダメですよ………余り相手にしなくて大丈夫です……」
「「酷~い!」」
とりあえず高松は、白石にアパートまで案内して貰った。
アパートはなかなかいい物だった。部屋は2DK、トイレ·バスは別々に付いており家賃は3万5千円、かなりの掘り出し物である。
橘と鈴木先生は事故物件を疑ったが特にそのような事も無く、高松はすぐに契約し、7月より住む予定にした。
高松達が不動産を出る。
「高松君!」
振り返ると沢村の母親が居た。
「何してるの?」
「アパートを探してまして……」
「鈴木先生と……そちらのお嬢さんと?」
「成り行きです……」
「高松さんも、1人では心細いと思いまして!」
「康介さんに付き合って上げてるんです!」
「はいはい………そういう事にしておきましょう……」
「で、アパートは決まったの?」
「はい、決まりました」
「だったら2人の用事は終わりね!…高松君、ご飯行こ!」
「「!?…ダメです~!」」
「何で2人が答えるの?」
「ダメな物はダメなんです!」
「高松さんは、これから私と食事に行くんです!」
「違うよ、私と行くの!」
3人のやり取りを見ていた高松は、右手で頭を掻いた。
「康君?」
高松は声の方を向いた。
「やっぱり康君だ……どうしたの?」
「いや、色々ありまして……何で康君と呼んでるんですか?」
「仕事場じゃないんだし、いいじゃない!」
「ちょっと~、由美のお母さんまで康介さんにちょっかい出すの?」
「あら、アリスちゃん……康君にちょっかい出しちゃいけないかしら?」
「高松さんが困ってるでしょう?……高松さんは優しいから、あんまり困らせたら悪いですよ…ここは、高松さんが1番好意を持ってる私が一緒に食事に行きます!」
「何言ってんのよ!…高松君は私との縁の方が深いんだから!……私は高松君と高校の同級生よ!……しかも、高松君の初恋の相手!」
「だから何?……私は康君の元彼女よ!…今も同じ職場なんだから!」
「2人共、子供が居るでしょう?……その点私は独身ですから!」
「私だって独身だもん!」
「「「あなたは子供でしょう?」」」
「酷~い、康介さん、みんながいじめる~!」
「はぁ……とりあえず辞めて下さい……沢村さん……」
「離婚が成立したから、酒巻です!」
「分かりました、酒巻さん」
「はい!」
「あなたは野球部の松島と付き合ってたでしょう?」
「!?」
「それに本田さん……」
「何?」
「元彼女ですからね……今は職場が同じなだけです……」
「それは酷くな~い?」
「酒巻さんに本田さん、あなた達は私を振ってるんですよ……惨めになりますから、変な自慢をしないで下さい」
「「すいません……」」
「や~い、怒られた~!」
「橘さん、あなたも言い過ぎです……少しは控えて下さい」
「……ごめんなさい……」
「もう、みんなダメですね!」
「鈴木先生、あなたも同類です。冗談も過ぎれば嫌味ですよ」
「え~、私は冗談じゃないのに~!」
「鈴木先生……返事は?」
「……はい、分かりました~……」
「ということで、気分転換にみんなで食事に行きましょう……この近くに焼肉屋さんがあった筈です」
「私、そんなにお金な~い……」
「誰からも取りませんよ、私の奢りです。契約金が思ったより安かったですからね」
『ありがとう!』
みんなで焼肉屋に向かった。
焼肉屋ではなかなか楽しい時間になった。
「康君、やっぱりよく食べる人が好きなの?」
「そうですね」
「康介さん、言ってたね!」
「でも、付き合ってた頃……4kgも増えたんだよ!」
「…それは気が付きませんでしたね……」
「まぁ、そこがいいんだけどね!」
「食べる事は基本ですからね……遠慮されても困りますし、それでは、私に気を使ってるって事でしょう?……それは嫌ですね」
「へ~、高松君てそんな感じなんだね?」
「変ですか?」
「ううん、何かいいなって思って!」
「そうですか?」
「成る程、高松さんは食べる人が好きなんですね!……よ~し……」
「無茶は辞めて下さいね」
「そういえば、高松君、高校の時に早弁して怒られたよね!」
「確かにありましたね」
「食べないと勉強が頭に入りませんて言ってたね!」
「あの後、山中先生にかなり怒られましたよ……」
「あっはっは、高松君、あの頃から意外な事言ってたよね!」
「そうですか?」
「康介さん、昔から面白かったんだね!」
「そんな気は無いんですがね……それより、ご飯を食べましょう。遠慮無く注文して下さい」
『は~い!』
それぞれが食べたい物を頼み、満足するまで食べた。
ここで高松の誤算が出た。
みんなは細身であった為、高松は甘く見ていたが、会計の時、
「合計で44630円になります!」
という一言で、出した言葉を少し後悔した。
しかし、全員が満足そうな顔をしていた為、高松も満足の方が強く、何だか楽しかった。
食事の後、高松はみんなと別れて電車で現在のアパートに向かった。
駅に着くと、スポーツジムに行き、体を鍛えてからアパートに戻った。アパートに戻った高松は、昼寝のつもりで横になったが、起きると20時になっていた。
何となく、大変で面白い1日だったと高松は思った。
いつも大変そうですね。




