25/100
間話 柱一本目
黒耀城、回廊。
ドン。
黒大理石の柱に、ヒビが入る。
「……クソ」
ヴァイレンは拳を引いた。
「またか」
背後から、静かな声。
「城を壊すな」
「壊してねぇ」
「壊れている」
振り向かなくても分かる。
レイゼンだ。
「修繕班が泣いていたぞ」
「知らねぇ」
レイゼンは、ひび割れた柱を見上げる。
「戦か」
「違ぇ」
「赤か」
「違ぇ」
「武官見習いか」
ヴァイレンが止まる。
「……は?」
声が一段低くなる。
レイゼンは平然と続けた。
「今日、あれは兵に礼を言われていたな」
「別に」
「笑っていた」
「だから何だ」
沈黙。
レイゼンは小さく息を吐く。
「柱に当たるな」
「気が散るなら、本人に言え」
「何をだよ」
「知らぬ」
それだけ言って去る。
ヴァイレンは、しばらく立ち尽くした。
(……笑ってたか?)
思い出そうとして、
思い出して、
またムカついた。
「クソ」
今度は、殴らなかった。
柱シリーズはお笑い回になります。
早くコメディに振り切りたい。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
面白い、続きが気になると思われた方は、ぜひ下にある【☆☆☆☆☆】評価&ブックマークで応援をしていただけると嬉しいです。
感想もお待ちしております!




