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「おせっかいな君とアイス」




ねえねえ そこのキミ?




うん そう。 

眉間にシワを寄せて

さっきからブツブツ言ってるキミだよ。


なんか負のオーラ出てるよ?

どしたの?


……え?ほっとけ?


ん~ そっかそっか

いきなり「知らないヤツ」に声かけられても、だよね?


ここんとこずーっとここにいたんだけどね。

キミの様子が気になっちゃってさ。


だって毎日毎日暗ーい顔して座ってたら

そりゃあ…ね?心配にもなるよ。




じゃあ ほら

これあげるよ。 アイス。

今そこで買ってきたからさ。

ここの美味しんだよ?

大丈夫だって。

毒も薬も入ってないってば。


ナンパか勧誘かって?

ちがうちがう(笑)

誰かを呪い殺したいって感じの顔してんのに

ナンパも勧誘なんかしないってば。



僕の手が冷たい?

……そりゃあアイス持ってるせいでしょ?

さ そんな事はいいからさ

早く食べないと溶けるよ?






ほらね?

ここのアイス、美味いよね。 

  

え?前も食べたことあるって?

あーそうなんだ?

じゃあ、これで「アイス仲間」だね?


……ヤダなあ。

騙すとかしないってば。

アイスも奢りだから心配しないでよ。


で、さ。

なんでそんなに暗いの?








はぁはぁ。


ふんふん。


あららら。


ええええ?







……うーん そっかぁ。

そりゃあキツかったねぇ。

呪いの言葉の1個や100個

浴びせたくなるの、わかるよ。


……え?そうじゃなくて?

もう振り切ろうとしてるのに?

いつまでもその事が頭から離れなくて?

そんな自分が嫌になる?


あ~……なるほど。







……あのさ。


1個だけ おせっかい言うね?





死んじゃだめだよ?

今すごーくキツいの 分かるけどさ。









未だにその時浴びせられた言葉が

君の心に突き刺さって抜けないんだよね。

それは痛いよね。


けどさ。

まだまだキミの見てる世界は、狭い。

これから先も 多分しんどい事いっぱいある。

でも良かったと思える事もいっぱいあるはずなんだよ。




君はきっと大丈夫だよ。

だってちゃんと振り切ろうとしてるじゃない?

「まだできてない」ってだけでさ。


そう思えるんだから、前にもう一歩進もうとしてるよ。




……ありゃりゃ泣いちゃった。

でもさ。涙は悲しみも流すって言うじゃない?

いいよ。泣いたって。

でもアイスが溶ける前には泣き止まないとね。


え?塩味がするの買ってくるな?

それ僕のせいじゃないよね?







さて、アイスもなくなったし。

君もちょっとだけ良い顔になったね。

じゃあ そろそろボクは行くよ。

キミも元気で頑張ってね。





ん?なんか聞きたいことあるの?

なんで私なんかに声かけたの?って……


まぁ、さっき言った通りだよ。

ほっとけなかったんだ。




……………え?

また会えるか?って?


んーどうだろう?

そう言ってくれるのは嬉しいんだけど

もうボクは行かなくちゃいけないみたいだ。

きっと心配な事が解決したから、かな?


ほら、体が透けてきただろう?

うん、多分あの世に行くんだよ。

キミはまだ来ちゃだめだよ?




……ああ。

一つだけ謝っておかなきゃいけなかった。


ボクはさっきウソをついた。


多分、ボクは君が好きだったんだよ。

だから、君をほっとけなかった。

本当は、そういう事なんだ。

ごめんよ、嘘ついちゃって。


でも、最後の「恋」をありがとう。


じゃあね。

君は笑ってる顔の方がいいよ。







そう言って彼は消えて行った。

どこの誰か、名前も言わずに。


ずるいよね。


勝手に好きとか言って、勝手に人の心に跡を残して。


でも、ありがとう。

アイスと君の姿はなくなっちゃったけど

一緒に私の心の棘も溶けちゃったよ。


君のおかげで、私はもう大丈夫だよ。

またいつか、アイスおごってね。









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