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「極秘オペレーション「お弁当」はオフィスデスクの下で 」




カタカタカタ……




 モニターの向こうで、キーボードを打つ音が聞こえる。ちらっと見える向こう側にいる女性と、一瞬目が合う。彼女は素知らぬ顔でまた作業に戻ったけど、僕は手元に置いてあったカップを手に取り、少し冷めたコーヒーを飲む。


 紅のどが渇いているわけではない。

 そうでもしないと、思わず緩んでしまった口元を隠せないから。


 向こう側の女性───「苑香(そのか)」は、実は僕の彼女だ。けど、付き合っている事は皆には内緒にしている。




 なんでかって?


 ウルサイんだよ。

 オツボネ様とかオッチャン達が!

 下手に知られたら、事あるごとにあーだこーだとお節介をやきに来るに決まってる。だから黙っとこうって事にしたんだけど……




 まあデメリットもあるよね。

 少なくとも会社の中で一緒にランチタイムを過ごす、なんて出来やしない。でも「出来ない」と思うと、なんだか余計にしたくなる。


 んでもってここ最近の願望は、「手作り弁当が食べてみたいっ!」という、なかなか困難なモノ。当然人前で「ハイ、どーぞ♡」なんて貰うわけにもいかない。そんな願望を満たされないまま過ごすのは、結構辛いものがある。


 

 で・も!



 それをどーにかクリアする方法を思いついたんだ。それは「お弁当を机の下で受け渡す」という方法。先程こっちは机の下にモノが落ちたフリをして何気な~くお弁当を受け取ったのだよ!


あ~早く昼休みにならないかなあ……!



 

 ───キーンコーンカーンコーン───




 よし来たぁ!待ってましたぁ!


「あら珍しい。お弁当持ってきたの?」


「どうした?給料日前でフトコロが寂しくなったか?」


 うわぉ。

 こんな時ばっか目ざといな!


「はは。まぁそんなとこっすねー」


 苑香がなんか心配そうにこっちを見ている!

 大丈夫……なハズ。いくら何でも後輩の弁当に手を出すなんてそんな学生みたいなことは……


「お。この玉子焼き美味そうだな?どれ、味見してやろうか?」


 イカーン!

 この玉子焼きは絶対にシシュだ!

 っつーか、どれも何もやるつもりはねぇぇぇ!


「やらないっすよ!これは頑張って作って(もらって)楽しみにしてたんだから!」


「おっと?わかったわかった。若者のメシをとっちゃダメだな」

「そうそう、ほら社食行くわよ?」

「はいはい。邪魔しないからゆっくりくっとけよー」


「うぃーーーっす」


 ……ふぅ。危なかった……!




 ゆっくりと苑香特製のお弁当を堪能し、お弁当箱を洗ってデスクに帰ってきたら、スマホにメッセが入っていた。

 

 ん?苑香から……?


「どうだった?」


 どうだったも何も……


「うまかった。またいつか、楽しみにしてるよ」……送信、と。

 

 ピコッ!

 おっと?返信早いな!



「次は何がいい?」


 んー……そうだなぁ。

 ぶっちゃけさ、こっちのことを思って作ってくれたのなら、なんでもいいんだけどね。


 だから僕のオーダーは……


「おむすびがいいかな?苑香の愛情がたーっぷり込められたやつ」


 ピコッ!


「ふぐうッ?」


 そのメッセを見た瞬間、苑香がなんだか妙な声を出して顔を伏せたかと思うと、プルプル震えながら真っ赤な顔をしてコッチをニラんで来る。




 その顔も可愛いよね。

 次も楽しみにしていまーす!








………今思ったんですけど、お昼のチャイムって、他の所は鳴るんですかね?




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