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天使が通る  作者: 彰良 恵
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校内装飾係

 校内装飾係。

 各クラスから1名ずつ選出され、行事時においての校内装飾、及び部活動全体を管理する。

 部活動や委員会とは独立した1つの組織としてそれらの枠組みにとらわれず、厳粛かつ公明正大な心で、芸術祭の審査員に任じらるものとする。また、仕事の1つに、大規模な部活動の補助なども挙げられる。

 —要するに、部活動や同好会に所属しない暇人を集めた、面倒な雑用を押し付けられる、学校にとっての便利屋集団というわけだ。


 高校一年生の春。

 特に興味が持てなかったのと、ただ面倒だから、という理由だけで、このやたら部活動が盛んなこの学校において無所属を選択したのが、僕の運のつきだった。


 校内装飾係になるための条件はたったひとつ。“無所属であること”。

 気づけば、クラスで無所属なのは僕だけであり、僕が校内装飾係となるのは、もはや必然だった。


 僕は2年生になった今でも、どうして何か部活動に入らなかったのかと悔やんでいる。そんじょそこらの幽霊部員よりも、僕の方がよっぽど「活動」というの名の強制労働をさせられているはずだ。


 そして今も。

 僕は校内装飾係の活動として、来月に行われる演劇部の秋公演宣伝ポスターを貼りながら、校内を歩き回っているのである。



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