公園を歩く
公園に到着した二人は宝玉の探索を開始する。
昨日、ルキエナを発見した時とは違い、休日の日中ということもあり、多くの人たちが来ていて、それぞれの休日を過ごしているのが見受けられた。
「それじゃあ宝玉の気配を探ってみます」
目をつぶって精神を集中させるルキエナ。
すると、ルキエナの全身が光りはじめる。
「ちょっ!?」
あまりに目立つその姿に恭一が焦って周辺を見回すが、誰もルキエナに注目したり驚いている様子はない。
恭一は自分以外はルキエナの姿が見えていないことを思い出す。
「焦った、やっぱり姿を消してもらって正解だったな」
恭一はそう呟くと、ルキエナの姿を眩しそうに見守った。
光が消え、ルキエナが再び目を開ける。
「やはりこの近くに宝玉の気配がありますね」
「この公園内にありそうか?」
「おそらくは……」
「そっか、早速探してみるか」
「ええ、そうしましょう」
「具体的な方向とかってわかるか?」
「うーん、何かに覆われているのかもしれませんね。反応が近くにあるのは確かなんですが、ぼんやりとしてます。反応はあっちの方ですね。」
ルキエナがそう言いながら指差す。
「そっちは噴水広場とか東屋とかがある方だな。行こうか」
恭一達は、ルキエナの指差した方向に歩き出した。
木の枝に引っかかってないか確認したり、芝生の間に埋もれてないかじっくりと見たりしながら歩いていると、時々近所の知り合いとすれ違って挨拶を交わす。
キョロキョロとあちこち見ながら歩いているので挙動不審にみえるのか、恭一の事を訝しげに見て首を傾げながら去っていくのをみて、恭一はとても恥ずかった。
「これだけ人が出てると、誰かが持ち去ったりしてないかな?」
「でも、反応が近づいてますからこの辺にあるのは間違いないですね」
「ふーん、でも宝玉ってことは光ってるんだろう? カラスかなんかが巣に持っていったしてな。この辺に巣があるかどうか知らないけど」
「うーん、そうなると回収は大変になるかもしれませんねえ。でも鳥の巣にあるっていうのは(何かに覆われている)っていう条件にあてはまるんですよね」
木の枝に鳥の巣がないか見上げながら二人が会話していると、
「何空見上げてブツブツ言ってんのよ?」
と声をかけられた。
聞き覚えのある声に恭一が慌てて振り返る。
首にタオルをかけ。オレンジのTシャツにデニムのショートパンツの見慣れた姿の少女が目に映る。
「見晴!」
「何、あんた買い物に行ったんじゃなかったの?」
「いや、天気がいいから寄り道してたんだ」
「ふーん……どうでもいいけど、あんた空見上げてブツブツ独り言言っててなんだか不気味だったわよ?通報しようかと思った」
「う……」
恭一がルキエナと会話しているつもりでも、周りの人間にはルキエナの姿が見えず声も聞こえないので、恭一が延々独り言を言っているように見えるようだ。
その姿を想像しながら内心ヘコみながら、恭一は話題を変えようとする。
「そ、それよりもなんかさっきからよく合うよな? 俺のこと付け回してるんじゃないだろうな?」
見晴が慌てた様子で顔を赤らめながら答える。
「ば、馬鹿いってんじゃないわよ! ランニングよランニング! 見てわかるでしょ!?」
そう言って見晴が首からかけたタオルで顔の汗を拭き取る。
「じゃあね! 見ててキモいから独り言なんてやめなさいよ!?」
捨て台詞を残して見晴がランニングを再開して走り去る。その背中を見つめながら恭一がウアルフェに小声で話しかける。
「なあ……本当にただ公園を走りに来ただけだとおもうか? どうも尾行されている気がするんだけど。」
「さ、さあ? どうなんでしょうね」
一抹の恐怖を感じながら、二人は走り去る見晴の背中を見送った。
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