夏至とその次の日
ドラゴンを真っ二つくらいは書きますので残酷描写あり?
夏至の5日後、その半端な日を一年間ずっと待ってたんだ。
ぼくはクリス。貴族じゃないので名前だけ。
タルム村のクリス12才です。
この世界ブリュンワルトにはいろんな種族が住んでいるけど、ぼくは人族人。
つまり一人だと、どこが強いってわけじゃないけど、集団になれば他の種族を圧倒する人族の人。
難しいけど母さんに去年もらった本にそう書いてあるんだ。僕の宝物だよ。
他に人族は修羅とか夜叉とか仙人とかいるんだって。見たこと無いけどね。
あと人族以外に妖精族とか獣人族とか本に載ってるんだぞ。すごいでしょう。
タルム村は北の人族の国ノルトの王都の西、バイピクス山の北側にある、森に囲まれた小さな村です。
バイピクス山の東側には太陽の神殿があって、年に一度、神の山バイピクスに沈む夕日を祭って、夏至祭りをするんだ。王様だってくるんだぞ。ぼくは行ったことが無いけど
ぼくの父さんと母さんは行商人で、一年の最後に夏至祭りで商売をしてから5日後に村に戻ってくる。
1日だけしか村にいないけど、仕方が無いんだ。だって村には売り買いできるようなものが何にも無いもの。
寂しくなんか無いぞ。毎月手紙がちゃんと来るんだ。ぼく賢いんだ。賢いんだよ!
夏至の日、ぼくはおじいちゃんのお墓に白い百合の花をいっぱい飾った。
去年の夏お父さんたちが出発した次の日に毒蛇にかまれちゃったんだ。
お父さんたちに知らせたかったんだけど、手紙をどこに送っていいのか分からなかったんだ。
その日からぼくはひとりでおじいちゃんの畑を耕して、森で狩りをして、なんとかなるもんだよ。
村の村長さんがうちへ来なさいって言ってくれたけど、ぼくが畑とお家を守らなくっちゃね。
はやくお父さんたち帰って来ないかな。
夏至の次の日、竹で作ったショートボウを持って山に入った。
お父さんとお母さんにいのししのハム食べさせてあげるんだ。捕れるようになったんだぞ。
ロングボウをつかいたいんだけど背が低いし、手が短いしまだ使えない。
力が無いから引けないんじゃないんだぞ。早く大きくなりたいな。
でもその日は朝から森が変だった。
鳥の気配が無い。リスやウサギもいなかった。
そんな日は魔獣が出るかもしれないので、狩人は猟を中止するのをぼくは知らなかったんだ。
ぼちぼち始めます。
ご指導よろしく~