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No.95:弾切れ



野中『5点リードだろ?もうこりゃ決まったも同然か。』

川越『いや、案外大場もキテるっぽい。マウンドまで上がる速さがちょっとずつ遅くなってきている。そーゆーところに残りのスタミナが表れるものさ。』


野中『さすが。全国制覇経験者は違う。』



大場『ふうっ…。あともうひと踏ん張りだ…。』



ビュウッ!!!!!!

西口(まずい!!少し中に入ってきた!!)


渡辺『見てろよ。ヤス。俺らは勝ってまたお前をマウンドに上げてやるからよ!!』



カッキイィィーーーッッッーーッン!!!!!!!





大場『くそ!!!』






ゴーン!





『入ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!5点を追う猪子石高校の延長14回の裏、先頭の4番渡辺一紀の今日2本目!!!!!自身今大会これで7本目!!!!!!!!!享神の桜沢の6本を抜いて今大会現時点での最多本塁打!!!!!そしてこの7本目が夏の愛知県大会記録タイ!!!去年の桜沢の記録した7本に並んだ!!!!!!これで12-8!!!!!4点差!!!!!!!!まだまだ猪子石も諦めない!!!!!!!!』







…



……



…







『フォアボール!!!!!!!!!!代打の藤川(ふじかわ)が11球粘ってフォアボールを選んだ!!!!!!!満塁!!!!!!5番坂本成生、6番の伊藤の連打、そして代打の2年生藤川のフォアボールでノーアウトフルベース!!!!!!!これでまったく試合の行方は分からなくなった!!!!!!!!!!!』



大場『くそったれ…。14イニングって…こんなキツいのか…。』

片野『大場の球数は?』


木村『244です。』



西口(投手の駒がないうちにとってこの試合は勝たなきゃいけない。再試合じゃダメだ。投手層が違いすぎる。ノーアウトフルベース。打順は途中出場の8番。絶対にアウトをとらなくては…。同点にされなけりゃいい。とりあえずアウトが欲しいが…)


大場『てかマウンドの上…暑い…。風ひとつ吹かねえし…焼けるぜ。体が…。』


『8番、レフト、井上くんに代わりまして、代打、舘(たち)くん。』


『さあ猪子石高校、ここでさらに代打、2年生の舘を出してきました。今大会の成績は5打数4安打!!』


西口(代打かよ…。情報がない分厄介だ…。)




大場『はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…。』



副島『翔真!!ど真ん中でいい!!打たせろ!!!!』

松坂『腕振ってけよ!!!!!!!!』

氷室『余裕もって!!!!!!ローボールで!!!!!!』

島谷倫『自信持て!!!打たれても守ってやるよ!!!!!』


西口『翔真先輩の体力ももう相当やばい。唯一の救いは…まだみんな元気なこと。こればっかは野手の助けが必要だ。翔真先輩一人じゃ絶対に無理。』




『代打、舘に対し注目の初球…』


『『投げる!!!!!』』


西口(ゴロを打たせたい。下村フォークの曲がりの少ないタイプでいく!!)



ビュウッ!!!!!!!!!



大場(リリースは完璧!!…え!?)


西口(落ちねえ!?)


舘『失投か!?初球を叩く!!!!!』




カキーンッ!!!!!!




西口(まずい!!三塁線がら空きだ!!)




バシッ…!!!!!!!!




大場『ケンスケ先輩!!!!!!!』


松坂『おしゃあ!!!まずひとつな!!!!!』



『アウト!!!!!!』



『代打舘の打球が三塁線を痛烈に襲いましたがサードの松坂健祐、見事なダイビングキャッチ!!!そしてそのままサードベースを踏んでワンナウト!!!!!!猪子石高校一点を追加!!!!!!尚ワンナウト一二塁で9番の今日無安打の日根野谷(ひねのや)くんを迎えます!!』



『9番、ショート、日根野谷くん。』




西口(助かった…ホントに。今のが抜けてたら…考えるだけでゾッとするぜ…。だが今のフォーク…全くといっていいほど変化量がなかった…。もう下村フォークは使えないか…。いや…もう1球試すか。)


西口が下村フォークのサインを出したが大場は首を横にふった。


大場(ここは普通に自己流のノーマルフォークでいかせてくれ。下村フォークはもう安定しない。それほど難易度の高い球種なんだ。)




下村健『もうさすがに俺のフォークは使えないな。あれは握力の他にリストの強さと残りの体力。指先の感覚とか、いろんな機能が強靭な状態じゃなきゃ制御できない。ましてや延長14回。俺でもこんな展開では使用するのは難しい。ましてや覚えたての大場。体もフォークの多投は無理だろう。』

長岡『お前、そんなすごい球投げてたんだな。』

下村健『え。今さら?お前ショートのポジションから見てなかったのか?』

長岡『ああ。てかピッチャーの投げる球とか興味ないし。打つ瞬間だけテキトーに見て守備してたし。』

下村健『まじか。(笑)』




『さあ大場が9番日根野谷に対し第1球、投げる!!!!!』


ビュウッ!!




日根野谷『えぇ!?』


ガツッ!


西口(翔真先輩…もしかして…)



日根野谷『いてて…』



『デッドボール!!!!!!!』



西口(指先の感覚がなくなるほどの疲れを!?)


『9番日根野谷にデッドボール!!!フォークのすっぽ抜けでしょうか。これでワンナウトフルベースで打順はトップへ!!!!!!!!』


『1番、サード、根本くん。』



根本『勝てる…。後ろに繋いで同点どころか一気にサヨナラに持っていってやる。』


西口(この場面で根本(コイツ)か…。厄介だ。猪子石で最も何でもできる男じゃねえか…。しかも選球眼も抜群。ただ…逃げるわけにはいかねえ。)




大場(ここにきてウイニングショットの下村フォーク、ノーマルフォークの両方弾切れかよ…。あとはカーブとストレート…。)



根本(ヤスがベンチに下がっちまって代わりに守備についた長沢が次のバッター…。多分代打が出ると思うが控えにはあと…平野(ひらの)と磯松(いそまつ)。それに1年の小竹(こたけ)くらいか…。低学年にこの場面はキツい…。俺がなんとしても打たなくちゃ…。



クリーンナップまで回れば可能性は5割以上!!!!!!!!)






大場(とりあえず低めに変化球を集めてゴロを打たせたい…。あとはみんなに任せる…。高めは絶対にダメだ。)


根本(もうフォークは使いづらいだろ。ならあとは直球とカーブの2択。俺がピッチャーだったら…)


(体力消費の少ないカーブで、ゴロを打たせたいな!!!)



西口(タイミング…あってるぞ!!いや、でもストライクからボールになるカーブ!!打ったとしても大丈夫!!撃ち取れる!!!!)



スカーン!!





『ピッチャー返し!!!!!!』


大場『ぬあっ!!!』



『抜ける!!!!!!!!打球はセンターの前!!!!二塁ランナーはどうするか!?いや、止まった止まった!!!』



根本『しゃあ!!』

『低めのボール球をうまくセンターに弾き返してもう一点返した!!!!これで12-10!!!!!点差は僅かに2点!!!!!!!尚ワンナウトフルベース!!!!!!!』







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