No.67:エースの我が儘
『『フォアボール!』』
氷室『クソっ…。』
朴昌圭『ヨシ…。』
『これで2者連続のフォアボールで、ノーアウトフルベース!ここでバッターは…6番の非常にチャンスに強い今日タイムリーを放っている野村!』
『6番、レフト、野村くん。』
西口『タイムお願いします。』
邦南の内野陣がマウンドに集まる。
西口『バテてきたか?』
氷室『そ、そんなんじゃねえよ!』
西口『いや、球が明らかに浮いてきてるし。』
氷室『むむむ…。』
大場『あのさー…。』
西口『どうしたんですか?』
大場『さっきは、悪かったな。一人で切れちまって…。』
氷室『まあ…ね。』
大場『こんな俺がエースで情けないと思ってる。だけど…今…今だけ俺の我が儘…聞いてくれねえか…?』
西口『…。』
大場『ダメ…か…?』
氷室『大場先輩。』
大場『?』
ポイッ!
氷室が翔真に向かってボールをトスした。
氷室『あとは任せました。一点ビハインドのこの場面…。もう一点もやれませんから。打たせてとる僕のピッチングでも限界がありますし、最初より打ち取れる率は低くなってきましたし。』
大場『氷室…。』
島谷倫『頼んだぞ。エース。』
松坂『今度は絶対抑えろよ。』
西口『その代わり…』
氷室『絶対抑えてくださいね。』
西口『じゃあ踏ん張るぞ!一点もやらねえぞ!』
『『『 おう!!!!!!!! 』』』
『邦南高校、シートの変更をお知らせします。』
↓守備位置の変更↓-----------
氷室:1→3
大場:3→1
-----------------------------
ザーザー!!!!!
バシーン!
バシーン!
翔真が投球練習を始める。
『いやーまた雨が強くなってきました。ここ瑞穂市民球場。』
大場(雨の場面はもう既に経験済みだ。)
バシーン!
西口(やっぱり…さっきよりはコントロールは少し安定しているが、ボールは走ってないな…。やっぱいつもの大場先輩じゃない…。)
『プレイ!!!!!』
バシーン!
『ボール!!!!!』
大場(落ち着け…。落ち着け…。)
2球目…
ビュッ!!
野村(甘い!!ど真ん中!!)
カキーーーーッッッッーーッンッ!
『とらえたーっ!!!!!!!大きな当たりだ!!!!!!!!!!レフト追う!!レフト追う!!!!!!』
木村『クソォォォ!!!!!!!!!!!!』
野村の放った大飛球、どうなるのか!?
次話に続く→