No.66:師弟関係の始まり
ピンポーン!!
『はーい!』
鬼頭が翔真の家のインターホンを押すと、翔真の母が出てきた。
『どうしました?』
『大場くんいらっしゃいますか?』
とりあえず単刀直入に聞いた。
すると、
『ごめんね~今ちょっと留守してて。』
どうやら翔真はいないようだ。
『わかりました。ありがとうございます。』
(また明日来るか…。)
とりあえずエレベーターで地上に降りて、自転車に乗って帰る。
そして5分ほど自転車を漕いでいて、公園の横を通りすぎるとき…
バシーン!
『ナイスボール!』
『うわーはえー!』
野球をしている人間が3人。
若干遠くからだったのでよく見えなかったが、もう1球投げた瞬間、
(大場だ!)
そして歩きながら近寄る。
3人いて、一人がピッチャー、一人がバッター、そしてもう一人がキャッチャーをしていた。
鬼頭『ちょっといいですか?』
大場『はい?』
もう二人も翔真の元へ駆け寄る。
そして今駆け寄った二人の防具をつけてキャッチャーをやっていた方は、西口拓磨。バッターをやっていた方は、小宮哲都。
鬼頭『おまえ…大場だろ?』
大場『は、はい。』
鬼頭『何から話したらいいかわかんねえんだけど、単刀直入に言うよ。』
大場『…?』
鬼頭『俺は南阪小の3番エースの鬼頭だ。1回戦でお前らを倒した。それでだ、おまえ、南阪中を受験してくれないか?』
大場『え…南阪の3番エース!?』
鬼頭『ああ。俺たちは試合には勝ったが、おまえとの勝負には負けたと思ってる。それでだ…。今年の冬、南阪を受験してくれないか?』
大場『え…でも…』
鬼頭『もちろん私立だし色々とお金も掛かるところが出てくるだろう。でも…おまえ…俺たちと一緒に自分を磨いてみないか?おまえはプロも狙える素材を持っていると思っている。だから今年の冬…』
大場『あの~。』
鬼頭『ん?』
大場『話が進んじゃってますが、俺、今年の冬受験するなんて無理です。』
鬼頭『どうしてだ?なんなら色々と…』
大場『そうじゃなくて、俺、小学校5年生なんで。』
鬼頭『え…?』
大場『だから、今年の冬は受験できません。』
鬼頭(俺たちが20三振も食らったやつ…5年生だったのか…。こりゃマジで欲しい逸材だぞ…。ただ、学校の関係者を絡ませるのも面倒くさいし…、しかし来年小6だろ…。無名の照丘小で才能潰されるのも最悪だし…うーん、よし…まあ急がば回れってことで…。)
鬼頭『これから一年、俺がおまえの自主練、付き合ってやる。』
大場『え!?ホントですか!?南阪のエースの人が!?ヤッター!!』
鬼頭『おう。約束する。』
大場『じゃあこの二人も一緒に自主練やっていいですか!?』
鬼頭『ああ。多い方が楽しいしな。』
ちなみになぜこの二人がいるのかというと、小宮は住んでいた家が火事でなくなり、いとこである大場家に引っ越してきた。西口は父親の仕事の都合で引っ越してきている。
鬼頭『じゃあいくぞ!』
『おー!』




