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No.296:迷惑

ミーティングが終わり

ホテルの廊下にて。




副島『なんかあそこまで強すぎるデータだとな…。』

松坂『なんか吹っ切れるってか、逆にやりやすいよね。』




島谷倫『明日は決勝やで。考えられんなぁ…。』



松坂『お、そーいえばそろそろニュース番組、報道駅の時間ちゃう?』



鬼頭『熱湯のように熱い!甲子園!は12時過ぎだからなぁ。報道駅観るか…。今日はあんま活躍できんかったけど。健祐のサヨナラ打、もう一回観たろ。』


松坂『略して熱湯甲子園な。あのニュースキャスターの長嶋ながしま 四奈よなさん、今年で終わりらしいよ。』


副島『へー。どうりでさっき涙うるっとしながらインタビューしてきたわけね。』


木村『今年からメインの栗森さんが北海道ワールドハム フライヤーズの監督に就任したから交代で200勝投手の九戸くど 公康きみやすさんがメインだよ。』




松坂『おっ、報道駅のスポーツコーナー始まったよ。』



【準決勝第一試合では都立勢史上初のベスト4進出の東東京代表・都立光山高校と絶対王者、大阪代表・啓稜学院が激突。光山の1年生エース舞野は序盤から啓稜学院打線に猛打を浴びますがピンチの場面で底力を発揮。啓稜学院を無得点に封じ込めます。無失点に抑えてきた舞野は5回裏、啓稜学院に3連打を浴び、ノーアウトフルベースの大ピンチ。しかし3番棟方、4番青龍寺、5番南條と、啓稜学院の誇るクリーンナップを強気の攻めで三者連続三振。ここでも無失点に抑えます。舞野を援護したい光山打線ですが、啓稜学院の先発、こちらも1年生の迫田に二塁までランナーを進めることができず、得点を奪えません。まさかまさかの0対0で迎えた9回表、これまで散髪2安打、ダブルプレー1つと完璧に抑えられていた迫田から1番高、2番山嵜、3番綾田の3連打でツーアウト満塁。この今日最大のチャンスで迎えた4番春川が初球の直球を捕らえライトオーバーの先制3点タイムリーツーベースでなんと9回裏の最終回を残して光山高校が啓稜学院をリード。】






副島『そっか。そーだったな。光山がこんないい勝負してたんじゃん。』



鬼頭『舞野に励まされたわ。』


島谷倫『しかも舞野ってまだ1年生だからな。』


木村『また来年、再来年にもチャンスがある…。』


松坂『小宮と同じ代やな。』




【ここで3番キャプテンの棟方むなかたが甘く入った変化球を見逃さずスタンドへ運び、逆転サヨナラ満塁ホームラン。ここまで粘り強く投げてきた1年生舞野はマウンドで崩れ落ちます。王者と新星との熱い熱い延長13回の死闘は啓稜学院が勝利を掴みました。】




【次の試合、北頼高校vs邦南高校も激戦となりました。】


鬼頭『おっ!きたな!』


【カキィィーーーッンッ!!】


松坂『おっ、ヒロのレーザービーム。』


島谷倫『アウトー!!』


木村『決めるね。最後のドヤ顔も最高。こりゃ学校帰ったら女の子殺到だな!』


鬼頭『やかましいわ!』




【松坂のこの打球をセンター風岡がフェンスに登ってキャッチする、大ファインプレー。】



松坂『これは効いたねー。』


木村『これはマジでヤバかった。』



副島『おっ!』




【今度は風岡が打席で魅せます。この回からリリーフした元同僚の鬼頭からバックスクリーン直撃の大ホームラン。同点に追い付くとともに場内騒然とします。】



副島『どーよ?感想は?』


鬼頭『この一撃で…ある意味吹っ切れたよ。そのあとの切り替えがよかったかな。』



松坂『開いた口が塞がらなかったもんな。』





【2対2で迎えた9回裏、ツーアウト一二塁で打席には4番鬼頭!!】


鬼頭『…。』


【しかしここはチェンジアップに体勢崩れ、空振りの三振。青馬に軍配があがります。】



鬼頭『…。』



(やっぱ、アイシングした方がいいんかな。でも他の人に勘づかれるのも怠いな…。)




【ここで3番風岡が内角低めのストレートを振り抜き念願の勝ち越し点。】



松坂『きたきたー。』



【後がない邦南は先頭のキャプテン副島がヒットで出塁。】


島谷倫『ここよく翔真決めたよな。』



【ここで大場が2ストライクから意表をつくセーフティバント成功でなんとノーアウト一二塁。このチャンスでまた打席には4番鬼頭。しかし鬼頭は膝元へ落ちる縦のスライダーに空振りの三振。】


副島『今日は青馬にしてやられたな。ヒロ。』


鬼頭『オレが青馬より実力が無かっただけだよ。』



【5番西口も積極的に初球から打ちますがこれは青馬の自己最速150km/hのストレートに力負け。ファーストファールフライに倒れランナー進めずツーアウト。】


木村『こっからだよな。』

副島『マジで負けるかと思った。』



【この打球をショート山縣がまさかのエラー。ツーアウトフルベースと、邦南は一打逆転サヨナラの場面。】


松坂『ぐはははは。』



【ツースリーから外角への縦スライダーを捕らえた打球はセンターへ。センター風岡が懸命に追い最後はダイビングを試みるもわずかにグラブ及ばず、ボールはセンター後方を転々と転がる。二塁ランナー大場も当然ホームに生還。松坂の逆転サヨナラ打で邦南が延長12回、4対3で勝利しました。】



松坂『ぐはははは!』

副島『久々に俺もチームの役に立てたかな。』

島谷倫『んじゃ、俺は報道駅も観たし自分の部屋戻って素振りしに外でて寝るわ。』


副島『俺もそうしよ。ちょっと眠いし。』


木村『ヒロも来るよな?』



鬼頭『あぁ。もち行くよ。でもちょっと先にしたいことあるから30分後くらいに行くわ!』


副島『したいこと?』


鬼頭『なんでもええやろ。別に大したことじゃねーよ。』


島谷倫『あいよー。んじゃ先いってる。』


副島『お邪魔しましたー。』







ガチャン!





鬼頭『ふぅ…。』



ガサガサ…



鬼頭がバッグからアイシングを取り出す




鬼頭『とりまバレないように…しないとな…。』





(みんな途中から入った俺をすんなり認めてくれた。その時点で迷惑かけてんのに…今さらまた痛いですっつって、投げれませんっつって、チームに迷惑なんてかけられない。)





(なんもおこらなけりゃいいけどな。)




(明日になったら治ってるかもしれないし。)




大阪代表vs東京代表の都立高校とか今年のセンバツやん

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