No.294:1球の重み
余語『北頼の敗因をあげれば…案外たくさんあるかもな。』
北峰『当然ながら1番はあの山縣のエラーだけど…』
余語『自責点は最後以外の2点は三宅だ。青馬は満点に近い投球をした。』
北峰『もうほんと、それだよね。満点に“近い”投球だったよね。』
余語『…あの1球だな。』
北峰『何回かは忘れたけど、なめて大場に投げたど真ん中のストレート。』
余語『打たれはしなかったがあの気を抜いた1球がなければ北頼の吉峰監督も続投しただろう。野球にタラレバ言ってもダメなことは重々承知してるが、あれがなければ青馬が完封していた可能性が高い。』
北峰『実際、青馬のリリーフの三宅が投げた外角へのフォークが最後の松坂が打つ布石になってたわけだしね。』
余語『山縣や、他のやつも、ミスしたくてミスしてるやつなんか、当然ながら一人もいねえ。でも、1番防げるミスをしたのは青馬だよ。』
“あの油断した1球で…すべて決まっていたのかもな。”
ピリリリリリリ!!!
桜沢『誰だよ。』
余語『電話か。』
桜沢『はい、もしもし?あ、頭也。おひさー。え、おう、おう、りょーかい。わかったよ。お前ら抽選の日に会ったんだってな?いいなー俺も連れてけよ。おう。んじゃあな。』
プツン
余語『誰から?』
桜沢『あぁ。頭也から。あ、赤嶋頭也のことね。なんか明日の決勝、南阪のやつら7人で甲子園で観戦しよーってさ。ってことで今から行ってくる。』
余語『突然だな。まあ、俺らは明日もいつも通りこの寮の食堂のテレビから観戦するわ。』
北峰『いってらっしゃーい。』
…
『今日の最後の、どのような気持ちで打席に入ったのでしょうか?』
松坂『気合いっす。打つことしか考えてませんでした。』
『明日の決勝、相手は今日都立光山高校に勝った啓稜学院ですが?』
松坂『北頼高校も素晴らしいチームでした。そのチームに勝てたんで、なにも臆することなくいけばいいと思います。』
『明日も松坂くんのバット、期待ですね!』
松坂『はい。期待しててください。』
副島『ホテル戻ったらケアして風呂入って飯食ってミーティングな!!』
『『はいっ!!!』』
鬼頭『…。』
“鬼頭博行!!必ずお前を倒すからな!!”
鬼頭『俺ももっと…頑張らないとな…。』
“待ってろ青馬。今度は絶対勝つ。”
ちょっと期間が長くなっちゃったんで
北頼vs邦南をもう一回見直すのもいいと思いますm(._.)m
読んでくれてありがとうございますm(._.)m
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