No.293:決着の時―北頼vs邦南―
《フルカウントからの第7球》
青馬(全力でいくぜ…。俺の伝家の宝刀…。)
夏井(投げ込め。お前の魂…。)
松坂(次は間違いなく…縦スラ…!!!)
《ツーアウトツースリーなのでランナーは自動的にスタートを切ります。北頼外野陣をもってしてもシングルヒットならサヨナラの可能性十分!!!》
青馬(これで…お開きや!!!)
《投げる!!!!!!!!》
ビュゴォォウゥッッッーーッッ!!!!
夏井(外角への縦スライダー!!!!)
松坂(思い出せ…風岡にファインプレーされたが…、4回裏の…)
赤嶋『松坂は三宅の外角へのフォークボールを4回裏にスタンドまで運んでる!!!キャプテンに好捕されたとはいえ、このコースは今日打ってる!!!』
栄『でも…三宅のフォークと青馬の縦スラとじゃ格が…』
赤嶋『あそこは甲子園だ。何が起こるか…わかったもんじゃねえよ…。』
“不可能が可能になってもおかしくない。”
松坂(あの打席を─────────!!)
カキィィィーーーーーッッッンッッッ!!!
夏井『キャプテン!!!!!!!』
《痛烈──────────!!!!打球は右中間!!!!!センター風岡追い付くか!?!?!?》
松坂『抜けろォォォォォ!!!!!!!』
ダッダッダッダッ…!!!
《風岡も全力で追う!!捕るか!?!?抜ければ当然サヨナラ!!!》
風岡『オオォォォォォォ!!!!!!』
《風岡、決死のダイブ────────!!》
風岡『……………………。』
大場『………。』
鬼頭『…。……、…。』
夏井『………。』
松坂『……、……。』
青馬『………………。』
《抜けたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!》
『『『ウオオォォォオオォオオォォォォオォォ!!!!』』』
《ボールが転々と転がる!!!三塁ランナーは既にホームイン!!!二塁ランナー大場も…》
“ホームイン!!!ホームイン!!!邦南高校、北頼高校相手に、延長12回、逆転サヨナラ勝ち!!!!!!!”
松坂『おっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
副島『ケンスケー!!!!!』
木村『オマエ!!!俺の嫁になってくれ!!!』
大場『健祐先輩!!!』
『『おっしゃおっしゃぁぁ!!!!』』
《最後に笑ったのは、なんとなんと初出場の邦南高校!!!球帝風岡蓮太郎、超高校級のエース青馬大輔など実力は全国屈指の春のセンバツ準優勝校、北頼を破りました!!!!!最後は3年生、松坂健祐の、この試合通じてずっと苦しめられてきた青馬の縦スライダーを弾き返す逆転サヨナラタイムリーで試合を決めました!!!》
青馬『クソ…クソ…クソ…クソ…!!!!!』
夏井『青馬…。すまんな…俺がお前を活かしきれなかった…。俺のせいや。』
青馬『バカ野郎!!!!エースなら…最後の場面で打たれちゃいけなかったんだ!!』
山縣『俺が…エラーさえしてなきゃ…俺たちは…』
安西『俺がセーフティは無いって…勝手に決めつけたから…』
氏神『俺が…1番バッターなのに6の1やったから…』
『泣くな。お前ら…。』
夏井『キャプテン…。』
青馬『キャプテンだって…泣いてんじゃんかよ…』
風岡『最後まで…俺達らしく…立ち上がろう。どんなに苦しくても…立ち上がって練習したように…今も…いつもやってきたよう…立ち上がろう。』
安西『…せやな。』
夏井『俺達…らしくな。』
青馬『わかった。そっちのが俺達らしいや。』
風岡『よし、並ぼう。』
『『『ゲーム!!!!』』』
『『『ありがとうございました!!!』』』
パチパチパチパチパチパチ…
鬼頭『キャプテン…。』
風岡『明日の啓稜戦…期待してるぞ。』
鬼頭『せんきゅ。次は敵になるか味方になるかはわかんねえけど、上の世界で戦おうな。』
風岡『そのつもりだ。お前も、投げすぎには気を付けろよ。』
鬼頭『おう。』
《この夏、甲子園で5回目の邦南高校の校歌!!》
風岡『最後は捕れなくてすまなかった。ナイピッチ。俺達はオマエがいなきゃここまで来れなかった。』
青馬『まだまだっすわ。なんかもっと練習しなきゃね。』
自分の受験もあり7ヶ月もかかっちまった(笑)