No.291:甲子園の魔物と球児の笑顔
カキィィィーッンッ!!
《インコースのツーシームを振り抜いた!!!これはショート山縣の守備範囲!!!》
山縣『オッケェェ!!!』
氷室(そんな…。)
鬼頭(負けんのか…?俺ら…。)
山縣(イージーゴロ。焦らずゆっくり…)
ボン!!!
山縣(跳ねた…!!)
バスッ!!
『『ウオォォォォォォオオォォォ!!!!』』
《ショート山縣弾いた!!!!》
青馬『!!!!!』
夏井『大丈夫だ!!まだ間に合う!!!』
《ツーアウトツースリーなのでランナーはスタートを切っているので二塁フォースプレーは無理!!拾い直して一塁を狙う!!!!》
ヒュルッ…
山縣『くそ!!』
《あーーーっと!!!こぼしたボールをうまく握れませんでした!!!!この場面で…この場面で名手山縣のエラー!!!!》
氷室『アブねー!!!!チョーアブねー!!』
島谷倫(一塁ランコー)『まあ、結果オーライだよ。ナイバッチ!あの場面でインコースを振り抜けるやつなんてそうそういねーよ。』
赤嶋『夏井のリードも決して悪くない。縦のスライダー攻めは危険。ストレートを狙ってることも見透かしてのツーシーム。青馬もそれに応えたナイスボールを投げ込んだ。』
栄『そんでチームで最も守備のうまい山縣のところへ打たせた。』
“これが…甲子園の魔物…。”
《邦南高校、絶体絶命の敗北の危機が一転、絶好のチャンスがやって来た!!!1点ビハインドのツーアウト満塁、打席には、7番、松坂!!!!》
『7番、サード、松坂くん。』
『『『邦南!!!邦南!!!邦南!!!邦南!!!』』』
夏井『まだ勝ってんのはこっちだからな!』
青馬『ハハハハハ!!わかってんよ!!寛人!!落ち込むんじゃねーぞ!!俺は今までおまえに何度も助けてもらった!!今度は俺が助けてやるからな!!!』
山縣『おう!もういっちょショートゴロ頼む!!』
《笑顔です!北頼ナイン!!!この状況でも笑顔です!!》
松坂『俺が決めてやるからな!!お前らは見てろよ!!いいとこ全部持ってってやるかんな!!』
島谷倫『言ったな!?』
氷室『打てなかったらダサいですよ!!』
松坂『黙らんかい!!!!』
《邦南ナインも、笑顔です!!》
《《《この試合の行方は神のみぞ知る好ゲーム!!!夏の甲子園、準決勝第2試合、北頼 対 邦南の一戦は延長12回の裏!!3対2と北頼の1点リードですが攻める邦南もツーアウト満塁の大チャンス!!!打席にはチームの兄貴分、松坂健祐!!!対するマウンド上、ドラフト1位確実右腕、青馬大輔!!!!!さあ、ゲームのクライマックスだ!!!!》》》
《余談コーナー》
なんかほんとにたまたま
なんにも狙ってなかったんですけど
松坂健祐vs青馬大輔
松坂vs大輔…
松坂大輔になりました(笑)