No.290:氷室vs北頼バッテリー!
氷室(ハハハ…。こーなっちまうかよ。俺にこのチームの未来がかかってるのかよ…。)
松坂(大丈夫だ氷室。お前なら…やれる!)
『『『氷室!!氷室!!氷室!!』』』
《場内はものすごい氷室コール!!》
夏井(自信満々でいくぞ!!!青馬!!!)
青馬『うぉぉぉーー!!』
ビュゴォォウゥッッッーーッッ!!!!
カァァァクゥゥッ!!!!!
ズッバァァァーーーーッッーーンッ!!!
《初球から青馬の代名詞とも言える、ウイニングショットの縦のスライダー!!!空振りです!!!》
副島『スイングがまだ硬い…。』
夏井(丁寧にな!!疲れもあると思うが絶対に甘い球は放るな!)
ビュゴォォウゥッッッーーッッ!!!!
ズッバァァァーーーーッッーーンッ!!!
《これは外角ボール気味のストレート!!しかしハーフスイング!!》
夏井『スイング!!』
一塁塁審『ストライク!!!』
《これはハーフスイングを取られた!!2球で早くも追い込んだ北頼バッテリー!!対する邦南は完全に追い込まれた!!!》
氷室(思わず手が出ちまった…。これじゃ相手の思う壺…。)
松坂『氷室!!!!!!』
氷室(?)
《ここで邦南高校、打撃のタイムをかけます。背番号7をつけた松坂が氷室と話をしています。》
松坂『おまえの今日の1打席目の三宅との対戦後に言った俺の言葉、覚えてるか?』
氷室『…。なんでしたっけ?すいません。』
松坂『失敗は次へ生かせ。』
氷室『あ…。』
松坂『おまえだけで戦おうとしなくていい。おまえがチームを背負わなくていい。みんなで戦ってんだ。打席では一人でも、独りじゃない。それに…おまえこの応援が聞こえるか?』
『『『氷室!!!氷室!!!氷室!!!氷室!!!氷室!!!』』』
松坂『お前には今、甲子園も味方についてる。気負うなよ。思いきって振ってこい。博行にも言われただろ?ホームランか三振か…どっちかでいい、ってさ。』
氷室『…はい!』
松坂『おっ、その目、久々に見たな。それでいけよ。それなら打てるぜ。きっと。』
氷室『俺は俺のバッティング…まだ甲子園で出来てないんで、みんなに見せつけてやります。氷室佑介のフルスイングを。』
松坂『その言葉を待ってたんだよ。クソガキ氷室くん。』
『プレイ!!!』
夏井(何を言われたか知らんが…お前らの絶対的危機に変わりはない。)
ビュゴォォウゥッッッーーッッ!!!!
夏井(ストライクからボールになるカットボール。)
カクッッ!!!!!
ズッバァァァーーーーッッーーンッ!!!
≪140km/h≫
『ボール!!!!』
『オォォォォオオォォォオオォ!!!』
夏井(よく見たな。結構冷静じゃん。こりゃ、なめてると案外やられるぜ。)
氷室(よし!ボールは今見えてる!)
ビュゴォォウゥッッッーーッッ!!!!
夏井(アウトロー!!今度はどうか!?)
氷室(ボール半個分、低い!!)
ズッバァァァーーーーッッーーンッ!!!
夏井(これも見送った?)
『ボール!!!!』
『『ウオォォォォォォオオォォォ!!!!』』
《アウトローいっぱい惜しくも外れた!!!氷室もよく見ました!!!》
夏井(こいつは今、ちゃんとボールが見えてる。この場面でこのコースのストレートを見分けた。)
《カウントは2‐2!!!次の一球は勝負球!!!》
ビュゴォォウゥッッッーーッッ!!!!
夏井(これでどーだ!!)
青馬『縦スラ!!!』
カァァァクゥゥッッッ!!!!!
カーン!!
夏井(!?)
《ファール!!粘ります!!氷室!!なんとか食らいつく!!まだ決して諦めていません!!!》
夏井(鬼頭でもさっき空振りしたこの縦スラを当てるかよ…。)
青馬(目を覚ませばそれほどの打者…ってことかね?)
夏井(もう一個、いくぞ!今度はワンバウンド。絶対にバットに当てさせない。)
青馬(りょ。)
《さあ第6球目!!!》
ビュゴォォウゥッッッーーッッ!!!
カァァァクゥゥッッッ!!!!!
氷室(!!!)
グッ
ズッバァァァーーーーッッーーンッ!!!
『『オォォォォオオォォォオオォ!!!』』
夏井(見た…?だと…。)
氷室(…。)
青馬(ちっ…。やるなコイツ。)
《さあカウントは2ストライク3ボール!!!》
氷室(さっきの三宅のときは最後はインコースへのストレート。手が出なかった…。)
夏井(これでいこう。青馬。)
青馬(おう。)
氷室(アウトコースなら縦のスライダー!インコースならストレート!)
ビュゴォォウゥッッッーーッッ!!!!
《強気のインコース攻め!!!!》
氷室(ストレート!!!今度は絶対に引かない!!)
夏井(引っ掛かれ!!)
青馬(そのインコースはトラップ付きだぜ!!)
スッ
氷室(ツーシーム!?!?やべぇ…バットの軌道が…修正できない…。)
カキィィィーッンッ!!!
夏井(勝った!!!!)
青馬(よし!!)
副島『まずい!!!』
氷室(…。…………。)
《これはショート山縣の守備範囲!!!!!》
『『オォォォォオオォォォオオォ!!!』』