No.287:甲子園球場
夏井(これで…終わりだ!!!)
スッ…
青馬『!!!!』
《これは!!!!》
野中『セーフティバント!!!』
夏井(んな!?バカな!!!)
コン!!!
《これは一塁側へ!!ヘッドを立ててやってきた!!!》
安西(マジでかよ!!)
夏井(安西は一塁線への強打警戒で守備位置が深い!!安西で処理したら無理だ!!とにかくここでアウト取れずにランナー二塁に置くのはまずい!!!)
“頼む青馬!!お前のフィールディングで…!!”
青馬『ここでお前にセーフになられちゃ…まずいんだよ!!!!』
《青馬と大場の競走だ!!!!青馬はそのままランナー大場へタッチしにいく!!大場も懸命に走る!!!》
青馬『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』
大場『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』
青馬(届け…!届け…!届けぇぇ!!!)
ズザザザザザザザザ!!!!!!
《双方共にダイビング!!!!!!!はたして判定は!?!?!?青馬はタッチしたのか!?!?》
『『セーフ!!!!セーフ!!!!セーフ!!!!!!!!』』
『『『ウワァァァァァッッッ!!!!!』』』
《3番大場セーフティバント成功!!!執念のバント!!!これは流れが邦南か!?》
片野(ったくよぉ…。よくバントする勇気を持ったよな…。)
大場(これで…これで…!)
『4番、セカンド、鬼頭くん。』
『『『邦南!!!邦南!!!邦南!!!』』』
《ここ甲子園球場は異様な雰囲気!!!場内全体から割れんばかりの邦南コール!!!》
余語『俺たちとの地方大会決勝の…延長15回の雰囲気に似てるな…。』
北峰『ホントだよ。やっぱなにか…観てる人たちを魅了するなにかを持ってるんだよね…。』
“勝てよ!邦南!”
夏井『タイムお願いします。』
『タイム!!!』
『『『邦南!!!邦南!!!邦南!!!』』』
青馬『ハハハ…。ここって…どこやっけ?』
夏井『は?』
青馬『ここって…甲子園だよね?』
夏井『何を今さら。』
青馬『なんで地元兵庫代表の俺らが悪役なわけ…?』
夏井『それはな…甲子園だからだ。残念だがそれですべて説明がつく。』
青馬『確かにね。まあうちの学校の人とかOBの人とかは5000人くらいだからぁ…』
夏井『?』
『残りの4万人ちょっと、全員黙らせてやる。』
夏井『…オマエらしいよ。ハハハハ!!』
青馬『んぁ?なんか悪い?』
『やったろーぜ。4万人。黙らせてやろーぜ。』
夏井と青馬がグータッチをする。
夏井『俺についてこい。』
青馬『こちらこそ。パスボールとかすんじゃねーよ?』
夏井『ふっ。見てみろよ。次のバッター。』
青馬『相手に不足はないね。』
夏井『行くぞ。』
青馬『おう。』
『プレイ!!!』
《異様な雰囲気のここ阪神甲子園球場!!3対2と北頼高校1点リードで迎えた延長12回の裏、邦南高校の攻撃はノーアウトランナー、一二塁!!打席にはS・9の一人、4番、鬼頭博行!!!!対するは北頼のエース、超高校級右腕、青馬大輔!!!》