No.279:名勝負
《さあ2対2の同点で迎えた甲子園準決勝、北頼vs邦南の試合は9回表、ツーアウトランナー無し、打席には3番、風岡蓮太郎!!》
赤嶋『この対決は…試合の流れを決めかねんな…。』
栄『ダネ…。』
ビュゴォォゥゥッッッーーーッッーッ!!!!
カァクゥゥゥッッ!!!
ピクッ…
ズッバァァーーーッッーンッ!!!!
『ボール!!!』
西口(この縦スラを見切ったか…。)
鬼頭(やっぱカウント球じゃ誘われてくれないか。)
西口(そもそもこの切れ味でカウント球と言えるのかよ。)
鬼頭(うっさいわ、カウント球や俺の縦スラは。)
《さあ注目の3球目!!!》
ビュゴォォゥゥッッッーーーッッーッ!!!!
ズッッバァァァァーーーーッッンッ!!!!!!
≪157km/h≫
風岡(まだアジャストできないか…。さすがの直球だよ。鬼頭。)
《今度はアウトローへの157km/h!!その球速もさることながら、キャッチャーのミット動きません!!!この制球力!!!》
赤嶋『久々に見たな。キャプテンの1打席で2回の空振り。』
栄『なに、その次元?風岡って。』
霞『さっきの大ホームランを見てもまったくビビってない。だから強いんだよね。投手としてのヒロは。その精神力っていうのかな。』
《さあカウントは1ボール2ストライク!追い込んで有利なのは鬼頭博行!!!》
西口(風岡は左打者。チェンジアップが非常に効果的。)
ビュゥゥゥッッッッ!!!!!
スッッ
カキィィィーーーッッーンッ!!!
西口(なにっ!?!?)
《これは流し打ったが…!?ファール!!!ファール!!!》
小宮(スゴいな…この人…。)
鬼頭(俺の準ウイニングショットなんだけどなー実はチェンジアップって…。)
西口(小宮のチェンジアップよりも高精度の博行先輩のチェンジアップを体勢崩されずに流し打つか…。せめて体の軸くらいブレてもいいじゃんかよ…。)
《さあカウントは変わらず!次はなにでくるか!?》
鬼頭(これで撃ち取る!!)
ビュゴォォゥゥッッッーーーッッーッ!!!!
カキィーッン!
≪157km/h≫
《これはファール!!!157km/h連発!!!しかし風岡も食らい付く!!!》
風岡(タイミングは掴めた。あとはこの球威と、ホップするように感じる球の軌道だな。)
西口(すんげえストレートだよ…。ボールの回転数が常軌を逸してるのがよくわかる…。)
ビュゥゥゥッッッッ!!!!!
スッッ…
≪111km/h≫
《これはボール!!低めへのチェンジアップ!!》
西口(もういっちょ、いきましょう!!ストレートです!!)
鬼頭(オラァァァァッッ!!!!!)
風岡(見える!!)
カキィィィーーーッッーンッ!!!
鬼頭(なっ!?)
《これはレフト線!!!うまく流した!!!》
『ファール!!』
《しかしファール!!惜しくもラインを割った!!!しかし素晴らしい打球!!》
鬼頭(大事なのは緻密さ。これでストレートがもうキャプテンには通用しないことはわかった…。ここは一気に片付ける…。アレいくぞ、西口。)
西口(わかってますよ。)
鬼頭(この回を0で、お前を抑えて、流れを持ってくる!!!)
ビュゴォォゥゥッッッーーーッッーッ!!!!
風岡(ストレートをまだ続けるか!!)
カァァクゥゥゥッッッ!!!!!!!
風岡(超高速シュート!!)
西口(左バッターでも空振りを取れるこのシュートで決める!!!)
風岡(くっ…!!!)
ズッッバァァァァーーーーッッンッ!!!!!!
青馬(…。)
鬼頭『どんなもんじゃい。キャプテン。』
風岡『試合には負けんぞ。鬼頭。』
《空振りの三振!!!!なんと鬼頭、最後は152km/hの超高速シュートで風岡も空振りの三振に仕留めた!!!これでリリーフして9個のアウトはすべて三振!!!9回表、北頼高校無得点です!!!》