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No.275:西口vs青馬~真剣勝負~

《さあ大場の逆転タイムリーのあとも鬼頭が続きツーアウトランナー一塁二塁。そして打席には5番の1年生、西口拓磨!》




西口(一回降板してリズムが崩れたな青馬。一気に行って、楽に終盤を迎えたい。)





ビュゥッッッッ!!!




カクッ…





ブンッ!!




《さあ空振り!!初球はストライクからボールになるカットボール!さすがのコントロール!!》



西口(この場面でボールから入る余裕。この余裕はただただ経験で培ったものとは思えんな。)





ビュゥッッッッ!!!





ズッバァァァーーッッーーッンッッ!!!






『ボール!!』



≪148km/h≫




《2球目は際どいところを付いたがボール!!しかし自己最速タイの148km/h!!》




西口(この余裕は間違いなく…絶対的な練習量の賜物…。)



夏井(わざわざストライクゾーンで勝負する必要はない。ボールゾーンで撃ち取られるならボールゾーン中心の攻めの方がいいに決まってる。打たれるリスクが低いからな。まあ、際どいところ付かないとその分振ってもらえんけどな。)






ビュゴゥゥゥッッッッッッ!!!!





西口(インコース!!俺の得意コース!!)




カァァクゥッッ!!!





《空振り!!!右打者の西口のインコース膝元から足元に落としてきた!!》



西口(くっそ…縦スラ…。インコースにストライクからボールになる縦スラなんて普通投げられるもんかね…。ヤバイな…。甘い球が全く来やしねぇ…。)



夏井(よし。ボール球3つで追い込んだ。)




川越『この青馬ってやつ…ホント凄いな…。』


野中『確かにな…。コントロールがやばい。』



川越『普通あれだけの球種を変幻自在に投げられるなんてプロでもそうそう出来るもんじゃない。』





ビュゴゥゥゥッッッッッッ!!!!



西口(低め!でもこれはストライク!!コンパクトに…!)





スッッ…






夏井(引っ掛かった!)





西口(チェンジアップ…!!)




カーン!!




《これはファール!アウトコース低め一杯からボールになるチェンジアップ!これは西口がよくついていってカット!しかしこの打席は完全に青馬の主導権!》




西口(腕の振りが変わらねえからホントにタイミングが取りづらい…。ボール球4つかよ…。)




ビュゴゥゥゥッッッッッッ!!!!






《インコース!!!》





ズッバァァァーーッッーーッンッッ!!!





西口(いかん…。手が出んかった…。)





『ボール!!』





夏井(ちっ。いいボールすぎてバッターも手が出なかったが…審判も手が出なかったんちゃうんか?)



青馬(嘘やん。絶対入っとるやん。)




夏井(さあどれで撃ち取ろうか。)




西口(青馬の球種は…ストレート、ウイニングショットの縦スライダー、チェンジアップ、カットボール、2シーム、カーブ。球種は豊富…その上打たせて取ることも出来る…。)




夏井(スイング、先程までの打席、前の試合のビデオを見る限り、こいつの得意コースはインコース。その得意コース、十分に利用させてもらうぜ。)






《さあカウント2‐2、6球目!!》




ビュゴゥゥゥッッッッッッ!!!!




夏井(これに反応するのは想定内。そして芯を外す!)



ズッバァァァーーッッーーッンッッ!!!




夏井(見逃した…?でもこれはストライクじゃね?)




『ボール!!!』




青馬(嘘やんけ。そんなん。)



《今度はインコースギリギリボールへの2シーム!!》



川越『こりゃ審判も気の毒だな。』

野中『俺絶対青馬の時に審判なんてやりたくない。』



夏井(今のもいいボールだったんだけどな。)




西口(今の俺の打席、俺が振った3球ともボール球、今まで全6球、ボール球だ。その結果、フルカウント。まぁ今のインコースは外角に張ってたから手が出なかっただけで、まぁボールになってくれて助かったよ。)




青馬(ふぅーっ。やってやるよ。俺は投げ続けるよ。際どいところに。夏の甲子園準決勝。こーゆー場面で俺は厳しいところに投げ続けるために…ずっと練習してきた…。鬼頭を追い越すために…1年生の時からずっと…ずっと…)




西口(俺にとっては手が出なかっただけだが、バッテリーにとってはよく見たとでも思ってんだろうな。やっぱ欲しいよな。ストライク。)



夏井(野球でフルカウントってのはよ、投手と野手の対決の醍醐味でよ、バッターってのは嫌うんだよ。見逃し三振をよ。バッターってのは本能的に三振を嫌うからな。)



西口(ここまでボールを続けた結果のフルカウント…。次はストライクが絶対にほしいはず。)






《さあフルカウントからの7球目!!ランナーは自動的にスタートを切ります!!!》






青馬(これでお開きや。西口くん。)




《セットポジションから、投げる!!!!》





ビュゴゥゥゥッッッッッッ!!!!




西口(アウトロー!!!)






カァァクゥッッ!!!!!!




西口(なっっ!?!?)





ブンッッ!!!



西口(消えた…?…だと…。)














《空振りの三振!!!!青馬、5番の西口に自分の打撃をさせませんでした!!最後は外角低めからのボールになる縦スライダー!!!》





西口(全7球…ボール球…だと…?)






川越『してやったりだな。青馬。』


野中『この場面でボール球を投げ続ける勇気…。』


川越『まぁ…イメージできてんだろうな。バッターが空振りするイメージがよ。』


野中『すげぇピッチャーだな…。』







《大場の逆転タイムリーで邦南高校、逆転に成功しました。そして尚ツーアウトランナー一塁二塁のピンチでしたが、ここは青馬大輔、西口を空振りの三振に仕留めています!!》




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