No.273:爆肩
ビュゥゥゥッッッッッ!!!
小宮(初球からインハイ!攻めてくるね!)
カーン!
《初球はファール!》
夏井(初球から振ってきたか。)
青馬(しかもそのコースを。)
小宮(この打席、簡単に主導権は握らせないよ。思い通りになんかさせてたまるか。)
ビュゥゥゥッッッッッ!!!
小宮(またインコース!)
夏井(よし!)
カクゥゥッッ
小宮(カットボール!!)
青馬(かかった!)
カーン!
《ファールボール!!ファール2つで追い込んだ!!》
小宮(簡単に追い込まれちゃった…。でもここがこのバッテリーの凄いところ…。)
夏井(投げ急ぐ必要もない。)
青馬(じっくりいくぞ。丁寧に丁寧に。)
ズッッバァーーーッッンッ!!!
《3球目は外にはずしてきました。これでカウント2ストライク1ボール。》
小宮(何で来る…コースはもちろん…球種だって何で来るか…。)
夏井(圧倒的有利だ。さぁ悩め悩め。こっちはゲッツーよりも三振がほしい。)
ビュゥゥゥッッッッッ!!!
小宮(外角!!)
カァァクゥゥッッ!!
小宮(縦スラ!?ここで!?)
青馬(まず1つめっと。)
小宮(ここで三振したら…流れが掴めないんだよ!!)
カーン!
夏井(この場面で青馬の縦スライダーを当てた!?)
《打った!!打球はボテボテ!ショートの山縣が前進してセカンドにトス!一塁は…セーフ!!セーフ!!小宮、懸命に走って一塁はセーフ!これでワンナウト一三塁!!》
青馬(まさか俺の縦スラを追い込まれて当てるなんてね。)
夏井(投手としても非凡なものを持っているが、打者としてのセンスもかなりのものだな。)
『2番、ライト、副島くん。』
青馬(さてと、3番の大場に回さないためにもここはゲッツーか?)
夏井(当然だ。)
副島(ここはゲッツー狙いでくるだろ…?)
夏井(とにかく低めに集めろ。)
ビュゥゥゥッッッッッ!!!
副島(まん中!!)
夏井(バーカ。)
カクッッ!
副島(なに!?)
青馬(カットボールでした~。)
副島(いかん!差し込まれてゲッツーになる!いや、だったら打ち上げて…!)
カキーン!!
副島(よし!思った以上に押し込めた!!)
青馬(詰まらせたのにあんなに飛ばされた…。)
夏井(アイツの肩なら五分五分ってとこか?)
《打球はセンターへ!!風岡は定位置やや後ろ!!三塁ランナー慶野はタッチアップの体勢!》
パシィッッ!!
風岡『死んでもらおう。』
鬼頭『行くなぁぁ!!!!』
慶野『!?…博行先輩!?』
ビュゴゴォォォゥッッッッッッッ!!!!!
《これは―――――――》
ズバァーーーッッッーーーッンッ!!!
《も、物凄いスロー!!三塁ランナーは突っ込まなくて正解でした!!!しかし一塁ランナー小宮は二塁へ!!これは好走塁!!ツーアウト二三塁!!》
風岡『鬼頭の仕業か。』
鬼頭『あんたの爆肩は頭に入ってますよ。キャプテン。』