No.271:幸運?
ズバァーーーッッッーーーッンッ!!!
《9番の夏井は空振りの三振でワンナウト!》
『1番、サード、氏神くん。』
大場(風岡によって作られたこの嫌な流れを断ち切るためにも…ここは全力で三振を奪いにいく!!!)
ズバァーーーッッッーーーッンッ!!!
《これも空振り三振!!!この回これで二者連続!!!》
大場『おっしゃぁぁ!』
『2番、セカンド、伊藤くん。』
吉峰(この回三者三振となれば試合の行方がまだまだわからなくなるのぉ…。相手を乗せないためにも、ここはなんとか一本頼むぞ。伊藤。)
ビュゥゥゥッッッッッ!!!
ズバァーーーッッッーーーッンッ!!!
『ストライク!ワン!!』
≪149km/h≫
ビュゥゥゥッッッッッ!!!
カァァクゥゥッッ!!
ブンッッッ!!!
伊藤(フォークか…。くっそ…。)
《空振りで追い込まれた!!!》
吉峰(ただ、このピッチャーからそうヒットが出るものではないのぅ…。)
ビュゥゥゥッッッッッ!!!
大場『あっ!』
西口(いかん!甘い!)
伊藤『もらった!』
カキィィーーーッッーーッンッ!!!
《打った!!これはこの回からファーストについた氷室の横!!》
氷室『うおっしゃぁ!』
パシィッッ!
《捕った!!そしてベースカバーのピッチャー大場へトス!!スリーアウト!!バックももりたてます!!》
吉峰(これじゃあ余計流れがいってしまうのぉ。しかもよりによって打撃が不調のあの子かい。打撃の調子を崩している子が守備でいいプレーをしたことをきっかけに復調なんてこともあるからのぅ…。)
鬼頭『ナイピッチ。翔真。』
大場『はい。とりあえず予定の3イニング、投げきりました。あとの3イニングは頼みます。』
鬼頭『小宮と二人で6イニング、あの北頼を一点におさえてんだ。十分だよ。ナイピッチ。あとは任せろ。』
カキィィーーーッッーーッンッ!
《8番の慶野、レフトへ流し打ちました。クリーンヒット。6回の裏、邦南高校、先頭の慶野が出ました。ノーアウト一塁。》
『9番、レフト、藤武くん。』
《さあここで9番藤武はバントの構え。》
三宅(邦南は一点がほしい。とりあえず同点を目指してくる。この9番にヒッティングはまずない。となると、バント。簡単にやらせてたまるか。渾身のストレート、投げ込んで二塁のアウトを狙う。)
夏井(安西、氏神。しっかりプレスしろよ。)
ビュゥゥゥッッッッッ!!!
《これは北頼高校内野陣のものすごいプレス!!》
藤武(うわっ、まじかよ!)
コンッッ!
《あーっと、これは小フライが上がってしまった!!》
藤武(えっ!?)
安西『まずい、グラブが届かん!プレスしすぎたか!』
《越えた!!バントが小フライになってしまいましたが一塁手、安西のダッシュが強すぎてその頭の上を越えてしまった!!》
夏井『まだだ!一塁を取れ!!』
三宅『どこまでも幸運なやつらめ!!』
《ピッチャー三宅はベースカバーの伊藤に送球!バッターランナー藤武は俊足!!》
『セーフ!!セーフ!!』
《一塁はセーフ!!藤武、ラッキーな内野安打!!!あわやバント失敗がノーアウト一二塁!!!》
吉峰(流れが最悪じゃな。こりゃあいつ頼みか…。)
『ピッチャー交代じゃ。』