No.267:攻めの采配
《なんと4回まで完璧な内容だった青馬をこの5回裏から代えてきました!北頼高校。マウンドには最速153km/hの大型左腕、三宅淳弥がマウンドに上がります!!いやぁ…思いきった采配です。吉峰監督。》
余語『この交代の意味がわからんやつは野球の深さをわかっていないな。』
北峰『まあ、間違いなく、あの一球だな。』
桜沢『え?え?』
余語『ったく…お前は野球哲学が欠けすぎなんだよ。なにも考えないのは打席だけにしろ。』
桜沢『いや、普通テレビからじゃわかんねーだろ!』
北峰『普通にわかるわ!』
『5回の裏、邦南高校の攻撃は、4番、セカンド、鬼頭くん。』
鬼頭(速球派サウスポーっつても…俺らは県大会決勝で北峰と対決してる。)
ビュゴゥゥゥゥッッッッッ!!!!!!
鬼頭(お手並み…拝見といきますか。)
ズバァァーーーッンッッ!!!
鬼頭(遠い!)
『ストライク!ワン!!』
≪ 150km/h≫
《いきなり出ました!150km/h!!》
鬼頭(なるほどね。いいクロスファイヤーだ…。)
《さあ2球目!!》
ビュゴゥゥゥゥッッッッッ!!!!!!
カァァクゥゥッッ!!!
ズバァァーーーッンッッ!!!
《2球目のスライダーは空振り!!鬼頭を早くも追い込んだ!》
鬼頭(なるほどね。大体の感じはわかった。)
ビュゴゥゥゥゥッッッッッ!!!!!!
ズバァァーーーッンッッ!!!
『ボール!!』
≪151km/h≫
《さあカウント2ストライク1ボール。》
鬼頭(外を3球続けたのは内で仕留めるための布石か…。)
ビュゴゥゥゥゥッッッッッ!!!!!!
鬼頭(って外かよ!)
カーン!
《外角のストレートにちょこんと当てただけの打球になってしまったがこれは面白いところに飛んでいるぞ!!》
夏井『さすがはS・9。あれを1打席目で対応してくるか。』
《ヒット!!まず先頭鬼頭がレフトへのチーム初ヒット!!ノーアウトランナー、一塁!!》
《5番、キャッチャー、西口くん。》
風岡『さすがは鬼頭だ。だが、先頭のお前が出たところで…その打線で後が続くかな?』
吉峰『邦南は一見すると強打のチーム。しかし選手一人一人を見てみると、上位打線こそは確かにいいバッターが揃っておる。しかし下位打線を見たらどうかのう。』
《さあ西口は送りバントの構え。》
ビュゴゥゥゥゥッッッッッ!!!!!!
コンッ…!
《おーっとこれはピッチャー前へのバントになってしまった!!》
夏井『2つ!!殺れ!!』
三宅『あいよ!!』
《打球は少し弱かったがピッチャー三宅、素早いフィールディングで二塁へ!!》
『アウッ!!!』
《邦南高校、痛恨のバント失敗!!ランナーを進めることができません!》
吉峰『これではどうすることもできないのぉ。片野くんは。』
片野(この回は一見するとまだ5回。まだ勝負をかける時ではない。しかし、)
川越『行くなら…今しかないぞ。』
野中『は?』
片野『氷室!!』
氷室『はい!!』
片野『代打だ!!』
氷室『そのつもりですよ!』
『6番、サード、島谷倫暁くんに代わりまして、代打、氷室くん。』
氷室『よっしゃぁぁ!!』
《さあ邦南高校、ここで代打です!!地方大会で14打点の氷室を代打で使ってきました!!》
北峰『勝負にきたな。邦南は。』
余語『いいんじゃねぇか?格下ってのはよ、格上に対して強気で常に攻めていかなきゃ勝てねえんだ。あと何回チャンスがあるのかわかんねえんだ。今は、いくとこだろ。』
北峰『氷室は甲子園では、今んとこ冴えてないけどな。』
氷室『絶対に打つ!!』
鬼頭『氷室。』
氷室『?』
鬼頭『三振かホームランか。どっちかでいいぞ。』