No.252:4番、ピッチャー、鬼頭くん
『3番、レフト、奥田くん。』
《さあ打席には強打の楽秦工業の3番バッター奥田!!!S・9の2人が繋いで出塁したチャンスをものにできるか!?マウンド上には好投手、小宮哲都!!》
増田『あいつはこの場面。絶対打つよ。』
武田『だな。』
増田『破刃や剣刃、そして天。こいつらを繋ぎとめるためも、うちの3番バッターは最も大切なポジションでもある。戦略的にも、破刃剣刃天を並べるわけにはいかない。だからこそウチの3番はただの3番バッターじゃだめなんだよ。』
武田『あぁ。なんだかんだウチはその3人の打力に頼ってた…。でも、このチームを陰で支えているのは…』
“本当は、奥田なんじゃないかなぁ。”
カキィィィーーーッッッーーーッンッ!!!
《真ん中低めの変化球をコンパクトなスイングで流し打ち!!!!!打球は一二塁間を痛烈に破る!!!二塁ランナー鳴島破刃は俊足だが!?回るか!?いや、止まった!!》
増田『最高のチームバッティングが出来る。それが奥田だ。』
《ツーアウトランナーフルベース!!!3番奥田も繋いだ!!ツーアウトランナー無しから3連打で満塁!!!そして打席には、S・9の鬼頭博行の弟、4番、鬼頭天!!》
小宮『やっぱそうだよね。』
西口『ああ。ここは、博行先輩でいこうと思う。監督の意向だ。』
小宮『ったく…なんでこうもツーアウトから弱いんだろうね僕は…(笑)』
西口『負けなきゃ次がある。全員野球でこの試合、絶対勝つぞ。』
小宮『百も承知だよ。勝って準決勝、行こう!』
《おっと…?これは…ピッチャー交代でしょうか?小宮がグローブを変えます。》
鬼頭天『?』
『邦南高校、シートの変更をお知らせします。』
増田『まさか…なぁ。』
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小宮:1→6
島谷倫:6→4
鬼頭:4→1
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『1番、ショート、小宮くん。4番、ピッチャー、鬼頭くん。8番、セカンド、島谷倫暁くん。以上に代わります。』
『対する、楽秦工業高校、4番、ピッチャー、鬼頭くん。』
123 4 56789
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|鳴鳴奥 鬼 吉来武増下|
楽秦|島島 |
工業|破剣田 頭 川馬田田川|
|467 1 95328|
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|693 1 27548|
邦南|小副大 鬼 西藤松島慶|
| 谷 |
|宮島場 頭 口武坂倫野|
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《なんということでしょう!!ここで、この場面で、ピッチャーを鬼頭博行に交代!!ツーアウトランナー満塁で打席には弟の鬼頭天!!!さあ大注目の兄弟対決!!!》
片野『別に話題性を考えた訳じゃない。この場面を託すには、博行が適任だった。それだけの理由だ。』
鬼頭天『ははははは…サイコー。サイコーだぜ…。兄貴ィ…。』
鬼頭博『サイコーだな。こんな場面で天とやれるなんて。』
《両者とも…笑っていますか?》
鬼頭博『打てるもんなら打ってみろ!』
鬼頭天『かかってこい!』
『プレイ!!!』
《凄いことになっています!ここ阪神甲子園球場!!!4時を過ぎて始まったこの試合、中断、延長などあり、現在時刻は9時に近づいてきているこの試合、延長13回表、打席には鬼頭天、対するマウンドには、鬼頭博行!!!》