No.249:マウンドとバッターボックスの対峙
『4番、ピッチャー、鬼頭くん。』
《さあ9回表ワンナウトランナー三塁で打席には4番の鬼頭天!!さあ4番の意地を魅せ、価千金の勝ち越し打を打つことができるか!?!?》
西口(敬遠なんて必要ない。今の翔真先輩に‘逃げ’は必要ない。今の翔真先輩なら誰にも打たれない!!それは正捕手であるおれが一番よく知ってる!!!)
《マウンド上大場翔真、鬼頭への第一球!!》
ビュゴォォォゥッッッ!
カァクゥゥッッッッッ!!
カーン!
『ファール!!』
西口(当てた…か。)
鬼頭天『…。』
鬼頭博(集中力を最大限まで高めてきたな…。あんな天は初めて見た。)
ビュゴォォォゥッッッ!
カーン!
『ファールボール!!』
≪149 km/h≫
西口(さすがだな…鬼頭天…。この翔真先輩のボールに連続で当てるなんてな…。)
大場『…。』
鬼頭博(翔真も完全に本気だ。こりゃ…)
“どっちが勝つか誰にもわかんねーな。”
…
…
ズッバァァーーーッッーーーーッッンッッ!!!
『ボール!!カウント3ボール2ストライク!!!』
《ストライクからボールになる素晴らしいフォークボールを見逃し!!!よく見ました!鬼頭天!!》
野中『この二人…ほんとにすげェ…』
川越『しかもこいつら…まだ3年生じゃねえんだろ…。』
野中『気が早いかもしれんが…来年はもっとすごい勝負が見られるかもしれないのか…ここ甲子園で…』
《さあマウンド上は邦南高校エース、1回戦でノーヒットノーラン、この準々決勝でも現在19奪三振のMAX150 km/h、怪物2年生サウスポー大場翔真!!対する左打席には、S・9、鬼頭博行の弟、1年生からエースで4番、最強の1年生、鬼頭天!!さあこの二人の対決から目を離すことができるでしょうか!?いや、できません!!さあどうなるか!!》
副島『翔真…』
島谷倫『翔真…』
松坂『翔真…』
邦南ナイン『『『信じてるぜ!!!』』』
増田『天…』
武田『打てよ…』
奥田『ぜってー打て』
楽秦工業ナイン『『『任せたぞ!!!天!!!!』』』
《さあ大場翔真、セットポジションから注目の11球目!!!》
“投げる――――――――――!!!”