No.241:勇気づくナイン
川越『鬼頭の弟の方は雨が強くなって一気に崩れたな。』
野中『雨の試合だったら邦南有利だぞ。あいつらは地方大会から何度も雨の中死闘を制してきている。』
ビュゴゥゥゥッッッッ!!!
ズッバァァァーーッッーーーッンッッ!!!
≪150km/h≫
《空振りの三振!!この回も3者連続三振でシャットアウト!!一回戦青龍寺の記録した14者連続三振を抜く、15者連続三振!!!》
川越『完全にスイッチが入った大場を打つのは困難だぞ。これは鬼頭の逆転弾で完全にこの試合、邦南が圧倒的有利だな。』
…
『9番、センター、下川くん。』
《さあ打席には下川!!大場翔真は現在15者連続奪三振中!!》
ビュゴゥゥゥッッッッ!!!
ズッバァァァーーッッーーーッンッッ!!!
『ストライク!!ツー!!!』
ビュゴゥゥゥッッッッ!!!
カァクゥゥゥゥッッッッ!!!
ブンッッ!
《空振りの三振!!!三球で仕留めた!!2年生エース大場翔真、夏の主役に躍り出る、16者連続!!!!そして奪三振は18!!しかもまだ7回ワンナウトです!!》
『1番、セカンド、鳴島破刃くん。』
鳴島剣『さあ破刃。そろそろ本格的に潰しにかかろうぜ。セコいなんて関係ねえ。』
鳴島破『いわれなくても。奪三振を止めるのは当然のこと、マウンドから強制退場してもらおう。』
ビュゴゥゥゥッッッッ!!!
スッ…
島谷倫『セーフティ!!』
カァクゥゥゥゥッッッッ!!!
ズッバァァァーーッッーーーッンッッ!!!
西口『そう来ると思ってましたよ。』
《初球はセーフティバントを試みましたがフォークに空振り!!!》
鳴島破(このフォークはちょっとウゼーな。初回とはキレも全然違う。だけどよ。)
“S・9の一人、鳴島破刃様をなめんじゃねえ!”
カァクゥゥゥゥッッッッ!!!!
カーン!
鳴島剣『ヒットを打つことを捨てて完全に潰しにかかったか。』
《打球はボテボテ一二塁間!!ファーストか!?それともセカンドか!?》
氷室『抜かせるか!!』
西口『またベースカバーの翔真先輩狙いか!!』
『待て!!氷室!!出るな!!』
鳴島破『博行め!!!』
パシィ!
ピュッ!
鳴島破『大場をベースカバーさせない気か…しょうがねえ…!だったらこのファーストを潰してやる!!』
西口『まさか…今度は…氷室狙いか!』
大場『氷室!気を付けろ!!!』
鳴島破『どけどけ!!邪魔だ!!!』
氷室『ここで引いたら、コイツらの思う壺だろ!!』
ドガッッッ!!!
《これは!また悪質なタックル!!!高校球児がこんなことをやっていいのでしょうか!?!?》
鳴島剣『全く破刃もこれで日本中の嫌われものだな。嫌われる方が俺たちにあってるけどね♪』
大場『大丈夫か!?氷室!』
氷室『全然平気っすよ。翔真先輩がそんな状態でこんなすげーピッチングしてんのに、こんくらいで痛い痒いいってられないですよ。』
大場『ふっ。気づかれてたか…。』
鬼頭『俺もすでに見透かしてたけどな。最初から。』
大場『あなたはただ観察眼が優れてるだけでしょ。』
西口『まぁ。バレバレでしたけどね。』
島谷倫『この夏ずっと一緒にプレイしてきた俺らが気づかないわけないだろ!』
大場『ははは…。ごめんなさい!』
小宮『とりあえずあとアウト7つ。しっかりしていこう!』
カキィィィーーーッッーーッンッ!!
《鳴島剣刃の打球もセカンドへ。スリーアウト。7回表、楽秦工業の攻撃も終わりました。》